ブランド牛を値崩れさせた菅民主党政治、後手、後手にまわった菅内閣の罪は重い!

・「こうした事態は予測できたはずだ」と後手、後手にまわる民主党政権の対応に憤りが広がっている。
米沢牛というブランド牛はきめが細かく、味はまろやかという山形牛の中でも米沢牛米沢市南陽市長井市高畠町、川西町、飯豊町白鷹町、小国町の3市5町の生産農家が育て、さらに米沢市長がトップをつとめる米沢牛銘柄推進協議会が認定した生後32カ月の長期肥育による黒毛和種を指す。
・等級や重さによってもかわってくるが佐賀牛が1頭100万円つけるところが、山形牛は20〜30万円という値段になってしまった。1頭10万円切る場合もあり、値崩れは死活問題になっていた。
・基盤が揺らいでいる民主党政権下では政治家は保身に走り、不安に駆られる国民に科学的な説明をせずに、逆にあおってしまう。何をいっても信頼されないという負のスパイラルにはまってしまっているからだ!
ブランド牛を値崩れさせた菅民主党政治、後手、後手にまわった菅内閣の罪は重い!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
汚染わら 山形牛、米沢牛に広がる波紋  
民主党の“後手”政治に泣かされる
2011.7.23 12:00
 放射性セシウム汚染の疑いがある稲わらを肉牛に食べさせていた問題は、原因となっている福島第1原発がある福島県に限らず山形、新潟、秋田などに飛び火している。東北だけではなく三重県松阪牛までも…。
 美味で知られるブランド、米沢牛畜産農家は「独自で全頭検査を行い、消費者の信頼を得るしかない」とする。JAグループ山形は全頭検査を実施して基準値以下と証明できない牛肉は出荷しないことを決めた。「こうした事態は予測できたはずだ」と後手、後手にまわる民主党政権の対応に憤りが広がっている。
生産者の嘆き :
 「牛は反芻動物のため、繊維質の稲わらを食べさせなければならない。私は直接、競馬場があった上山市の農家や山形市内の農家から収穫時に仕入れていたが、地理的条件や供給してくれる農家が近くにない場合、宮城の業者などから買わざるをえない場合がある。こんなことになるとは思ってもみなかっただろうに…」
 こういって、深いため息をついたのは、山形市内で80頭の肉牛を飼育している平尾喜代春さん(62)だ。
 稲わらはぬれてしまっては使いものにならないため契約農家から秋の収穫時、「明日刈り取るよ」という連絡を受けたらとんでいくという。集めたわらはロールにして雨に濡れないように小屋に保存、1日2回の給餌前に機械で細かくカットして与えるという。
 県からえさの稲わらについて立ち入り調査を受ける際、メディアの取材を引き受けたのは少しでも風評を抑えたいという思いからだったという。
「本当は今は昼寝している時間なんだけど。よくお昼寝する牛がいい牛なんだ」
 牛がわらを食べているところを撮影させてほしいというテレビ局の要請に快く応じながら、平尾さんは一頭一頭に優しくわらを与えていた。
米沢牛に与えられた試練 :
 「返ってくるんですか。わかりました」
 約1200頭の米沢牛を肥育している米沢市の米沢佐藤畜産社長、佐藤秀彌社長(56)はこう答え、携帯電話を置いた。
 相手はギフト業者。今回の騒動を受け、発送していた百貨店などが取り扱う約100軒の米沢牛ギフトの返品の連絡だった。
 「こういった時期だもの。消費者の反応を考えれば仕方ないだろう」と佐藤社長は話す。
 同畜産では、日本国内のわらではなく東京の商社を通じ、米・オレゴン州からライグラスストローという芝生の種をとるために栽培されているイネ科の草を輸入して与えている。ストローのコンテナは植物検疫以外開封しないため放射能に汚染されることはないが、それでもエサとして与える前に線量計ではかっているとう。
 同畜産の牛肉は県の要請で放射能検査を行ったが結果も不検出。安全には自信はあるが、出荷する牛肉すべてについて放射能検査を行えるように、東京の検査会社で全頭検査のための手はずを整えた。
 きめが細かく、味はまろやかという山形牛の中でも米沢牛米沢市南陽市長井市高畠町、川西町、飯豊町白鷹町、小国町の3市5町の生産農家が育て、さらに米沢市長がトップをつとめる米沢牛銘柄推進協議会が認定した生後32カ月の長期肥育による黒毛和種を指す。
 品質の高さは全国でも折り紙つきで、市場でも高値がつく。しかし、この騒動で米沢牛を扱う米沢食肉公社は今月28日に予定していた競りの中止を決定した。震災後の買い控えなどで、2割程度下落していた価格が戻り始めた矢先の今回の騒動だ。まさにダブル打撃となった。
 だが、佐藤社長は米沢牛というブランドを守るため「これを逆にチャンスにするぐらいであたりたい」と話す。国よりも厳しい基準を打ち出す必要があるのではないかとすら考えているという。
求められる全頭検査 :
 「確実に安心してもらえるよう山形では全頭検査を行い、証明書がない牛肉を流通させることはありません」
 今田正夫JA山形中央会会長は21日に山形市内で開かれた緊急記者会見で、風評被害が広がらないための決意を口にした。これはその前日に県が示した措置よりもさらに厳しい。
 県は、(1)問題の3月11日以降に収集し、暫定許容量(1キロ当たり300ベクレル)を超えていた場合(2)3月11日以降だが詳細が不明の場合(3)3月11日より前で問題ないとみられる場合−の3つに分け、(1)はわら検査、出荷自粛、全頭検査(2)はわら検査、農家1戸に1頭以上のサンプル検査(3)1頭以上のサンプル検査を行うとしていた。
 しかし、JAグループは「(1)については出荷自体を行わない。3月11日以前、以後にかかわらず、出荷前には全頭検査を行う」と決めた。ただ、県内の検査能力としては1日40頭程度のため、市場に出せる頭数を減らしてでも全頭検査を行うという。
 それには理由がある。
農林水産省から「宮城県大崎市の稲わら業者が福島第1原発の事故後に集め、暫定基準値以上を検出した。その稲わらを購入した農家が山形県内にある」という連絡を受け、山形県が調査を開始したのが7月17日。その翌日の18日に、尾花沢市飯豊町白鷹町の4農家のうち2農家の稲わらから基準値以上のセシウムが検出されたことが判明。基準値以上の稲わらを食べさせた農家の数は調査が進むにつれて増えている。
 等級や重さによってもかわってくるが佐賀牛が1頭100万円つけるところが、山形牛は20〜30万円という値段になってしまった。1頭10万円切る場合もあり、値崩れは死活問題になっていた。
何が安全か
 山形県は、基準値以上のセシウムが検出された稲わらを食べさせていた肉牛を調べているが、国の暫定基準を超えた肉は見つかっていない。もちろん、全ての肉を検査ができるわけではないが、稲わらを食べた肉牛がどれほど健康を害するか。その根拠については冷静にとらえる必要がある。
 食品安全委員会のホームページによると、放射性セシウムの暫定規制値である500ベクレルを検出された牛肉を1キロ食べた場合の人体への影響は0・008mSV(ミリシーベルト)と示している。
 この0・008mSVは、今回のような事故がなくても自然に存在する放射性物質を1年間に浴びる年間線量(日本平均0・4ミリシーベルト)の約50分の1にすぎないという。
 東京大学の唐木英明名誉教授(食品安全)は「規制値以上、以下ということで一喜一憂しているが、値は安全安心の境界を示しているのではない。もともと設定が極めて厳しい値になっている。規制値を超えた牛肉で健康を害するためには何トンも食べないといけなくなる」と指摘する。
 福島、山形だけに限らず今、東北全体で全頭検査の流れが広がっている。風評被害にあわないためにこうした動きは理解はできるが行政、政治家、専門家は、風評を広げないためにも基準値が示す意味を、何度もわかりやすく説明していく必要があるだろう。
 基盤が揺らいでいる政権下では政治家は保身に走り、不安に駆られる国民に科学的な説明をせずに、逆にあおってしまう。何をいっても信頼されないという負のスパイラルにはまってしまっているからだ。
 今回の取材を通じ何人もの関係者から「稲わらの問題は予測できたはずだ」という声を聞いた。稲わらの供給事情を知っていれば後はどこに放射能が広がっているかという予測の問題だったというのだ。事故から4カ月がすぎ初めてわかったという問題ではなかった。後手、後手にまわった政治の罪は重い。
 (山形支局長 杉浦美香)