・まだまだ多くの非公開の事実が隠されている。記録媒体が豊富な今の時節に記憶がないとかの方便を使って真実を隠蔽している輩は誰かは何れは明確になるが、早いうちに、表へ出し責任を負うべきだ!

・《事故発生翌日の昨年3月12日、菅氏は同原発吉田昌郎所長(当時)に電話した。 菅氏と、途中で電話を引き継いだ知人は数十分間にわたり、米スリーマイル島原発事故(1979年)を参考にした原子炉の冷却方法を提案。だが報告書は「実態と乖離した指導だった」と批判した。》
・《東電は「ビデオは社内資料で公開しない」としている。社内資料すべてを公開することにつながる危惧からだろうが、ビデオは、報告書の信憑性を検証する材料であり、証拠でもある。  「自己弁護」と言われぬよう、出せるものは公開すべきだ。》
・まだまだ多くの非公開の事実が隠されている。記録媒体が豊富な今の時節に記憶がないとかの方便を使って真実を隠蔽している輩は誰かは何れは明確になるが、早いうちに、表へ出し責任を負うべきだ!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
東電の事故調査報告書の新事実とビデオテープ非公開と
阿比留瑠比    2012.06.22 Friday
 相変わらず政局と関係のないことを書こうと思います。 東京電力は昨日、福島第1原発事故を受けた社内事故調査委員会の最終報告書を公表しましたが、予想通り、新聞各紙の報道ぶりは厳しいものでした。  見出しをざっと拾うと、以下のような感じです。
  産経 東電 自己弁護に終始
 朝日 東電、責任逃れに終始
 毎日 責任逃れの姿勢露呈
 読売 東電 自己弁護に終始
 東京 東電 責任逃れ記述多く

 見事に似たようなトーンの見出しが並びました。まあそれはそうでしょう。 で、今回は、その上で私の関心事項である当時の首相官邸の対応についてどう書いてあるかに着目したいと思います。
 これまでの政府事故調民間事故調、国会事故調の報告にはなく、ほとんど知られていなかっただろう興味深いものもありました。
 例えばその点に関して一番詳しく書いた東京は、東電側に皮肉な視線を向けつつも、東電報告書の内容についてこう紹介しています。

 《初期の対応の遅れが指摘される部分では、官邸からの介入が遅れに拍車をかけたと主張。 その材料として、菅直人首相(当時)の「知人」(コンピューター工学が専門の大学教授)から福島第一原発にかけられた電話を取り上げた。
 知人は米スリーマイル島原発事故の概要を教えるよう求め、現場の部長が説明した。 すると、知人は「復水器に蒸気を送り、(水に戻して)原子炉を冷却する」ことを提案したという。
 提案のようなことができないから、炉心溶融という重大事故が進行している。  それは無理だと納得してもらうまでに「数十分費やした」という。
 こんな無駄なやりとりがあったなら、現場から時間を奪ったのは確か。   ただ、報告書は「この総理の知人は後日に内閣官房参与に任命されたとのことである」と、必要以上に皮肉を込めて記した》

 《東電幹部に強い調子で話す管氏の様子は、本店と原発をつないだテレビ会議で偶然映っていたが、それを吉田所長が見ていた。 報告書は、吉田氏の「極めて高圧的態度で、怒り狂ってわめき散らしている状況だった」との証言を引用し、「『誰が逃げたのか、事実として逃げた者がいるなら示してほしい』と憤慨していた」とも紹介した。》

この吉田所長の怒りの部分に関して、毎日はこう書いています。
 《同15日に東電本店に来た菅氏を、テレビ会議システムを通して目にした吉田昌郎・前福島第1原発所長は「高圧的で怒り狂って、わめき散らしている」という印象を持ち、「(全員撤退と言われ)誰が逃げたのか、逃げた者がいるのなら示してほしい」と憤りを示した。》
 官邸は無意味な問い合わせや指示で現場を混乱・疲弊させるばかりか、勝手に全面撤退と勘違いした菅氏が怒鳴りちらし、現場の士気を著しく低下させたという主張ですね。  そのこと自体はこれまでも各方面から指摘されてきたことですが、この吉田氏の証言は初めてみました。  また、この間の経緯について、読売は次のように書いています。
 《事故発生翌日の昨年3月12日、菅氏は同原発吉田昌郎所長(当時)に電話した。 菅氏と、途中で電話を引き継いだ知人は数十分間にわたり、米スリーマイル島原発事故(1979年)を参考にした原子炉の冷却方法を提案。だが報告書は「実態と乖離した指導だった」と批判した。》
 菅氏が自分の東工大人脈などのセカンド・オピニオンばかり重用し、海水注入問題でも誰かに再臨界の恐れを吹き込まれて混乱を引き起こしたことはこれまでも言われてきましたが、このスリーマイル島の話は初めて知りました。  朝日は、このエピソードそのものは記事で取り上げていませんが、報告書がこう指摘していることは紹介しています。
《事故時の首相官邸の対応については「現場実態からかけ離れた具体的な要求が官邸の政府首脳らから直接・間接になされるようになった」とし、「現地対応にあたる発電所の所長を板挟みにするばかりで事故収束の結果を改善するものではなかった」と批判。》
 こういう問題点に対する東電側の指摘は一応、理解できるのですが、とはいえ《東電本店と福島第1原発を結んだテレビ会議の映像は「プライバシーの問題が生じる」として公表しなかった》(日経)のはやはり納得がいきません。
 これを出さないから国会事故調の参考人聴取で菅氏が「怒鳴った気持ちはない。 夫婦げんかより小さな声で話した」などと、ふざけた言いぐさで自己正当化をするわけですから。
 産経はその点についてこう書いています。
 《東電は「ビデオは社内資料で公開しない」としている。社内資料すべてを公開することにつながる危惧からだろうが、ビデオは、報告書の信憑性を検証する材料であり、証拠でもある。  「自己弁護」と言われぬよう、出せるものは公開すべきだ。》
 以前のエントリでも書きましたが、東電は3月15日未明に菅氏が本店に乗りこんできた際のビデオをぜひ公開すべきです。  こんな大事な問題がいつまでも「藪の中」であっていいとは思えません。
 「卑怯者は、安全な時だけ、居丈高になる」(ゲーテ)という言葉がありますが、これ以上、今日のことを異常発達した生存本能で察知したのか議事録を一切残さなかったアレが、安全地帯から偉そうなことを言い続けるのを許しておいてはいけないと思います。  いっそ、匿名ででも産経新聞にビデオを送りつけませんか?

※追伸 このブログの累計アクセス数が3200万を超えました。ありがとうございました。今後も細々と続けていくつもりなので、改めてよろしくお願いします。