ぜひ子どもに授業を!これが真の心のケアなのだ!

大東亜戦争の廃墟を熟知している人の意見を良く聴け!
・「大東亜戦争末期、米軍に爆撃された東京や大阪などの風景−コンクリート建造物だけが残り、木造民家は焼き尽くされ、瓦礫(がれき)だけとなった変わり果てた姿である」
・必要なこととして:
官房長官東京電力関係者らの会見姿勢。こういう緊急のときは、最初に結論を述べ、その後に理由を述べるべきである。彼らは、長々、しかもだらだらと途中経過を詳しく話し、結局、なにを言いたいのか聞いていて分からない。
テレビ会議の設備のある会社をまず押さえよ。そして、専門研究者を東京に20人、関西に20人とか集めて意見を表明させ、衆知を結集して、東京電力にアドバイスしたり、指導したりすべきである。
③被災者・避難者は本能的に生活力を活性化すべきである。
 狼煙で避難を知らせよ!
 食糧の最善はサツマイモ。洗う必要はなく、浅く土を掘ってそこへ並べ、その上に3センチぐらい土をかける。その土の上で枯れ葉や小木を燃やす。一定時間後、焼き芋ができる。皿も箸も不要、皮をむくだけ。水気もあり、満腹感もある。
④便所。避難者の1人が、水がないのでトイレに困っていると言っていた。それはおかしい。かつては水洗はなく、貯槽式がふつうであった。避難所から遠く離れたところに場所を特定して使おうではないか。避難所に座っているだけでは健康に良くない。みなでできるかぎり多くの穴を掘り、二枚の踏み板を置く。満杯になれば埋めていこう。
⑤敗戦のとき、旧満州からの引き揚げ者は、集結しては移動するまでの間、現・元教員たちが子どもに授業したという。日本人の凄味(すごみ)である。子どもの管理ができると同時に、全体の精神を鍛えての団結が生まれる。 ぜひ子どもに授業を!これが真の心のケアなのだ!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
立命館大学教授、大阪大学名誉教授・加地伸行
2011.3.24 02:55
■避難先では体と精神を動かそう
≪本土空襲後にも似た既視感≫:
 「白波(はくは) 山のごとく、海水 震蕩(しんとう)す」−海中の大魚が巨大な釣り針を呑(の)んだときのさまである。それは古代人の津浪(つなみ)の記憶であった(『荘子』外物篇)。
 東日本大震災における大津浪の跡の荒涼たる風景を見たとき、私は同じそれをどこかで見たという既視感に襲われた。
 そうだ。それは大東亜戦争末期、米軍に爆撃された東京や大阪などの風景−コンクリート建造物だけが残り、木造民家は焼き尽くされ、瓦礫(がれき)だけとなった変わり果てた姿である。その廃墟(はいきょ)は、敗戦後もかなり長く残っていた。
 しかし、日本人はそこから立ち上がっていったのである。16年前の阪神淡路大震災のすさまじい打撃に対しても、人々は勇敢に立ち向かい、今や、ほとんど復興している。

≪日本人は必ずや再起する≫:
 そのように顧みるとき、今回の大災害からも、日本人は必ずや再起すると信じている。
 私は遠い大阪に在り、無力ではあるが、今、必要なことについて、考えるところを述べ、救援活動に資したいと思う。

 第一は、官房長官東京電力関係者らの会見姿勢。こういう緊急のときは、最初に結論を述べ、その後に理由を述べるべきである。彼らは、長々、しかもだらだらと途中経過を詳しく話し、結局、なにを言いたいのか聞いていて分からない。
 第二は、テレビの解説者。5局もの放送局それぞれが、原子力発電に関係する専門研究者をゲストとして招いて質疑応答をし、どうすればいい、とゲストは意見を述べていた。
 私は、彼ら国立大学の研究者に言いたい。テレビで解説している暇があるなら、直ちに、上京して、しかるべき機関に意見具申せよ、と。
 政府も政府である。こういうときは、テレビ会議の設備のある会社をまず押さえよ。そして、専門研究者を東京に20人、関西に20人とか集めて意見を表明させ、衆知を結集して、東京電力にアドバイスしたり、指導したりすべきである。
 原子力安全・保安院の人たちはその説明を聞く限り、役に立たない連中であることが、今回、よく分かった。
 第三点として、被災者・避難者は本能的に生活力を活性化すべきである。例えば、電話など連絡方法がなく孤立した集団が今もいるという。
 そういうときは、原始的に自分たちの居場所を知らせることである。その方法は火を焚(た)くことだ。それも、できるだけ勢いよく燃やせば黒煙が上る。遠くから見て、延焼がなく、しかも、一カ所で連続して黒煙が上るのは、人が故意にそうしていることを示すサインなのだ。
 マッチなどがなければ、眼鏡のレンズを使って太陽光から火を得よう。レンズがなければ原始的に木を擦ればいいではないか。

 第四は、食糧。最善はサツマイモ。洗う必要はなく、浅く土を掘ってそこへ並べ、その上に3センチぐらい土をかける。その土の上で枯れ葉や小木を燃やす。一定時間後、焼き芋ができる。皿も箸も不要、皮をむくだけ。水気もあり、満腹感もある。

≪援助物資なぜ空中投下せぬ≫:
 第五は、そのサツマイモなど援助物資の投下。自衛隊はヘリコプターからの投下はしない、壊れるからとのこと。愚かな話である。機械類ならともかく、サツマイモではないか、赤ちゃんのおむつではないか。大丈夫だ、投下せよ。防衛大臣はぼやぼやするな。軍事は臨機応変を旨とすべし。
 第六は、空きペットボトルの大量投下。燃やす材料の木材は廃屋から調達すればいくらでもある。それを使い、泥水でいい、湯をわかしてペットボトルに入れ、大量の湯たんぽとする。
 第七は、便所。避難者の1人が、水がないのでトイレに困っていると言っていた。それはおかしい。かつては水洗はなく、貯槽式がふつうであった。避難所から遠く離れたところに場所を特定して使おうではないか。避難所に座っているだけでは健康に良くない。みなでできるかぎり多くの穴を掘り、二枚の踏み板を置く。満杯になれば埋めていこう。

 避難時は座りがちとなるが、身体を動かそう。そして、最も動かすべきは精神である。そこで言おう、第八は、教育である。

 敗戦のとき、旧満州からの引き揚げ者は、集結しては移動するまでの間、現・元教員たちが子どもに授業したという。日本人の凄味(すごみ)である。子どもの管理ができると同時に、全体の精神を鍛えての団結が生まれる。これが真の心のケアなのである。ぜひ授業を。

 もっと書きたいが、紙数が尽きた。かつて孔子は、ある弟子が自分の力不足を訴えたときに、こう励ました。「力 足らざる者は、中道(中途)にして廃す。今、女(なんじ)(汝)は〔自分の能力を〕画(かぎ)れり(限定している)」(『論語』雍也(ようや)篇)と。(かじ のぶゆき)