軍事的空白をつくり、今日、東アジアを不安定な状況に陥れている。一日も早く“翻訳憲法”の悪夢から、覚醒しなければならない。

 もし、日本がサンフランシスコ講和条約によって独立を回復してから、「マッカーサー憲法」を改正して、イギリスか、フランス並みの軍備を整えていたとしたら、今日のように北朝鮮や、韓国、中国から侮られることが、なかったはずだ。
 日本がもしイギリス、フランス並みの軍備を整えていたとすれば、北朝鮮が日本列島をミサイルの試射場がわりに使い、中国が傍若無人尖閣諸島を奪取しようとすることがなかった。
 日本がアメリカの軍事力にひたすら縋って、“専守防衛”を国是としてきたことが、軍事的空白をつくりだして、今日、東アジアを不安定な状況に陥れている。一日も早く“翻訳憲法”の妖夢から、醒めなければならない。




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日本国憲法の原文は英語 翻訳憲法が導いた東アジアの不安定さ
Date : 2018/01/22 (Mon) 加瀬英明

 過ぎ去った歴史に「もし、そうだったら」(イフ)を問うことは、けつして無益ではないと思う。貴重な教訓を学ぶことができるはずだ。
 今年は日本国憲法が制定されてから、71年目になる。
 現行憲法が占領下で強要されたことは、原文が英語であることから、明らかだ。
 いったい、どこの国の憲法の原文が外国語によって、書かれているものだろうか。 異常なことだ。 私は日本が独立を回復してから、今日まで後生大事に墨守してきた現行憲法を、「翻訳憲法」と呼んできた。
 現行憲法はマスコミや日本国民の大多数によって、「平和憲法」と呼ばれて親しまれてきた。
 だが、世界の歴史が記録されるようになってから、軍事的空白が生まれると、かならず周辺の勢力によって埋められることを、教えている。
原文が占領者の国語である英語によって書かれた現行憲法は、日本に非武装を強いたが、アメリカが軍事的空白を埋めてきた。
平和憲法」と呼ぶのは、誤まっている。   
 正しく呼べば、「“アメリカの力による平和”憲法」なのだ。それを、“日本国民の精神がもたらす平和”だと思い込んできたとしたら、何と愚かなことだろうか。
 新年に当たって、神社や寺を詣でて「家内安全」の護符を貰ったからといって、戸締りをいっさいしなくて、すむわけがない。
「息災」は仏の力によって、災害を消滅させることを意味するが、現行憲法の前文と第九条は、一片のお札にしかすぎない。
 では、これまでの70年を振り返って、「イフ」を問うてみたい。
 まず、もし、アメリカが71年前に、日本を完全に非武装化した現行憲法を強要するかわりに、第1次大戦に敗れたドイツに強いたベルサイユ条約のように、軍備に制限を加えるのにとどめたとしたら、占領下にあった日本政府が軍備を完全に放棄するという、突飛な発想を持つはずがなかった。
 1947年5月に日本国憲法が施行されたが、朝鮮戦争がその僅か3年1ヶ月後に勃発したために、アメリカも、マッカーサー元帥も、日本に非武装を強いる憲法を与えるべきでなかったと悔いた。
 もっとも、占領軍は絶対に正しいことを装っていたから、過ちを認めるはずがなかった。
 もう一つの「イフ」は、もし、日本がサンフランシスコ講和条約によって独立を回復してから、「マッカーサー憲法」を改正して、イギリスか、フランス並みの軍備を整えていたとしたら、今日のように北朝鮮や、韓国、中国から侮られることが、なかったはずだ。
 イギリスと、フランスは経済規模を示すGDPで、それぞれ日本の半分しかない。  両国は航空母艦と、核ミサイルを搭載した原子力潜水艦保有している。両国が平和愛好国であることは、いうまでもない。
 日本がもしイギリス、フランス並みの軍備を整えていたとすれば、北朝鮮が日本列島をミサイルの試射場がわりに使い、中国が傍若無人尖閣諸島を奪取しようとすることがなかった。
 日本がアメリカの軍事力にひたすら縋って、“専守防衛”を国是としてきたことが、軍事的空白をつくりだして、今日、東アジアを不安定な状況に陥れている。一日も早く“翻訳憲法”の妖夢から、醒めなければならない。