日本政府は中国に対してはっきりと物申せる国になれ! このままだとベトナム以下である。

・三条 健です。
・日本政府の外交が低迷している証拠に
(1)ASEAN地域フォーラム(ARF)が南シナ海南沙諸島の問題を真正面から取り上げたこと。
(2)外相会議が東アジアサミット(EAS)に米露を新たに加えることに合意したこと。
・・・・である。
米露を加えないと、日本の存在感が無いため、中国のパワーに太刀打ちできないことを東南アジア諸国は認識してきた。
ASEAN+6(日中韓豪印NZ)からASEAN+8(日中韓豪印NZ+米露)への動きだ。

・軍事力を強めている中国は 戦争で「牙を抜かれた日本」に対しては軍事力の弱い国と 当然ながら見做している。 アメリカが居なければ日本の存在など中国は完全に無視している方向が益々強まってきている。
ASEAN10カ国の中で 中国に対してはっきりもの申すことができるのは、いまやベトナムくらいとのことである。 つまり日本はベトナム以下の存在ということだ!
日本政府は中国に対してはっきりと物申せる国になれ! このままだとベトナム以下である。


〜〜〜メディア報道の一部<参考>〜〜〜

【土・日曜日に書く】特別記者・千野境子 ASEANとパワーゲーム
2010.8.7 03:43

≪イニシアチブ促す中国≫
 7、8月は「ASEAN東南アジア諸国連合)の季節」といわれてきた。設立が1967年8月であることや、長年、最高決定機関だった外相会議が7月の開催が多かったことなどからだ。

 今年も7月下旬にベトナムハノイで開かれ、それはまた久々にASEANの存在を印象づける会議となった。会議が浮き彫りにした東アジアの今日的課題とその重要性は、日本自身がもっと留意すべきもののように思う。

 何より注目されるのは、ASEANによるイニシアチブが少なくとも2つあったことだ。(1)ASEAN地域フォーラム(ARF)が南シナ海南沙諸島の問題を真正面から取り上げたこと(2)外相会議が東アジアサミット(EAS)に米露を新たに加えることに合意したことである。

 イニシアチブを促したものが中国であることは間違いない。すでに1992年に新領海法で南沙・西沙諸島の領有権を主張し、南シナ海のほぼ全域を領海と宣言した中国は、ASEAN内の国との領有権争いに「勝負はついた」とし、ASEAN自身も事実上追認を余儀なくされてきたのだが、最近の中国の目に余る海上軍事行動が、ようやくとはいえ、ASEANに声を上げさせたのである。

 会議関係者によれば、自らが内海とみなす南シナ海問題を俎上(そじょう)に載せたこと自体に怒り心頭の楊潔●(ようけつち)中国外相は、ARFを独り占めしたかのように自己の正当化と感情的反論を延々つづけ、「正体見たり」と逆にASEANの不興を買ったという。ASEAN南シナ海の自由な航行を主張する米国に共感を示した。

≪中国=チャームの実態≫
 もっとも早合点してならないのは、ASEANは中国を必ずしも脅威とは捉(とら)えていないことだ。むしろ逆かもしれない。

 先頃(ごろ)、東京・大手町で行われた講演会「台頭するアジアと日米の役割」(経済広報センター主催)で、興味深いシーンがあった。

 スピーカーのシンガポール国際問題研究所のサイモン・テイ所長が、ASEANの対中観を「チャーム(魅力)」という言葉で表現したことだ。コメンテーターを務めた平和・安全保障研究所の西原正理事長は「日本で中国をチャームという人はほとんどいない。温度差がありますね」と応じた。

 ASEANの本心は「チャームでありつづけてほしい」という願望と恐らく背中合わせだろう。

 その意味で今回のイニシアチブはASEANというよりは、議長国がベトナムだったからこそ可能だった。ASEAN10カ国で中国にはっきりもの申すことができるのは、いまやベトナムくらい。領有権問題で中国に対峙(たいじ)する姿勢がもっともはっきりしているのもベトナムである。

 講演会で西原理事長は「地域協力の中核は中国とASEAN」との見方にも疑問を呈した。タイ内政の混乱やミャンマー軍事政権の問題、さらにかつてはASEANの盟主を自任したインドネシアが現在、G20の一員であることの方にむしろ意義を見いだしているようにみえるなど、本当に中核になり得るのかという懸念だ。

≪日本外交低迷の罪と罰
 実はもう一つのイニシアチブである米露へのEAS参加の要請こそ、こうした懸念に対するASEANの回答といえる。構想はシンガポールのゴー・チョクトン上級相が今年初めに打ち出したものだが、ゴー氏はフランスとともにアジア欧州会合(ASEM)の生みの親でもある。

 たかが会議、されど会議。「会議は踊る」と揶揄(やゆ)されつつもARFやASEMなど絶えず新たな枠組みを繰り出し、大国を組み込んでいくのは、小さなASEANの編み出した保険なのである。

 今回は米露自身もEAS参加を希望していた。とくにアジア再参入を表明したオバマ米政権は昨秋、初の米・ASEAN首脳会議を行うなど、これまた遅ればせながらASEANに接近を始めている。ARFにおける南シナ海問題の提起も、米国の後押しあってのことだったのはもちろんだ。

 米露のEAS参加の意味は小さくない。ASEAN+6(日中韓豪印NZ)は+8になり、定期的に米大統領ASEANの会合に出席することになるからだ。

 このように中国の台頭をめぐって複雑かつダイナミックに変動する東アジアの状況に、日本は行動も発言もあまり目立たない。マラッカ海峡を抜けバシー海峡に至る南シナ海は日本のシーレーンに死活的に重要だ。しかし地域協力の中核に日本を推す声がいまほど小さいときはなく、ASEAN+8の誕生が日本のあまりの物足りなさに対するASEANが出した結論でなければよいのだが。(ちの けいこ)

●=簾の广を厂に、兼を虎に