中国の軍事態勢で、陸海空の各軍に総勢何人の将兵がいるのかは秘密

・中国の軍事態勢で透明性が「高」とみなせるのは19分野のうち「国際平和活動」など2分野。  9分野が「低」、7分野が「中」、「総兵員数」が「不」だと認定した。「不」はまったく秘密という意味で、中国当局は自国の軍隊の総人数を隠したまま。
・陸海空の各軍に総勢何人の将兵がいるのかが秘密。
・「戦略的目標」「現在の総兵員数」「戦力の構成」「司令部の構成」「兵器」「調達計画」など19の分野に分けて国防白書がどの程度、明らかにしたか、その透明度を調べ、「不透明」から透明性の「低」「中」「高」まで4段階に分類。
・軍事情報は機密であり、外国に対しできるだけ隠蔽するのは当然だ!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国軍は依然、秘密
古森義久
2011.07.23 Saturday

 中国の軍拡の深刻な問題点の一つは、その秘密性です。つまりあまりに不透明だということです。なにしろ陸海空の各軍に総勢何人の将兵がいるのかが秘密です。
 外部の観察者たちは、種々の手がかりに推測を重ねて、総兵員らしき数字をはじきだしているだけです。中国当局が自国の軍隊の将兵数を発表しないのです。
 その秘密性は兵器類についても同様です。そうした中国人民解放軍の秘密性についてアメリカの国防大学研究所が調査報告を発表しました。

【ワシントン=古森義久】 米国防大学の国家戦略研究所は20日、元来、秘密性の高い中国の軍事態勢が昨年度にはまたさらに透明性を低めたとする調査報告を発表した。
 「中国の軍事透明性=2010年の国防白書の評価」と題するこの報告は中国政府が今年3月末に公表した「2010年の中国の国防」という国防白書が実際の軍事動向をどれほど透明に伝えているかを1998年から08年まで計6回の過去の同白書と比べながら点検した結果をまとめた。
 点検の方法は中国の軍事態勢について「戦略的目標」「現在の総兵員数」「戦力の構成」「司令部の構成」「兵器」「調達計画」など19の分野に分けて国防白書がどの程度、明らかにしたか、その透明度を調べ、「不透明」から透明性の「低」「中」「高」まで4段階に分類した。
 同報告は中国の軍事態勢で透明性が「高」とみなせるのは19分野のうち「国際平和活動」など2分野に過ぎず、9分野が「低」、7分野が「中」、「総兵員数」が「不」だと認定した。「不」はまったく秘密という意味で、中国当局は自国の軍隊の総人数を隠したままということになる。
 同報告はさらに中国軍の代表たちが透明性を高めるという言明を繰り返しているにもかかわらず、前回の08年の国防白書に比べると、10年度は「防衛ドクトリン」「防衛任務」「司令部の構成」の3分野で透明性が減ったとの診断を打ち出した。
 同報告はアジアの他の主要諸国についても軍事態勢の透明性評価を記しており、そのなかでは日本が19分野中、16で「高」とされ、最も透明度の高い国にランクされた。オーストラリア、韓国、インド、台湾などの透明度も中国よりはケタ違いに高いと評価され、やはり中国の軍事の秘密性が印象づけられた。