・イスラム原理主義武闘派アルカーイダは イスラム原理主義以外を一切、認めない点がアラブ諸国からも敵視されることになる!

・ビンラーディンの件、ポイントとしては以下の事項だ!
・アルカーイダがアラブの多くの諸国で
イスラム原理主義以外を一切、認めず、文明や法治に不当な攻撃をかける組織」として忌避されるようになった。その組織の象徴たる最高司令官の死は、イスラム原理主義テロを名実ともに衰えさせる分岐点を画す公算も大きい。
・大きな潮流として今回の事件がイスラム原理主義過激派の暴力闘争を後退させていく見通しは、やはり否定できないといえよう。
イスラム原理主義武闘派アルカーイダは イスラム原理主義以外を一切、認めない点がアラブ諸国からも敵視されることになる!




〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
ビンラーディンの死でテロは減るのか、増えるのか
古森義久
2011.05.03 Tuesday

 すでに広く報じられたアルカーイダの首領ビンラーディンの死ですが、この事態がこんごのテロリズムにどんな影響を与えるのか。
 【ワシントン=古森義久】国際テロ組織アルカーイダの最高指揮者、ウサマ・ビンラーディン容疑者の死は無差別攻撃で米国に挑んだイスラム原理主義武闘派の象徴の消滅として全世界に大きな波紋を広げた。米中枢同時テロの首謀者として同容疑者の摘発は米国歴代政権の悲願であり、対テロ戦争の一大成果となる一方、21世紀冒頭における世界的な難題のイスラム系テロ活動に分岐点を画すことともなりそうである。

 オバマ大統領の1日深夜の緊急声明で、ビンラーディン容疑者の死が発表されると、ホワイトハウス前には一般米国人が集まり、みるみる大規模な集団となって、「USA! USA!」と叫び続けた。この歓呼は、同容疑者が米国官民から2001年9月11日にワシントンやニューヨークで約3千人を無差別に殺したテロ事件の首謀者として、激しい敵視の最大の対象となってきた現実を明示した。

 当時のブッシュ大統領9・11テロをアルカーイダの犯行だと断定した直後から「その生死を問わず、絶対に捕まえたい」と言明し、同容疑者の検挙を米国政府全体の最優先課題として位置づけてきた。だが同容疑者は完全に姿を消し、アフガニスタン領内と思われる地点から米国への挑戦的な声明を一定間隔で発信し、米側を悔しがらせた。

 アルカーイダはその後も米欧諸国を主標的としたテロ攻撃を繰り返した。その間、ビンラーディン容疑者は長身痩躯(そうく)のカリスマ的雰囲気の映像で、イスラム原理主義の反米闘争のシンボルとして全世界からその動向や行方を注視された。
 アルカーイダはフセイン政権崩壊後のイラクにも武装勢力を投入し、反米テロ闘争を続けたが、米軍増派で敗退し、他のアラブ諸国でも無差別の大量殺戮(さつりく)に政権や多数派からの反発を受けるようになった。
 米側特殊部隊による同容疑者の射殺が、「アラブの春」と呼ばれる民主化が広がるこの時期に起きたことも含蓄が深い。アルカーイダがアラブの多くの諸国で「イスラム原理主義以外を一切、認めず、文明や法治に不当な攻撃をかける組織」として忌避されるようになったからだ。その組織の象徴たる最高司令官の死は、イスラム原理主義テロを名実ともに衰えさせる分岐点を画す公算も大きい。
 オバマ大統領は同容疑者の除去により米国内では当面、高い評価を受けることも予想される。しかし、同容疑者の検挙作戦は実際にはブッシュ前政権からの継続であった。米側が、今回の成功のカギとなった同容疑者に信頼される側近の伝令役の身元を確認したのは、4年前のブッシュ前政権時代だったという。

 イスラム世界の一部に米国への激しい反発を引き起こすことも短期の現象としては考えられる。同容疑者の国内潜伏を容認した形跡もあるパキスタン当局と米国との関係が今後揺れ動く可能性もあるだろう。

 だが大きな潮流として今回の事件がイスラム原理主義過激派の暴力闘争を後退させていく見通しは、やはり否定できないといえよう。