軍事的空白をつくり、今日、東アジアを不安定な状況に陥れている。一日も早く“翻訳憲法”の悪夢から、覚醒しなければならない。

 もし、日本がサンフランシスコ講和条約によって独立を回復してから、「マッカーサー憲法」を改正して、イギリスか、フランス並みの軍備を整えていたとしたら、今日のように北朝鮮や、韓国、中国から侮られることが、なかったはずだ。
 日本がもしイギリス、フランス並みの軍備を整えていたとすれば、北朝鮮が日本列島をミサイルの試射場がわりに使い、中国が傍若無人尖閣諸島を奪取しようとすることがなかった。
 日本がアメリカの軍事力にひたすら縋って、“専守防衛”を国是としてきたことが、軍事的空白をつくりだして、今日、東アジアを不安定な状況に陥れている。一日も早く“翻訳憲法”の妖夢から、醒めなければならない。




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日本国憲法の原文は英語 翻訳憲法が導いた東アジアの不安定さ
Date : 2018/01/22 (Mon) 加瀬英明

 過ぎ去った歴史に「もし、そうだったら」(イフ)を問うことは、けつして無益ではないと思う。貴重な教訓を学ぶことができるはずだ。
 今年は日本国憲法が制定されてから、71年目になる。
 現行憲法が占領下で強要されたことは、原文が英語であることから、明らかだ。
 いったい、どこの国の憲法の原文が外国語によって、書かれているものだろうか。 異常なことだ。 私は日本が独立を回復してから、今日まで後生大事に墨守してきた現行憲法を、「翻訳憲法」と呼んできた。
 現行憲法はマスコミや日本国民の大多数によって、「平和憲法」と呼ばれて親しまれてきた。
 だが、世界の歴史が記録されるようになってから、軍事的空白が生まれると、かならず周辺の勢力によって埋められることを、教えている。
原文が占領者の国語である英語によって書かれた現行憲法は、日本に非武装を強いたが、アメリカが軍事的空白を埋めてきた。
平和憲法」と呼ぶのは、誤まっている。   
 正しく呼べば、「“アメリカの力による平和”憲法」なのだ。それを、“日本国民の精神がもたらす平和”だと思い込んできたとしたら、何と愚かなことだろうか。
 新年に当たって、神社や寺を詣でて「家内安全」の護符を貰ったからといって、戸締りをいっさいしなくて、すむわけがない。
「息災」は仏の力によって、災害を消滅させることを意味するが、現行憲法の前文と第九条は、一片のお札にしかすぎない。
 では、これまでの70年を振り返って、「イフ」を問うてみたい。
 まず、もし、アメリカが71年前に、日本を完全に非武装化した現行憲法を強要するかわりに、第1次大戦に敗れたドイツに強いたベルサイユ条約のように、軍備に制限を加えるのにとどめたとしたら、占領下にあった日本政府が軍備を完全に放棄するという、突飛な発想を持つはずがなかった。
 1947年5月に日本国憲法が施行されたが、朝鮮戦争がその僅か3年1ヶ月後に勃発したために、アメリカも、マッカーサー元帥も、日本に非武装を強いる憲法を与えるべきでなかったと悔いた。
 もっとも、占領軍は絶対に正しいことを装っていたから、過ちを認めるはずがなかった。
 もう一つの「イフ」は、もし、日本がサンフランシスコ講和条約によって独立を回復してから、「マッカーサー憲法」を改正して、イギリスか、フランス並みの軍備を整えていたとしたら、今日のように北朝鮮や、韓国、中国から侮られることが、なかったはずだ。
 イギリスと、フランスは経済規模を示すGDPで、それぞれ日本の半分しかない。  両国は航空母艦と、核ミサイルを搭載した原子力潜水艦保有している。両国が平和愛好国であることは、いうまでもない。
 日本がもしイギリス、フランス並みの軍備を整えていたとすれば、北朝鮮が日本列島をミサイルの試射場がわりに使い、中国が傍若無人尖閣諸島を奪取しようとすることがなかった。
 日本がアメリカの軍事力にひたすら縋って、“専守防衛”を国是としてきたことが、軍事的空白をつくりだして、今日、東アジアを不安定な状況に陥れている。一日も早く“翻訳憲法”の妖夢から、醒めなければならない。

・「韓国人はいくら嘘がばれても責任を問われたり職を辞さなくてはならないといった心配がないので、誰もが平気で嘘をつく!」

・韓国人は世界一哀れな民族であり、国際常識がわからず、世間知らずの自己中心主義が世界の笑いものになっている。
・そのことに気がつかないほどの愚かな国民である。
・「強制連行? 殆どが経済的理由で自ら日本へやってきた。創始改名? 殆どは韓国人から改名を希望した」
・ 近年は偽造され改竄された反日教育で、倫理を欠いた日本批判と、あまりのジコチュウの歴史に洗脳された韓国人の、奇妙な振る舞いが目立つ。
・売春ビジネスは金額に直すと、韓国GDPの5%にも及び、「専業女性」は全韓国女性の4%にもあたる。
・「韓国人はいくら嘘がばれても責任を問われたり職を辞さなくてはならないといった心配がないので、誰もが平気で嘘をつく!」










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書評その14
野卑で事大主義で横着な朝鮮人の性格は、近年もっと歪んだ創始改名は自らが望んだように、韓国をすてる若者も後を絶たず
呉善花著 『韓国 倫理崩壊 1998−2008』(三交社
 これほど辛辣な、しかし真実な韓国論を読むのは久方ぶり、日頃の神経的疲れも一挙にとれる。
読後感といえば韓国人は世界一哀れな民族であり、国際常識がわからず、世間知らずの自己中心主義が世界の笑いものになっていることに気がつかないほどの愚かな国民であるということだった。
「強制連行? 殆どが経済的理由で自ら日本へやってきた。創始改名? 殆どは韓国人から改名を希望した」。
 嘘をついても平気、だまされる方が悪いという風土があるから、嘘がまかり通る。
戦後、日本が韓国になした経済援助によって地下鉄もできた。製鉄所もできたが、それを知る韓国人は殆どいない。
 呉女史自身が日本に留学にくる前まで、あれは韓国自らの努力で建設したと思っていたという。
 昔、池東旭氏と小生が対談した折、氏から指摘があった(宮崎、池共著『兄弟だから許せない』(学陽書房)。
「外から客間がみえるように応接間をつくり本当は映らないのに大きなテレビをこれ見よがしに飾り、本棚には中身がない文学全集を並べていた」。
外見上の見栄っ張りが韓国人の特色だった。
近年は偽造され改竄された反日教育で、倫理を欠いた日本批判と、あまりのジコチュウの歴史に洗脳された韓国人の、奇妙な振る舞いが目立つ。スポーツ大会での振る舞いは枚挙する必要もないだろう。
 韓国人は嘘つき同士だから、じつに詐欺が多い。
世界ランキングでも韓国の詐欺発生件数はトップクラス、しかも偽証罪で起訴された件数を人口比で比較すると、韓国は日本の671倍、法廷での誣告罪は日本の4151倍、つまり法廷も「嘘の競演場」だと呉さんは言う(本書120p)。
売春ビジネスは金額に直すと、韓国GDPの5%にも及び、「専業女性」は全韓国女性の4%にもあたる(本書198p)。
だからエリート高麗大学で『来世は韓国人に生まれたくない』とアンケートに答える若者が51・4%もあるという。(本書157P)
実に過半数以上である。
 そうだ。
 儒教儒教と呪術のように言いながら、かの国の国民は何時、倫理を喪失したのか?
 呉善花さんは次の指摘をしている。
「いくら嘘がばれても責任を問われたり職を辞さなくてはならないといった心配がないので(日本では偽メールを流した国会議員は辞職に追い込まれ、大分県教育委員会は不正合格を取り消したが)、誰もが平気で嘘をつくのである」。
 儒教の先輩格と日本にいばり、また欧米にはキリスト教の深い信仰が国民の間に広がっている韓国で、このインモラルな生き方に対して、「なぜ?」訝る声もあるだろう。
 回答はこうだ。
「韓国人の倫理道徳観は一般に、内面からの自己自身を律するものではなく、外面での形式的なモラリズムの『外貌至上主義』に過ぎないからである。 ここのところは、大きく『誤読』している日本人が少なくない」と。
 韓国文化を論じるファッショナブルな文化論を横行する中で、こういう深淵からのぞく韓国論、待ち望まれたものである。
 秋の読書界の話題をさらいそうだ。

・一日も早く、「深い闇」の憲法から闇を払い、光を取り戻そう!

・現行憲法は 日本敗戦の翌年の2月に、占領軍総司令部GHQが俄かに集めた素人24人によって、僅か7日間で作った。
・前文は、アメリカ独立宣言や、1943年に日本に対して無条件降伏を要求したカイロ宣言などの文言から取って、切り貼りしたものである。
・占領軍が強要した現行憲法は、日本が未来永劫、軍備を持つことを禁じ、日本国から誇りを奪うことを、はかったものだった。
・歴史を振り返ると、ある国が力づくで外国を属国としようとする時に、かならず国防権を奪う。
・ホイットニーは、吉田たちに「この憲法案を受諾しなければ、総司令部として、天皇の一身の安全を保障できない」と、言い放った。天皇を戦争裁判にかけて、絞り首にするというのだ!
・現行憲法は、兇悪な誘拐犯人によって脅されて、強要されたものだ。
護憲派の面々は、現行憲法が理想主義を体現したものだといっているが、「深い闇」の憲法である。
・一日も早く、「深い闇」の憲法から闇を払い、光を取り戻そう!










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■ 日本国から誇りを奪っている現行憲法
Date : 2016/08/05 (Fri)  加瀬英明

 現行の日本国憲法は、諸悪の因(もと)となっている。
 私は世界の60ヶ国以上の、憲法の前文を読んだ。
 どの国の憲法も、前文のなかでその国が誇りとする歴史や、伝統の精神文化を称(たた)えている。
 私は、毎朝、鏡のなかで自分の顔を見るたびに、父母の体を受け継いでいると思う。
 私が1人で存在しているのではない。そして父母だけではなく、祖父母、さらに遡って私を現世に送ってくれた御先祖に感謝する。
 この連載のなかで、私は現行憲法が日本が先の戦争に敗れた翌年の2月に、占領軍総司令部で俄(にわ)かに集められた、24人のシロウトばかりの部員によって、僅か7日間で書かれたことに、すでに触れた。
 現行憲法の前文は、このシロウト集団がアメリカ独立宣言や、アメリカ、イギリス、中華民国の首脳が昭和18(1943)年に、エジプトのカイロに集まって、日本に対して無条件降伏を要求したカイロ宣言などの文言から取って、切り貼りしたものである。
 占領軍が日本に強要した現行憲法は、日本が未来(みらい)永劫(えいごう)にわたって、軍備を持つことを禁じるとともに、日本国から誇りを奪うことを、はかったものだった。歴史を振り返ると、ある国が力づくで外国を属国としようとする時に、かならず国防権を奪うことを行う。
 日本の憲法の前文は、先人たちから受け継いだ国を誇ることによって、先人に感謝を捧げるものでなければならない。現行憲法の前文は罰当たりのもので、読誦(どくしょう)するにとうてい価(あたい)するものではない。
 憲法は、国家の最高法規である。先祖が代々にわたって、この国を築くために営々として努力してきたことを、疎(おろそ)かにしてしまってよいものなのか。   私たちが未来を切(き)り拓(ひら)こうとするなら、何よりも先人の加護を願わねばなるまい。
 総司令部で日本に無理強いする憲法案ができあがると、マッカーサー元帥の側近のホイットニー少将が幕僚を連れて、都内白金の外相公邸で待っていた、吉田茂外相を訪れて、手交した。
 日本が戦争に敗れた2ヶ月後に、東久邇(ひがしくに)宮首相が退陣して、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相と交替して、吉田が外相に就任していた。
 ホイットニーは回想録のなかで、憲法案を読んだ「吉田の顔色が、黒い雲に覆われたように変わった」と述べている。
日本側の記録によると、この日は早春でまだ肌寒かったのに、吉田は冷汗をかいて、掌(てのひら)の汗をズボンでさかんに拭(ぬぐ)っていた。
吉田の一行に随行していた外務省の通訳は、憲法案の内容を知って、恐怖のあまり口が動かなくなった。
 そのうえで、ホイットニーは、吉田たちに「この憲法案を受諾しなければ、総司令部として、天皇の一身の安全を保障できない」と、言い放った。天皇を戦争裁判にかけて、絞り首にするというのである。

 天皇を人質として脅迫されたから、日本政府として従わざるをえなかった。
 現行憲法は、兇悪な誘拐犯人によって脅されて、強要されたものだ。
 護憲派の面々は、現行憲法が理想主義を体現したものだといっている。だが、深い闇の憲法である。
 一日も早く闇を払い、光を取り戻そう!




・日本国はこの瞬間だけ、存在しているのではない! 2700年以上にわたり引き継がれている父祖代々にわたる深い根がある。根のない国にしてはならない!

・日本が占領下で自由を奪われていた間に、外国に銃口を突きつけられて、強要された現行憲法は、「日本国」の名に価いしない。
・日本の憲法の原文が、外国語の英語だというのは、異常すぎることだ!
・日本語で人間を指して、「象徴」という使用法はなかった。
・第九条が軍隊を保有することを禁じているから、軍人がいるはずがないのに、憲法第66条2項は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と、定めている。 1週間で慌ててでっち上げた“即席憲法”だから異常個所が多い!
・日本国はこの瞬間だけ、存在しているのではない! 2700年以上にわたり引き継がれている父祖代々にわたる深い根がある。根のない国にしてはならない!










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現行憲法が外国製であることの“異常”さ
Date : 2016/12/05 (Mon)  加瀬英明

 日本が占領下で自由を奪われていた間に、外国によって銃口を突きつけられて、強要された現行憲法は、日本国憲法と呼ばれているが、「日本国」の名に価いしない。
 天皇は、日本国の「象徴」(第1条)と規定されているが、「日本国憲法」の原文である英語では、「シンボル」と書かれている。
 日本の憲法の原文が、外国語の英語だというのは、異常なことではないか。
 「異常」という言葉は、「体の異常を訴える」とか、「精神が異常だ」という意味で、用いられる。
 原文が外国語であるということだけとっても、今日の日本は異常である。
 「日本国憲法」が制定されるまでは、「菊花は御皇室の象徴である」というように、象徴という言葉はあったが、日本語で人間を指して、「象徴」という使用法はなかった。シンボルという原文を、他に訳しようがなかったからだった。
 現行憲法のなかで一つ、それまで日本語に存在しなかったのに、日本語として新しく造られた言葉が、用いられている。
 ブンミン――「文民」という言葉だ。憲法第66条2項は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と、定めている。
 軍人であってはならない、というのだ。
第九条が軍隊を保有することを禁じているから、軍人がいるはずがないのに、このような条項があるのは奇妙なことだが、大慌てでつくった、お粗末な“即席憲法”であることを、示している。
 占領軍がつくった原文では、この「文民」に当たる言葉は、「シビリアン」である。ところが、それまで「シビリアン」には「市民」とか、「民間人」という訳語しかなかったので、法律の用語として適切でなかった。
 もし、現憲法を日本の手でつくって、制定したとすれば、それまで存在しなかった、新しい言葉を造って、用いることはなかっただろう。このこと、一つだけをとっても、現憲法が外国製であることが分かる。
 私は「象徴」という言葉を、それまでなかった用いかたをしたり、「文民」という新しい言葉を造ったことを、非難しているのではない。

 明治以後、「社会」「個人」「宗教」「指導者」「独裁者」や、「恋愛」という、それまで日本語のなかになかった、おびただしい数にのぼる新語――明治翻訳語と呼ばれる言葉――が造られては、日本語に仲間入りしている。
 私は本誌の前号で、日本はいま生きている日本国民のものだけではないと、訴えた。
 当然のことだが、2000年以上にわたって、日本列島に生を享けて、日本という国を創ってきた御先祖たちも、この国の主人である。
 日本国はこの瞬間だけ、存在しているのではない。父祖代々にわたる深い根がある。根のない国にしてはならない。
天皇が「日本国民の象徴」であるという時には、いま生きている日本国民の象徴であられるだけではなく、2000年以上にわたる日本国の象徴であられるのだ。
 昭和天皇は、今上陛下が御成婚になられた日に、「あなうれし神のみ前に 日の御子のいちせの契り結ぶこの朝」と、御製を詠まれている。
天照大御神のお血筋を継がれていることを、祝われたのだった。

・現ドイツ政権は左右大連立で「十五の大臣のうち8つがSPD」。

東西ドイツ統一以後は、ドイツの経済優等生の質が劣化した。さらには欧州通貨統一によって、ドイツ経済は中国に抜かれるほどに疲弊した。
・ドイツの政治は、ロシアの利益と通底する二流の政治家がいる。
売国奴的政治家とは、毎年中国を訪れたシュレーダー前首相である。
・現ドイツ政権は左右大連立で「十五の大臣のうち8つがSPD」。
外交を取り仕切るのは左派だ!
・北京とはビジネスさえ旨くいけば中国に叩頭しても構わないと考えているのがドイツ人の大半である。
・ドイツに学ぶことなんぞ、もはや無い!





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書評その18
ドイツの現代政治は二大政党が機能するが、政治家の質は劣化
迷妄ドイツを一刀両断する爽快さと未来への憂鬱さを
川口マーン惠美
『日本はもうドイツに学ばない?』(徳間書店

『日本はもうドイツに学ばない?』
 小生のようにドイツを知らず、漠然とした技術大国=ドイツの印象を身勝手に抱いてきた者にとってこの評論集は新鮮な驚きのパケッジであり、あのメルセデスベンツをつくる器用な国民が、他方では奇妙なドイツ人の思考体系をもつことなど想定外のこと。
またドイツおよびドイツ人の意外な側面を知り、本書はとても有益である。
 一般的に日本人のドイツの印象は良い。いや、良かったと書くべきだろう。  森鴎外が留学し、伊藤博文プロシア帝国憲法を範にとって明治欽定憲法を起草、制定した。
ゲーテ、トーマスマン、ヘルマンヘッセ、ワグナー。
 手塚富雄、高橋義考という人たちの名訳でドイツ文学にしたしみ、西尾幹二の新訳でニーチェに親しんだ。三島由紀夫第二外国語はドイツ語だった。
 ところが現代日本ではドイツがまるで語られなくなった。
 大学ではドイツ語を第二外国語に選択する学生は稀となり、中国語へ語学ブームは移った。
 ドイツ政治を分析する論客も目立って減少した。

 日本の戦後政治は混沌としてきたが、ドイツもご多分に漏れず混沌そのもの、いや東西ドイツ統一以後は、旧東ドイツの貧困を旧西ドイツが吸収し、そのためドイツの経済優等生の質が劣化した。さらには欧州通貨統一によって、ドイツ経済は中国に抜かれるほどに疲弊した。
 このドイツは、政治家の右往左往、右顧左眄、売国奴の跳梁跋扈があり、構図的にいえば、ちょうど日本に売国媚中派と保守派とに二分され、さらにその保守が真性保守、体制保守、偽装保守などに細分化されるように、ドイツの政治は、ロシアの利益と通底する二流の政治家がいる。
 言うまでもなく売国奴的政治家とは、シュレーダー前首相である。
 川口さんは舌鋒鋭くこう批判する。
 「シュレーダーは首相在任中、毎年中国を訪れたが、当地では、徹頭徹尾相手の嫌がることには口を噤み、大型商談をまとめることだけに心を尽くし、中国人やんやの喝采を浴びて満面の笑みを浮かべているのが常だった。そして、このシュレーダー外交を、官邸で、裏からしっかり支えていた」男がシュタインマイヤーというニヒルな政治家だった。

 戦後、アデナゥワーは米国と協調したが、ブラント政権で東方外交へ急傾斜をはじめた。そしてブラントの個人秘書は東ドイツのスパイだった。
 後継シュミット時代に「ドイツ経済は完全な停滞状態にはいったしまった。それを引き継いだのがCDUのコール首相。行き過ぎた福祉にブレーキをかけ、19990年には華々しく東西ドイツを統一下」(本書140p)

 だが、いまやドイツ統一の偉業をなしとげたコール首相は顧みられず、現首相メルケルへの罵詈雑言が左派からなされる。仕掛け人は現連立政権にありながら次期首相の座を虎視眈々と狙うシュタインマイヤーらSPDの面々である。
 現ドイツ政権は左右大連立で「十五の大臣のうち8つがSPD」。
外交を取り仕切るのは左派なのである。

 日本との比較で二点、異なるポイントがあると川口さんは指摘する。
 「ドイツには日本とは決定的に違う二つの負い目がある」、それは「ホロコーストと戦時賠償未払い」
 東方外交をすすめたブラント元首相はユダヤ人慰霊塔に跪き、ヒトラーを要したドイツ軍がなした狼藉を謝罪したが、「ヒットラーの率いたドイツと自分とを同一視していない」。
いや一般的にも「ドイツ人政治家の謝罪はヒットラーが起したことに対する謝罪であり、自分や国民の罪に対するものではない」。
 つまり「親族に人非人がいたことに対する悲しみの表現のようなものであり、つまり『あいつのしたことは本当に悪いことだった。恥ずかしい、許してくれ』と誤っているのだ。日本は幸いなことに、あとにも先にも身内にこのたぐいの人非人を持たなかった」(本書73p)。

 本書にはホーネッカー(旧東ドイツの独裁者)が、旧東ドイツ市民が秘密警察に監視されつつ、生活がうまく行かずモノもなく、塗炭を味わっても、一人だけ核戦争にも生き残り、モスクワへ逃げる場合に備えた豪華な核シェルターを築いた事実が暴かれる。
その塹壕が埋められる前の見学ツアー川口女史はでかけて、壮大な無駄と独裁の虚無を見いだす。
それにしても直撃取材のフットワークの良いこと!

 また“ドイツの良心”などと左翼ジャーナリズムに持て囃された“ドイツの大江健三郎的な作家”ギュンター・グラスが青年時代はナチの「太鼓持ち」だったこと、シュレーダー前首相がプーチン代理人のごとき政治屋ロビィストであること、ダライラマとの関係でベルリンが北京へ頭を下げるのも、日本と同様であり、北京とはビジネスさえ旨くいけば中国に叩頭しても構わないと考えているのがドイツ人の大半であること等々。
 次々と暴かれるドイツの真相を知れば知るほどに、表題のようにドイツに学ぶことなんぞ、もはや無いという結論が出てくるのだ。

「日米戦争の責任は、ルーズベルトというたった1人の狂人(マッドマン)にある」

・バイデン副大統領が「アメリカは占領下で、日本に軍隊を持つことを禁じる憲法を持たせた。(トランプ氏は)それを、学校で習わなかったのか」と、反論した。
憲法第7条4項は、国会議員は総選挙によって選ばれると、明記している。 参院選挙は総選挙ではなく、半数しか選出しない。
・現行憲法には、このような杜撰な誤りが多い。帝国議会で十分な審議が行われることが、なかったからである。
・日本の憲法学者は、第7条を読んだことがあるのだろうか?
護憲派の国民も、日本国憲法を読んでいない。読んでいるのならば、せめて第7条だけでも正そうとしたはずだ。
アメリカが占領下で日本に強要した現憲法は、前文のなかで
「政府の行為によって再び戦争が起ることのないようにするために(略)この憲法を確定する」と述べて、日本に先の戦争の責任をすべて負わせている。
日本国憲法は、東京裁判と並んで、日本国民に日本が戦争犯罪国家であることを、刷り込むために、日本に押しつけられた。
・ハーバード・フーバー大統領は回想録のなかで占領下の日本を訪れて、マッカーサー元帥と3回にわたって会談した。
「日米戦争の責任は、ルーズベルトというたった1人の狂人(マッドマン)にある」と述べたところ、マッカーサーが賛成したと、記している。
・『日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず』









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■ 日米戦争の責任は一方的にアメリカにある
Date : 2016/10/04 (Tue)  加瀬英明
 8月に、トランプ共和党大統領候補が、「アメリカは日本を守る義務を負っているのに、日本はアメリカを守る義務を負っていない。日本が攻撃を蒙った時に、日本国民はソニーのテレビで、われわれの青年たちが血を流すところを、高見の見物する」と、演説した。
 すると、バイデン副大統領が「アメリカは占領下で、日本に軍隊を持つことを禁じる憲法を持たせた。(トランプ氏は)それを、学校で習わなかったのか」と、反論した。
 それに対して、ワシントンの日本大使館が「アメリカは現行憲法の原案を日本に提示したが、帝国議会の十分な審議を経たうえで施行された」という、短いコメントを発表した。
 民進党岡田克也代表も、「アメリカが書いたというのは、副大統領として不適切な発言だ。最終的には、国会で議論して、つくった」と、批判した。
 7月に参議院議員選挙が行われたが、明らかに違憲だった。
 憲法第7条4項は、国会議員は総選挙によって選ばれると、明記している。 参院選挙は総選挙ではなく、半数しか選出しない。
 現行憲法には、このような杜撰な誤りが多い。帝国議会で十分な審議が行われることが、なかったからである。
 いったい、日本の憲法学者は、第7条を読んだことがあるのだろうか。護憲派の国民も、日本国憲法を読んでいない。読んでいるのならば、せめて第7条だけでも正そうとしたはずだ。
 今年も、また夏が巡ってきた。そのたびに、71年前の戦争を戦ったことが、大きな誤りだったとして、再び戦争の惨禍を招いてはならないと、誓うことが行われた。
 アメリカが占領下で日本に強要した現憲法は、前文のなかで「政府の行為によって再び戦争が起ることのないようにするために(略)この憲法を確定する」と述べることによって、日本に先の戦争の責任をすべて負わせている。
 日本国憲法は、東京裁判と並んで、日本国民に日本が戦争犯罪国家であることを、刷り込むために、日本に押しつけられた。

 天皇陛下が毎年、8月15日の全国戦没者追悼式典のお言葉のなかで、先の戦争について、「深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願う」と、述べられる。
英霊が犬死したと仰言せられたのに均しいが、昭和天皇の開戦の詔勅を否定なさらねばならないのは、お痛ましいことである。 
国民として恐懼(きょうく)に堪えない。   しかし、象徴としてのお立場から、現憲法を遵守されなければならないから、仕方がなかろう。
 だが、アメリカでも、先の日米戦争が、日本に強いられたのであり、その責任が一方的にアメリカにあるという有力な証言もある。
 その1人が、ルーズベルト大統領の前任者だった、ハーバード・フーバー大統領だ。回想録のなかで占領下の日本を訪れて、マッカーサー元帥と3回にわたって会談したが、「日米戦争の責任は、ルーズベルトというたった1人の狂人(マッドマン)にある」と述べたところ、マッカーサーが賛成したと、記している。

 私は日本が先の戦争を戦ったことを、肯定している。もし、眉を顰められる読者がおいでならば、『日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず』(勉誠出版社、2016年)を、お読みいただきたい。私が序文を寄せている。




・人間の精神はこうまで荒廃するのか? 天安門の同士たちの精神の腐食と沈滞、過激な『愛国』の極への逃避行 ⇒中国の未来に絶望

・1989年6月4日、天安門広場は流血に染まり、727名(最近の中国の公式数字)が犠牲になった。
天安門の学生指導者の多くはキリスト教の地下組織などに依拠して欧米へ亡命した。
・人間の精神はこうまで荒廃するのか? 天安門の同士たちの精神の腐食と沈滞、過激な『愛国』の極への逃避行 ⇒中国の未来に絶望
天安門の同士たちの精神の腐食と沈滞、
 現実の問題からのすり替え行為、
 反対に過激な『愛国』の極への逃避行を目撃してきた。
中国の未来に絶望を見いだすのだった。









〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
書評その20 宮崎正弘
 あの天安門の熱狂と挫折のあと、中国の若者がいかに変節したか石平さんが『私は毛主席の小戦士だった』につづく赤裸々な衝撃作
   石平著 『中国大逆流』(KKベストセラーズ
『中国大逆流』
 あの人たちはいま、何をしているのか?
趙紫陽回想記が20年ぶりに、秘密裏に録音テープが西側へ持ち出されて編集され、香港で英語版と中国語版が同時刊行され、世界的な話題を呼んでいる。
往時、西側のスパイとか、「和平演変」の首謀者とか言われたが、趙紫陽の主眼は中国の民主化にあり、当時の守旧派、とくに李鵬トウ小平への呪詛が綴られていた。
 1989年6月4日、天安門広場は流血に染まり、727名(最近の中国の公式数字)が犠牲になった。民主化運動の若者らを鉄砲で弾圧した中国共産党は、民衆の怨嗟に囲まれ、潰えてしまうのは時間の問題と言われた。
欧米の制裁に日本も加わった。ながく中国は孤立していた。
 天安門の学生指導者の多くはキリスト教の地下組織などに依拠して欧米へ亡命した。魏京生、王丹ら著名活動家は欧米の人道的支援と要求があって、病気療養を目的に米国へ逃れた。方励之博士の場合は、米国が特別機を仕立てた。
学生運動の象徴だったウアルカイシ(吾爾開希)やツァイリン(柴玲)らはそののち、外国での亡命生活で日々の糧を得るうちに精神が沈んだ。前者は台湾で結婚し、後者はヘッジファンド関連の仕事に埋没して、従来からの支援者を失望させた。
初志貫徹の中国民主党主席で『中国之春』の主宰者だった王丙章はベトナムから中国へ潜り込んで民主化運動の拡大を図ろうとしたが、広西チワン自治区で拘束され無期懲役のまま。
 さて本編の主人公らは著者の石平氏とおなじく、あの1989年天安門を闘った同士である。
北京大学で酒を酌み交わしながら、熱っぽく中国の民主化を語った。
 地方から学生を率いて上京し天安門広場に座り込んだ武闘派を任ずる男たちもいた。 『水滸伝』を彷彿とされる仁義にあつい若者がいたのだ。 1989年六月四日。
暴力を用いた血の鎮圧により西側では広範な反中国デモが組織された。日本でも連日のように中国共産党を批判する集会が開かれた。そして二十年という長い歳月があっという間に流れた。

人間の精神はこうまで荒廃するのか?

 石平氏は、ようやく決心して日本国籍を取得し、その報告に伊勢神宮へ参詣したほど。 そして今度は日本人パスポートで北京の表玄関から堂々と入り、嘗ての「同士」を訪ねる旅に出た。  言ってみれば“天安門センチメンタル・ジャーニー”。
 北京で『同士』たちに出会った。 連日、酒宴が設けられ、ホンネを聞き出す。
「あんたたちは、いかなる歳月を送ったのか?」
 だが、結末はあまりにも無惨な精神の荒廃ぶりだった。
 ある者は大学教授、ある者は不動産業者であててベンツを乗り回す財閥になっていた。
 大学教授は研究費を誤魔化して、デジカメの最新鋭を購入し、研究会名目で豪遊を繰り返す身分。    そこには嘗て不正と不公平を糾弾し、特権階級の汚職と腐敗に立ち上がった正義がなかった。
 ニヒリズムでもない。独特な中華の虚無と強がりの空間。
 不動産で成功を収め運転手付きの外車にのり、子供を英国へ留学させている嘗ての同士は「銀弾を共産党幹部に送りつけ、土地買収を容易にして、稼ぎに稼いだ。 まもなく中国の不動産バブルは終わる。  外国にマンションを買う」と嘯いた。 
 共産党打倒の夢はどうしたのか?と水を向けると「やつらを銀弾で買収している。やつらこそ俺たちのカネの奴隷だ」と切り返した。
 只ひとり、共産主義理論に回帰した友がいた。
 貧乏長屋にかれを訪ねると、資本主義市場となった中国社会をのろい、これを立て直すには毛沢東思想の再建しかない」と時代遅れの熱弁を振るい、別れ際に日本を殲滅するなどと口走った。
 かくして天安門の同士たちの精神の腐食と沈滞、現実の問題からのすり替え行為、反対に過激な『愛国』の極への逃避行を目撃してきた。中国の未来に絶望を見いだすのだった。
 石さんの叙述も堂に入って、小説家の情感を持ち合わせた文章に迫力がある。本書の奥つけも六月四日。
 ともかく衝撃的な最新作がでた。