・復興のために、政府支出の劇的な拡大しか手段はないのであるから、赤字国債200兆円増刷はメリットだらけだ!

・三条 健です。
・復興のために、政府支出の劇的な拡大しか手段はないのであるから、赤字国債200兆円増刷はメリットだらけだ!

宮崎正弘氏の主張に注目されたし! ポイントは以下だ!
・日本の対外債権は266兆2230億円。ちなみに二位は中国で167兆7333億円。ドイツが118兆8596億円。ところが米国は対外債務(借金)が314兆8299億円(いずれも09年統計)。
・第一に日本は対外援助を中断、もしくは縮小できるレジティマシーを得た。国内復興のために海外援助を控えると世界に宣言するべきであろう。
 第二に裕福となった中国には、有利子借款を早期に返却するように求めるべきである。チャイナスクールはこの期に及んでも中国への援助を続行すると言っているが、日本よりGDPが多くなった国に、なぜ援助が必要か?
 第三に国連への分担金は、日本は相対比較でも高額すぎる。国連ほか国際機関への分担金を減額してもらう口実もできた。
 第四に対外債権を切り売り、転売して資金を確保し、日本へ環流させよ。国内需要は復興のための建設、道路整備ほかに必要となり、同時に戦後最悪の失業率5・1%、334万人の失業者の雇用創出に繋がるからである。


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
復興資金確保に米債売却も選択肢 
宮崎正弘
2011.03.28 Monday

 米国議会に拡がる懸念は福島原発パニックより「日本は米国債を売るのでは?」。復興資金確保に米債売却も選択肢だが、海外債権を切り売りできる「債権大国」。
 米国議会に拡がる不安は日本が復興資金調達のため保有する8860億ドルの米国債を市場で売却し始めるのではないか」という懸念に立脚する。
 米国は福祉予算拡大など、現時点で14兆2000億ドルの連邦政府の赤字を抱えながらも、なお借金をつづけるために新規に赤字国債を発行せざるを得ない。ただし利息を支払っている。利払いだけで予算の15%を占める。
 中国は世界最大の米国債保有国。外貨準備高2兆6000億ドルのうち、米国債は9000億ドルを突破しており、しばしば米国に対して売却をほのめかし、ワシントンを恐喝するかのように政治圧力の武器として活用している。

 日本は一度も、この政治的武器を行使したことがない。橋本政権のときに橋本首相が「売りたくなる衝動に駆られることがある」と発言しただけで、米国は周章狼狽した。
 「いま日本が米国債を売ることは考えにくいし、95年神戸震災のときですら売却はなかった。日本はそれでも豊かな国であり、心配なのは利上げである」とティモシー・ガイトナー財務長官は議会証言(3月24日)しているが、連邦議会に拡がる不安は「売らないにせよ、確実なことがある。日本はもう買わない、ということである」そうだ。日本がもうこれ以上、米国債を買わないことだけは確実だろう。

 さて、空気はすっかり変わった。
 東日本大地震により、日本には再建のための資金が必要だが、いまのところ10兆円の復興債発行だけ。論壇では産経新聞の田村秀男・編集委員が100兆円国債発行を主張しているのが、現時点での最高額(ついでに言えば小生と西村真悟氏が200兆円)。
 別な視点からこの問題を考えてみよう。
 日本の対外債権は266兆2230億円。ちなみに二位は中国で167兆7333億円。ドイツが118兆8596億円。ところが米国は対外債務(借金)が314兆8299億円(いずれも09年統計)。

 第一に日本は対外援助を中断、もしくは縮小できるレジティマシーを得た。国内復興のために海外援助を控えると世界に宣言するべきであろう。
 第二に裕福となった中国には、有利子借款を早期に返却するように求めるべきである。チャイナスクールはこの期に及んでも中国への援助を続行すると言っているが、日本よりGDPが多くなった国に、なぜ援助が必要か?
 第三に国連への分担金は、日本は相対比較でも高額すぎる。国連ほか国際機関への分担金を減額してもらう口実もできた。
 第四に対外債権を切り売り、転売して資金を確保し、日本へ環流させよ。国内需要は復興のための建設、道路整備ほかに必要となり、同時に戦後最悪の失業率5・1%、334万人の失業者の雇用創出に繋がるからである。

 これまでの日本は資金がだぶつき、使うあてがなく(需要が20兆円不足)、国民はひたすら貯金に励んできた。国民金融資産は1400兆円強である。

▼ 赤字国債200兆円増刷はメリットだらけ:
 
 個人消費、設備投資、政府支出、貿易黒字という四つのGDP構成要素のうち、消費と設備投資が縮小気味で、しかもデフレ、政府は緊縮財政という愚かな政策に陥没し、かろうじて貿易黒字がGDP拡大に貢献してきた。
 経済理論に照らしても、こうした状況からはい上がるには政府支出の劇的な拡大しか手段はないのである。
 こうなると貯金は投資にまわらず、銀行は貸付先がないから国債を買うしかない。生保、農協バンクなどはわが国債ばかりか、米国債を買い増しするしかない。だから筆者らは政府支出を拡大せよ、そのために200兆円の赤字国債をおそれることはない、と主張するのである。

200兆円の国債発行は次のメリットがある。

第一に東日本大地震復興資金(およそ20兆円から25兆円)のみならず、これは日本全体の経済復興のために使える。

▼ 円安こそ、日本経済を救う:

第二に資金のメドが経てば、復興五カ年計画が立案できる。長期的ビジョンのもと、既存の高速道路、トンネル補強工事など、日本全体を再度普請の槌音を響かせるための構想はある。防衛力の拡充、全国の周波数統一による電力供給網の整備も可能となり、総合的な国力拡充がみこめる。

第三に国際的反応である。200兆ともなれば、円は間違いなく円安にぶれる。一ドル=100円から120円前後に円安となれば、輸出競争力をふたたび回復でき、日本企業がいたずらに工場を海外移転して、国内雇用へ減らすという自暴自棄の姿勢を改めることができる絶好の機会にもなりうる。「円安」こそは国を救う(筆者は為替レートも固定相場制復帰論だが、この論考は別の機会に譲る)。
 
第四に、国債増発は自動的に、日本が意図するか否かに拘わらず世界が争っている通貨安戦争に打って出ることができる。G7はすでに日本の円安介入を認めている。このチャンスを120%活用するには、通貨を安くすることが前提条件である。

第五に利上げ傾向が確実となり、不健全な金融システムが是正される。金融業が逆ざやでは、産業の血脈はいずれ動脈硬化心不全と起こす状況から抜け出せるのである。
       
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 読者の声 どくしゃのこえ DOKUSHANOKOE ドクシャノコエ
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(読者の声)3月25日から26日にかけて、東日本大震災被災地に支援物資を届けてまいりました。
1、届けた物資=福島県相馬市へ肌着類約1700枚。相馬郡新地町へ菓子類と子供用おもちゃ、ゲームなど。宮城県山元町へ肌着類約4000枚、粉ミルク10缶、オムツ一箱、お尻拭き10000枚、女性用品一箱、などを届けて参りました。
2、現地の様子=支援物資は世界各地から寄せられていますが、地域によって偏りがあるらしく、相互に融通しているようでした。

被災直後から食料、水が第一に送られ、現在も食料水類はとりあえず足りているようですが、避難暮らしがいつまで続くか見当もつかず、将来再び不足する危険性もあります。

肌着は本当に喜んでくれました。避難所で話を聞くことができた人たちも口々に「着替えがしたい」と言っていました。私たちが「肌着を持ってきましたよ」といったらとても嬉しそうでした。

また避難所の子供たちに直接菓子やゲームなどを渡したときの子供たちの喜びようはありませんでした。群がるように集まって持って行き、早速家族でトランプなどで遊び始めていました。

たりないものは、着替えの洋服、靴、子供の遊ぶもの、菓子類の要望がありました。

被災民は異口同音に、支援に対して感謝も言葉を述べてくれ、健気に災害と立ち向かっているように見受けられましたが、言葉の端々に、ストレスを感じました(ちょっとしたことで怒鳴り声を上げたり、卑屈な態度をとったり)。

役場、市役所の人々は泊まりこんで復旧活動に当たっていました。早朝から職員が出勤し、警察、消防、自衛隊が集結し、7:30にはそれぞれ出動していきました。担当区域を細分し、効率よく捜索活動ができるよう、任務分担がなされていました。

役場の人々は被災地の復興にいったい何年かかるのだろうか、と将来に対する不安を持っていました。

3、被災の状況=津波被害は、海岸線からおよそ1km〜3kmにまで及んでいます。津波の高さは、高さ6mはあろうかという路肩を高くした道路をも乗り越えて内陸に至っていました。現認した家屋でも地上から高さ2m辺りに泥の線が残っており、その高さの海水が流れ込んできたことが分かりました。 私たちの調査活動中にも、2体の遺体発見に遭遇しました。

電気、ガス、水道はだいぶ復旧が進んでいます。東北電力、町のガス屋さん、市役所の水道局の懸命の復旧活動の賜物です。また道路は、自衛隊が重機を使って路上の瓦礫をいち早く撤去してくれ、人々の往来、物資の配給、被災地復旧活動などの効率性が非常に高くなっていました。

津波に浸食された田園の広さは、一体どれほどになるのか見当がつかないほどです。また、海水に浸かった土地が再生するのに何年かかるのかも皆目見当がつきません。

町の商店はもちろん、大規模小売店舗、大企業の工場、地場の製造業、すべての生産施設が流されました。残った機材も使い物になるかどうか。

特に農業の被害と原状回復には相当のエネルギーが必要だと感じました。懸念したのは、この被災を機に、仕事をやめてしまうとか、移転してしまうとか、町の経済自体が収縮してしまうのではないかという点です。

4、復旧への展望=自衛官の皆さんが横一列になってストックのような棒を突き刺して行方不明者捜索に当たっています。みたところ20名の自衛官で1hを捜索するのに1時間程度かかっていると思われます。不明者捜索だけでもいったいどれほどかかるのか。最低1ヶ月はかかるでしょう。

いつまでも体育館の避難生活というわけにも行かず、仮設住宅建設の計画が進んでいますが、全避難民が入居できるだけの住宅を用意できそうもありません。一つには予算の問題、一つには設備量の問題です。そして、避難所に入ることを遠慮して、崩れかけた自宅でひっそりと暮らしている老人が少なくないことも遠因の一つでしょう。

寸断されたライフラインの復旧、家屋の再建、生業の建て直し、復興までまだまだ長い道のりです。

5、原発について=帰途、敢えて原発避難地域を通過して帰京致しました。当地の様子を少しでも知るためです。基幹道路の国道6号線は、地震による寸断もあり、ほとんどが不通状態のため沿岸部から約5kmの県道35号線を南下。約50kmを走行しましたが、途中遭遇した自動車はわずか10台。人は3人でした。地域全体がゴーストタウンでした。

しかし幸か不幸か、途中道を誤り、行き止まりの道に入ったらそこには人が!避難勧告に応じず、ひっそりと家の中で暮らしている人々もいることを知りました。
 
補足 現地で宿泊施設などあるはずもなく、トラックの荷台で寝袋に包まって寝るつもりで出発しましたが、地元の町長さんが「今晩はどこに泊まる?」と聞かれたので「トラックで」と申しましたら「今夜はいつになく冷えている。役場は何人も泊り込んでいるから、ロビーのソファで寝なさい」と言ってくれました。ご好意に甘えて一泊させていただきました。(佐々木俊夫) 

宮崎正弘のコメント)お疲れ様でした。映像では分からない現場の雰囲気、みんな健気に生きていこうとしていることに勇気づけられます。