・赤十字協議を機に、野田佳彦政権は手段を尽くして北朝鮮を拉致問題のテーブルにつかせなければならない。

朝鮮半島で38度線より北の旧ソ連軍が日ソ中立条約を破って侵攻してきた地域では、日本軍人や軍属のほか旧満州から引き揚げる途中の民間人ら多くが死亡した。 冬を越せず、飢えと寒さで亡くなった邦人も少なくない。
・日本にとって現今の最重要課題は拉致問題であることを忘れてはならない。
・いまだに日本に帰国できないでいる政府認定の拉致被害者横田めぐみさんら12人で、拉致された疑いを否定できない特定失踪者は100人を超える。
 北朝鮮は4年前の約束を果たしていない。
赤十字協議を機に、野田佳彦政権は手段を尽くして北朝鮮拉致問題のテーブルにつかせなければならない。



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
日朝赤十字協議 「拉致」棚上げは許されぬ
2012.8.13 03:10 [主張]
 先の大戦末期の混乱で北朝鮮に残った日本人の遺骨返還などをめぐり、10年ぶりの日本赤十字社北朝鮮の朝鮮赤十字会の協議が行われた。
 今後、両国政府当局者を交えて交渉を続けることで合意したが、もう一つの懸案である拉致問題への言及はなかった。  唐突に始まった感もある協議だ。  成果を急ぐあまり、拉致問題が棚上げされるような事態だけは避けねばならない。
 朝鮮半島で38度線より北の旧ソ連軍が日ソ中立条約を破って侵攻してきた地域では、日本軍人や軍属のほか旧満州から引き揚げる途中の民間人ら多くが死亡した。 冬を越せず、飢えと寒さで亡くなった邦人も少なくない。
 厚生労働省によると、この地域で3万4600人の日本人が死亡し、うち1万3000人の遺骨は民間の引き揚げ者らが持ち帰ったものの、残る2万1600人分は今も北朝鮮に眠っている。
 朝鮮赤十字会が日本人死者の実態をどこまで把握しているかは不明だ。 しかし、日本側も含めた現地調査により日本人の遺骨と判明すれば、故国の日本に返還すべきなのは言うまでもない。 墓参が可能になることも前進である。
 ただ、日本にとって現今の最重要課題は拉致問題であることを忘れてはならない。
 平成20年8月の日朝実務者協議で、北朝鮮は「生存者を発見し帰国させるための拉致被害者の全面調査」を約束した。  対象を日本政府が認定した被害者に限らず「その他に提起された行方不明者」に広げることも合意された。
 いまだに日本に帰国できないでいる政府認定の拉致被害者横田めぐみさんら12人で、拉致された疑いを否定できない特定失踪者は100人を超える。
 北朝鮮は4年前の約束を果たしていない。  北が何よりもまず、実行しなければならないのは、拉致被害者らの再調査と生存者を日本に帰国させることである。
 日朝間には遺骨問題のほか、日本人妻の一時帰国問題などもあるが、拉致問題を優先すべきだ。
 来月は金正恩第1書記の父、金正日総書記(昨年12月死亡)が小泉純一郎首相(当時)に拉致を認めて謝罪した日朝首脳会談から10年の節目となる。 赤十字協議を機に、野田佳彦政権は手段を尽くして北朝鮮拉致問題のテーブルにつかせなければならない。