原子炉が融けやすい構造のため多分暴走しない!

福島第一原子力発電所原発は原子炉の形が残っているときに一番核分裂の連鎖反応がしやすい設計になっている。原子炉が融けやすい構造のため多分暴走しない!
高速増殖炉もんじゅという原子炉の場合には、炉心の形状が崩れるとむしろ核分裂反応が進むという方向になる。
・融けた炉心が圧力容器を融け落として、格納容器の下に落ちるなんて想定してなかった! 最臨界という想定もしなかった現象が、次々と今起きている!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
2011年11月03日09:19
小出裕章が「2号機キセノン検出」を分析ーー再臨界の可能性ある。ホウ酸注入がどこまで効果もつかわからない 11/2(1)
2回目「小出裕章が「2号機キセノン検出」を分析ーー1,2,3号機に再臨界の可能性。原子炉が融けやすい構造のため多分暴走しない 11/2(2)」
2011年11月2日(水)、小出裕章氏が毎日放送「たね撒きジャーナル」に出演しました。福島第一原子力発電所の2号機でのキセノン検出報道をうけて、キセノンの説明とホウ酸注入の効果について語り、再臨界と爆発の可能性について語りました。
水野「まず、福島第一原発2号機について伺います。原子炉格納容器の中の気体に放射性物質キセノンというのが含まれている可能性があると、東京電力、発表しましたけど。まずはこのキセノンというのはどういうものなのか教えていただけますか」
小出「はい。えー、核分裂をすることによって初めて出来る放射性核種、です。それで…今回……え……東京電力が検出したと言っているらしいものは、キセノン133というものと135だと思いますが。135の方は9時間で半分になってしまうという、ものですし」
水野「え? 半減期が9時間」
小出「はい」
水野「短いですねえ……」
小出「はい。ですから、もし……福島第一原子力発電所で事故があって、原子炉が全て停止した3月11日にですね、停止したんだとすれば、到底今までは生き残っていられないというそういう放射性核種、なのです」
水野「はいー」
小出「それを今日(こんにち)検出したというのであれば……」
水野「あれば……」
小出「今、それが新しく生み出されているという確たる証拠になるのですね」
水野「つまり核分裂が、今も起こっている……」
小出「はい。今、起きていると、いう証拠です」
水野「はあ……。あの、ラジオネームひえこさんというかたがメールで質問してくださったのは、その核分裂が起こっているということはどういうことなんですか。  原子炉が暴走するということに繋がるんでしょうか」
小出「え……多分違います。」
水野「はい……」
小出「はい。えー、もともと私自身は、壊れてしまった原子炉の中で新たに核分裂反応が発生するということは多分ないだろうというふうに思って来ました。」
水野「はい」
小出「はい。このたね撒きジャーナルでも、何度かその……類似のご質問をしていただいたと思いますが。  ある時にクロル38という放射性物質をは……検出したと東京電力が発表したことがありました。で……もしそうであれば、えー、核分裂の連鎖反応が始まってると思う以外には解釈できないと私はお答えしたと思いますが」
水野「そうでした。それでなんかの間違いではないだろうかとおっしゃいました」
小出「はい(※何度も)。そしたらやっぱり間違えていたと東京電力が言ったのですね」
水野「そうだったの。あとで間違えました。小出先生おっしゃったとおりそうだったな、ってことがありました」
小出「はい。今回もやはり私は間違いである可能性はあると思います」
水野「あ、キセノンが出ている可能性があると東京電力が言ってますけど、これ、事実かどうかってことはこれからまだ……」
小出「はい」
水野「測定をきっちり専門のとこへやるわけなんですね」
小出「はい。データをちゃんと見ればすぐに分かるのですけれども。」
水野「あ、わかるんですか?」
小出「はい。それでクロル38を見つけたと言っていた頃は、かなり事故が起きた当初の頃で、えー現場が混乱していて間違えたということはあると……あると思いますが。  ここまで来て間違えるという可能性は、余り無いだろうなと私は思いますので。」
水野「んー」
小出「今回は、ひょっとすると原子炉の中でウランの核分裂反応が再び起きているという可能性は、あると思います。ただしそれがすぐに爆発ということには結びつきません」
水野「かといって放っておいていいんですか」
小出「もちろんいけません。それでそのために東京電力はボロン(※ホウ素)を注入したと、いっているわけですけれども。それがどこまで効果をもつかという事に関しては、私はよく分かりません」
水野「ホウ酸を水に溶いたものっていう意味ですね」
小出「はい。そうです」
水野「ホウ酸水を注入して……」
小出「そうです」
水野「で爆発を防いでるわけですね?」
小出「えー……爆発というか核分裂の連鎖反応を停止させようとしている、のですね。   もちろんそうしなければいけませんけれども。それがどこまで効果を持つかは私にはよく分かりません」
近藤「先生?」
小出「はい」
近藤「このー事態を……さらに……これが事実として、さらに……最悪の事態になるちゅうことはどういうこと、が想定できるんですか?」
小出「えー、再臨界ということが起きている可能性があるだろうと今、そういう話になっているわけですが。それが起きたからといって原子炉が爆発するというようなことには多分ならないと私は思います。」
近藤「多分ゆうのはどういう趣旨でしょうか」
水野「ねえー」
小出「ええとですね(笑)」

「2号機キセノン検出」を分析ーー1,2,3号機に再臨界の可能性。原子炉が融けやすい構造のため多分暴走しない 11/2(2)

小出「えー、再臨界ということが起きている可能性があるだろうと今、そういう話になっているわけですが。それが起きたからといって原子炉が爆発するというようなことには多分ならないと私は思います。」
近藤「多分ゆうのはどういう趣旨でしょうか」
小出「はい。えー……、核分裂反応がどういうスピードで生じるかということがあって。猛烈なスピードで生じれば、例えば原爆になってしまうわけですね。である程度コントロールできるような状況で進めることが出来れば原子力発電という形でエネルギーを取り出すことが出来るわけですし。」
近藤「そうですね」
小出「今回は全く予期しないような形で核分裂の連鎖反応が起きているわけですが」「えー……そういう条件というのはですね、長く続かないと私は思います」
近藤「ああ、あと非常にこう、局地的に偶然性ちゅうことですか」
小出「はい。あのー、今日日本で使っている原子力発電の原子炉というのは、元々米国が作って日本にまあ……貸しだしたというか渡して金儲けに使ったわけですけれども。   その形の原子炉というのは、原子炉の形が、残っているときに一番核分裂の連鎖反応がしやすいという、そういう設計になっています。」
水野「はい」
小出「ですから、原子炉の形が崩れるとか、原子炉が融けてしまうとかいうことになると、核分裂の連鎖反応はますますしにくくなる方向になるという、基本的な性質を持っています」
水野「そして、多分原子炉がもう崩れているだろうと……」
核分裂反応は続かないであろう……」
小出「はい。あの、はい。連鎖反応が新たに起こるということ自身が、私には、ちょっと想像ができないくらいのことなのであって」
「えー仮にその連鎖反応が起きるような非常に特殊な条件が、あるかもしれないと思いますので。えー出来てるのかもしれないと思います。ただし、そういう特殊な条件は核分裂の連鎖反応が始まると、熱が出てきますのですぐにその条件が壊れてしまいます」
「はい。そうすると連鎖反応が止まります。それで……止まってしまうとまたその、元の条件に戻るかもしれませんので。また連鎖反応が始まる、かも、しれません」「でも、まあ要するにせいぜいその程度のことなのであって。」
「直ちに爆発に結びつくというようなことは、多分ない。と、少なくとも私の知識で言えばないと思います」
近藤「そういうその、古い型であるがゆえにある意味、逆の言い方をすれば助かっているっちゅうことですか?」
小出「そうですね。高速増殖炉というものを今作って、まあもんじゅというのもそうですけど、そういう原子炉の場合には、炉心の形状が崩れるとむしろ核分裂反応が進むという方向になるので」
小出「大変危険なのですけれども。今日の日本で使っている原子力発電所の場合には、核分裂の連鎖反応が始まっても爆発に至ることは私はないと思います」
近藤「あのお、先生、あとの……1号機だの、ほかはどうなんですかね?」
小出「ええ、同じような状況ですので、1号機も3号機もひょっとしたらば臨界ということになってる可能性はあると思いますが。えー……要するにそれを調べることすらが、困難な状況にあるので」
近藤「なるほど……」
小出「残念ながら私にはよく分かりません」
水野「この2号機についてもキセノンは今回はじめて分析して出てきたっていうんですよね」
小出「はい」
水野「っていうことはこれまでにも計測していてたら出ていたかもしれませんでしょ?」
小出「もちろんそうです。ですから1号機にしても3号機にしてもひょっとしたら出ているかもしれないですし。えー、放射線の測定っていうのは、まあけっこう面倒くさい手続きを経なければいけませんし。出てきたそのデータを見ても間違えてしまうということが時々あるし。東京電力自身が間違えてきたわけですね。ですから今回もひょっとしたら間違えてるかもしれないと私は疑っていますし、1号機・3号機でも慎重にやはり測定をすべきだと思います」
近藤「チェルノブイリで核の暴走っていう言い方しますよね」
小出「はい」
近藤「この核の暴走っていう言い方は、この事態はどうなんですか?」
小出「えーチェルノブイリという原子力発電所は日本の原子力発電所と全く違う原子炉を使っていまして。えー、あのタイプの原子炉では核の暴走が起こりやすかったのです。で実際に起きた、のです。でも、日本で使っている原子力発電所の原子炉は、核の暴走というのは起こりにくいけれども、原子炉が融けてしまう可能性が高いと、そういう原子炉だった……」
「のです。そして実際に融けた、のです。」
「でも、核の暴走は多分私は起こらないと思います」
近藤「おこらない、はあはあ」
水野「ふーん。ただ……東電は、ですね……」「年内に冷温停止って……」
「……言ってたわけですよね?」
小出「はい。」
近藤「うん……」
水野「で、年内に事故を収束させる、という目標だったんですよね?」
小出「はい」
水野「その、今まで言ってたこととこの事実……」
近藤「そうやな……」
水野「ど、ど、どう、私たちは受け止めたらいいんですか?」
小出「要するにその冷温停止なんてこと自身がバカげていると私はこの、番組でもなんども聞いていただいたと思いますが。できもしないことを彼らは言っている、のです。それでとにかくその……収束に向かっているということだけを皆さんにアピールしたいわけだし。安心させたいということで来ているのですね。で確かにでも、彼らは事故を収束させるための手段を手に入れた、つまり電源ですけれども。」
水野「はい」
小出「えー電源を手にいれたので、それなりのことが確かにできるようになっているわけですけれども。彼らも思いもしなかったようなことが、今現在また起きてしまっているということで、えー収束にまた困難が出来てきたということです」
水野「そ、思いがけないことが起きるっていうことは、つまりコントロールできてないということ、じゃないんですか」
小出「もちろんそうです。元々原子炉が融けるなんてことを彼らは想定していなかったわけだし。えー、融けてしまった炉心が圧力容器を融け落として、格納容器の下に落ちるなんてことも想定してなかったし。最臨界というような現象が起きるなんてことは、まあ私も思っていなかったし、彼らはもちろん思っていなかったはずで。えー、想定もしなかったようなことが次々と今起きている、のです」
水野「日本原子力学会という学会がございます。」
「小出先生がかつて脱退なさった学会ですけど」
「昨日、国際シンポジウムを開いたそうで声明が発表されたんです」
「その中で、こんな内容があるようです。『原発の安全確保に貢献する』と」
「えーまだこういう内容もございます。今回の福島の事故に関して『事態の分析や原因の解明、社会への分かりやすい説明、事故の収束を助ける技術活動などを自発的に進めた』と、いうふうに自ら、これはいわゆる自画自賛という……」
小出「えーまずは、原子力は絶対安全だと旗を振ってきた、えー……、ことの責任をとって欲しいと思います。」
水野「はい。そうですね。そこのところをなしに、自画自賛されているのが、まあ、今の原子力村の実態、と言っていいんですね」
小出「のようですね」