中国のすさまじい軍拡は東アジアの軍事均衡を変える主な要因!

・三条 健です。
・原潜や空母などへの投資、宇宙・サイバー戦能力、弾道ミサイル増産、「第2列島線」に至る海軍力拡大、台湾海峡を大幅に越えた海軍活動の拡大、南シナ海に臨む海南島の戦略基地化など、すさまじいともいえる急速な中国の軍拡ぶりを米国防総省が公表した。
・「中国の軍拡は東アジアの軍事均衡を変える主な要因!」と強い警戒感を示し、同盟国と連携した対応を呼びかけた。
・アジア同盟国の連携が肝要だ!

〜〜〜メディア情報の一部<参考>〜〜〜

【主張】中国の軍事力 看過できない異様な増強
2010.8.18 03:03

 米国防総省が公表した中国の軍事動向に関する年次報告の特徴は、急速な軍拡とその意図に対し、「東アジアの軍事均衡を変える主な要因」と強い警戒感を示し、同盟国と連携した対応を呼びかけたことだ。

 とりわけ東シナ海南シナ海の接近阻止能力や小笠原諸島とグアムを結ぶ「第2列島線」に至る海軍力拡大は日本の安全に直結する。到底看過できない。アジア太平洋の安定と秩序を守る観点から、菅直人政権も対中認識を共有し、同盟深化協議などを通じて実効ある行動に踏み出すべきだ。

 オバマ政権で初めての昨年(2009年)版報告は、中国の空母建造計画などを踏まえて透明性の欠如に疑問を示していた。

 今回はこうした懸念をさらに強め、原潜や空母などへの投資、宇宙・サイバー戦能力、弾道ミサイル増産など、すさまじいともいえる軍拡ぶりを列挙している。

 日米が警戒すべきは、台湾海峡を大幅に越えた海軍活動の拡大にあるのはいうまでもない。「中台軍事均衡はすでに中国に有利に展開」しつつあり、米空母を狙える対艦ミサイル配備などに警戒を強めているのは当然だろう。

 「南シナ海」の項目を新設したのも特筆される。南沙、西沙諸島などの資源や領有権をめぐる近隣諸国との対立を分析し、空・海軍の遠距離作戦能力確保を通じて「中国は外交的優位の確保や紛争解決の選択肢を増やせる」と警告している点は重要である。

 南シナ海に臨む海南島の戦略基地化は、日韓などへの原油の8割が通過する「死活的に重要な国際シーレーン」に対する介入能力を意味することになる。同海域を含む航行の自由は、日米や他の地域諸国にとって絶対に譲れない。この原則を改めて強調したい。

 報告は従来「中国の軍事力」と題されていたが、今回から「中国を含む軍事・安全保障動向」と改題された。
対中戦略に本腰を入れて取り組む姿勢ならば評価できるが、中国に配慮したのなら問題を残す。報告の公表が半年近く遅れた理由も説明してほしい。

 だが最大の問題は、けたはずれの軍拡の意図や目的を中国自身が説明しようとしないことにある。透明性を欠いた軍拡は地域の懸念を高め、誤解や誤算を招きかねない。中国はそうした責任について強く自覚すべきだ。