・温家宝(ウェン・ジアバオ)首相への批判は、改革に否定的な習近平(シー・ジンピン)国家副主席の仕業か?

中国共産党機関紙・人民日報が10月29日に掲載した論文「正しい政治の方向に沿って、積極的かつ着実に政治体制改革を推進せよ」の執筆者「鄭青原」が、国内外の注目を集めている。
政治改革の推進を訴える温家宝(ウェン・ジアバオ)首相を批判する内容であった。
改革に否定的な習近平(シー・ジンピン)国家副主席が党中央軍事委員会副主席に就任した背景もある。
温家宝(ウェン・ジアバオ)首相への批判は、改革に否定的な習近平(シー・ジンピン)国家副主席の仕業か?
・「(不動産価格の)抑制に失敗し、インフレも続いている。今日、人民日報は温家宝を温家室と改名し、温家宝自身は家を持っているがそれ以外は住宅ローンの奴隷か家なしだ、と皮肉った」

〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
人民日報を舞台に温家宝首相批判の動き?  
古沢襄
2011.01.02 Sunday

 中国の権力機構で何か動きが出ていることを感じさせる記事が、シンガポールの華字紙・聯合早報と米華字メディア・多維新聞に相次いで出ている。いずれも中国共産党機関紙・人民日報が舞台になっていて、温家宝(ウェン・ジアバオ)首相がヤリ玉にあがった。
 政治改革を推進する温家宝首相に対して、改革に否定的な習近平(シー・ジンピン)国家副主席が党中央軍事委員会副主席に就任し、胡錦濤国家主席の後継者に内定したばかりだが、人民日報を舞台にした温家宝批判とみる向きもある。
 <中国共産党機関紙・人民日報が10月29日に掲載した論文「正しい政治の方向に沿って、積極的かつ着実に政治体制改革を推進せよ」の執筆者「鄭青原」が、国内外の注目を集めている。シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。
 論文が政治改革の推進を訴える温家宝(ウェン・ジアバオ)首相を批判する内容であったことにも大きな関心が寄せられた。折しも中国では10月、政治改革に否定的な習近平(シー・ジンピン)国家副主席が党中央軍事委員会副主席に就任し、胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席の後継者に事実上内定したばかり。
 人民日報は中国共産党の精神を国民に正確に伝えるという任務を担っている。では、一体どんな人物が書いているのだろうか?「鄭青原」とは?人民日報(電子版)と新華社通信(電子版)は「鄭青原」を人民日報の「仲祖文」や「任仲平」よりも格上のペンネームだと解説していることから、温首相への批判論文の重要性は非常に高いと見る向きは多い。
 「任仲平」は重要な改革などに関する論文、「仲祖文」は党の建設に関する論文で多用。チベット問題では「何振華」、人民日報海外版では「望海楼」と国際部専用の「国紀平」、国民の思想誘導が目的の論文では「仲言」が多い。 共産党政権発足当時、人民日報の社説は党の最高意思決定機関、中央政治局常務委員会の委員がチェックし、時には毛沢東が自ら修正を入れることもあった。トウ小平は1978年までに計106編の重要論文に手を入れている。
 記事は、時代は変わっても人民日報が党の「喉舌」(こうぜつ)であることに変わりはない、中国の政治動向や経済情報を知る上で欠かせない存在となっている、と指摘している。(聯合早報)>

<<中国共産党機関紙・人民日報が温家宝首相を「温家室」と誤植=関係者17人すでに処分か―中国>>
中国共産党機関紙・人民日報が温家宝首相を「温家室」と誤って印刷。同紙関係者17人が処分されたとの情報が流れている。インターネット上の関連情報はすでに削除されている。写真は誤植のあった人民日報。(Record China)>
<2010年12月30日、米華字メディア・多維新聞によると、中国共産党機関紙・人民日報が温家宝首相を「温家室」と誤って印刷、同紙関係者17人が処分されたとの情報も流れており、大きな問題となっている。インターネット上の関連情報はすでに削除されている。
 記事によると、誤植は新華社配信の一面記事で、「温家室が議長で国務院常務会議開催」との見出し。同紙編集局の当直主任、印刷工場の副工場長、組版担当者、設計担当者など17人が処分されたという。
 人民日報は中国共産党の中央機関紙であり、中国最大の新聞でもある。校正・検閲は非常に厳しく、このような誤植は極めて異例だ。
 インターネットユーザーは、「(不動産価格の)抑制に失敗し、インフレも続いている。今日、人民日報は温家宝を温家室と改名し、温家宝自身は家を持っているがそれ以外は住宅ローンの奴隷か家なしだ、と皮肉った」と書き込んでいる。(多維新聞)>