・これ以上「無法国家」に支援するな! 核、ミサイル開発の資金源支援廃止の追加制裁を実施せよ!

・被害者家族の増元照明さんは「ミサイルでは制裁するのに、なぜ拉致で追加制裁をしないのか」と語っている。
・総連の副議長5人はしばしば訪朝して拉致に関与した工作機関である統一戦線部から政治的指導を受けている。   総連の副議長5人を来年の祝賀行事に行かせなくすることは強いメッセージになる。
・総連の毎月の訪朝などによって、総連は2011年12月からこの2月まで、少なくとも約1億3千万円を北朝鮮に持ち込んだ。 届出していない金を合わせれば数倍以上は持ち込んだ!
金正日氏の葬儀の際の公式報道によると、総連の副議長の南氏は「党・国家・武力・政権機関、社会団体、省・中央機関の幹部」よりも先に紹介されるという破格の扱いを受けている。
・これ以上「無法国家」に支援するな! 核、ミサイル開発の資金源支援廃止の追加制裁を実施せよ!

〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
再び言う総連5人組に禁足令を
東京基督教大学教授・西岡力 2012.4.10 03:18
 今年は、北朝鮮の独裁者、故金正日氏が拉致を認めて、5人の被害者を返してから10年。  この間、拉致問題には、5人の家族の帰国以外、全く進展がない。  後継の金正恩・新体制も、問題は解決済みという従来の立場を崩さず、「もう存在もせず、においもしない拉致問題」(1月3日の朝鮮中央通信)などと開き直っている。
≪なぜ拉致でも追加制裁しない≫:
 だが、被害者情報の方はここ数年、多数出てきている。 むろん、信憑(しんぴょう)性がないものも依然多いが、被害者の生存を示す具体的な情報もある。  出所の違う複数のほぼ同じ内容の生存情報が寄せられている。    政権の先行きに不安を覚える幹部らが、情報の切り売りをしているからだ。
 拉致被害者家族会と支援団体の「救う会」は2月に合同会議を開き、「政府は、今年を勝負の年として、全精力を傾けてすべての拉致被害者を早急に救出せよ!」との新運動方針を決めた。  4月28日と9月2日に東京で国民大集会を挙行し、全国一斉行動(9月)、現在約850万筆の署名を1千万にする運動などを繰り広げる。
 こうした中、政府は4月3日、北朝鮮に対する現行の制裁をそのまま延長すると閣議決定した。  政府は、北が「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射を強行した場合には、追加制裁を発動することを考えている、と伝えられる。  被害者家族の増元照明さんは「ミサイルでは制裁するのに、なぜ拉致で追加制裁をしないのか」と語っている。全く同感である。
 筆者は、「総連5人組が祝賀訪朝する時か」と題した昨年10月19日付の本欄で、こう訴えた。
 拉致を理由に追加制裁を断行し、被害者救出で譲歩はないという国家意思を示すことが必要だ。  北朝鮮の国会議員(最高人民会議代議員)を兼ねている総連幹部6人に限定している再入国不許可の範囲を拡大することが考えられる。  総連の副議長5人はしばしば訪朝して拉致に関与した工作機関である統一戦線部から政治的指導を受けている。   その5人を来年の祝賀行事に行かせなくすることは強いメッセージになる−と。
≪拉致機関のトップとも同席か≫:
 ここで言及した朝鮮総連副議長5人とは、南昇祐、朴久好、高徳羽、●益柱、●眞求の各氏だ。
 このうち南昇祐氏は昨年12月、金正日氏の葬儀に出席する総連弔問団長として訪朝した。  その際、北朝鮮当局は南氏らのために夕食会を催し、氏のテーブルには、日本人拉致を行った北朝鮮工作機関の一つである統一戦線部のトップ金養健部長が座ったとされる。
 また、朴久好氏は今年1月末から2月末まで、40人ほどの総連若手活動家を引き連れて訪朝し、金正日氏生誕70周年行事を盛り上げるため、平壌駅前など3カ所に焼きうどん、たい焼き、アイスクリームなどの屋台を出したという。  屋台組とは別途、2月には、●益柱氏らが70周年行事に出席するため訪朝した。  朴氏は、3月下旬にも再訪朝し、金正日氏死去100日の行事に参加している。
 こうした毎月の訪朝などによって、総連は昨年12月からこの2月まで、少なくとも約1億3千万円を北朝鮮に持ち込んだ。現在、北朝鮮へのカネの持ち出しは、10万円以上は届け出が必要だが、持ち出す額は無制限である。この集計はあくまで届け出ベースであり、政府関係者は無届けで持ち出すケースも多いとみている。
 加えて、彼らは今、全国で4月の金正日氏の父親で先々代の独裁者、金日成氏の生誕100周年行事などのために11億円を集め、大規模な訪朝団を送って、再び屋台を出店する準備を進めている。
≪運ぶカネは核、ミサイル資金に≫:
 訪朝した副議長らは、現地で党や政府の最高幹部並みの接遇を受けている。 金正日氏葬儀、金正日氏生誕行事、金正日氏死去100日行事では、必ず金正恩氏が立つ主席壇に上がっている。  金正日氏の葬儀の際の公式報道によると、南氏は「党・国家・武力・政権機関、社会団体、省・中央機関の幹部」よりも先に紹介されるという破格の扱いを受けている。

 日本の政府機関である整理回収機構は、全国の朝銀信用組合が破綻した際の不良債権約627億円の返還を総連に求め、愛知朝鮮中高級学校(豊明市)と九州朝鮮中高級学校(北九州市)を仮差し押さえしている。  これらの借金を返さないまま、本国の工作機関の指示の下、多額のカネを運んでいるのが副議長らなのである。
 持ち込まれた資金は、朝鮮労働党39号室に上納され、核、ミサイル開発の資金にもなっている。  米国は、大量破壊兵器開発などに関係しているとして、39号室を金融制裁の対象とし、米金融機関との取引を禁じている。
 拉致問題で日本の国家意思を示し、核、ミサイル開発を阻止するために、再入国不許可の網を総連副議長5人を含む在日朝鮮人全体にかけて、現金の持ち出しや送金を原則禁止とし、圧政を支えるヒトとカネの流れを止めるべきである。   日本が「無法国家」支援国になってしまわないためにも。(にしおか つとむ)

●=褒の保を非に