・米国としては日韓両国がなんとか衝突を避けてほしいと求める。

・2012年6月下旬には日本の海上自衛隊の艦艇は 米韓両国の海軍と朝鮮半島南の海域で合同訓練を実施した。   3国共同訓練は朝鮮半島近海では初めてだった。 この動きは米国の日韓両国への強い働きかけが契機だったのだ。
・米国が戦力強化のための 財政資源がないとなれば、その補填を同盟諸国に頼むというのは、米側としては自然な理屈だ。
・米国としては日韓両国がなんとか衝突を避けてほしいと求める。


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
韓国が日米韓3国安保を崩す
古森義久   2012.08.16 Thursday
 韓国の李明博大統領の竹島侵入による日韓関係の悪化は必然です。 その結果、最近、重要となってきたアメリカと日本と韓国、3国の安全保障協力が阻まれることとなります。
 この協力はアメリカがとくに強く望んでいることなので、李大統領の行動はアメリカをも硬化させる側面があります。  そのへんのアメリカの態度のレポートです。

<<日韓衝突は米国にとって頭痛の種 中国に対抗するにはアジア同盟国の団結が不可欠>>
  その種の能力の強化には、これまでアジア、太平洋ではほとんど存在しなかった同盟諸国同士の安保協力が望まれることになる。  米国が戦力強化のための 財政資源がないとなれば、その補填を同盟諸国に頼むというのは、米側としては自然な理屈だろう。  同時に同盟諸国同士が独自に協力を深め、絆を築くようになれば、さらに同盟全体としての抑止力は強くなる。
 米国が最近、日本と韓国の安保協力を強く求めるようになった背後には、こうした事情があったのだ。  2012年6月下旬には日本の海上自衛隊の艦艇は米韓両国の海軍と朝鮮半島南の海域で合同訓練を実施した。   3国共同訓練は朝鮮半島近海では初めてだった。   この動きは米国の日韓両国への強い働きかけが契機だったのだ。
 日韓両国間の「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」も同様の趣旨だった。
 米国の強い支援で進められたこの2国間協定は日本と韓国が北朝鮮などの軍事情報を交換するための秘密保全の取り決めである。  ミサイル防衛網の保持にも超重要となる。   米国が仲介役となり、米日韓の3国態勢へと進む意図が、明白だった。  ところが韓国内部の突然の猛反対で、この協定の成立は将来へと延期されてしまった。
 そんな状況の下で起きた李明博大統領の竹島上陸だった。  竹島は言うまでもなく日本固有の領土である。  韓国が不当に占拠しているのだ。  だから李大統領の上陸も日本側からすれば不法な侵入となる。  一部の日本側メディアが使う「訪問」というのは、あくまで韓国側の立場の尊重となる。

<「米国は韓国と日本の和解を促すべき」という声も>
 この事態に米国がどう対処すべきか、ワシントンの大手研究機関「ヘリテージ財団」のブルース・クリングナー上級研究員が政策提言をしている。
 クリングナー氏はCIA(中央情報局)勤務の長かった朝鮮情勢の専門家である。
 「ワシントンは韓日関係の固有の難しさにもかかわらず、両同盟国に対し共通の脅威への抑止と防衛の向上のための軍事協力の強化をも含む関係の改善を非公式に促し続けるべきだ。  しかし、米国は両国間の領土紛争や極めて感情的な歴史問題に関して、どちらの側にもついていないという姿勢を保つために、慎重な路線を歩むべきである」

 このへんは当然のことだろう。  米国にとっては日本も韓国も同盟パートナーなのである。どちらの国が第三国から軍事攻撃を受けた場合も、米国は共同防衛の形で支援することが条約で決められている。  となると竹島の領有をめぐり、日本と韓国が軍事衝突を起こした場合、米国の立場はなんとも奇妙なものとなる。  日本も韓国も、いずれの国をも軍事支援しなければならないからだ。  だからこそ米国としては日韓両国がなんとか衝突を避けてほしいと求めるのだとも言える。