中国首脳はこの種の対日戦争が自国の経済や外交の将来をかけた海軍力の破局をもたらしかねないと認識している

・中日両国は戦争をするか。 どちらが勝つか
・実際の戦闘では――
①日本が兵器や要員の質で上位にある。
②日本は尖閣や周辺の諸島にミサイルを地上配備すれば、海洋戦でも優位となる。
・中国側の多数の通常弾頭の弾道ミサイルが日本側の兵力や基地を破壊する能力を有するが、日本側は移動対艦ミサイル(ASCM)を尖閣や周辺の諸島に配備し、防御を堅固にすれば、周辺海域の中国艦艇は確実に撃退でき、尖閣の攻撃や占拠は難しくなる。
尖閣中心に日中両国軍がぶつかった際に、「日本側は主力兵力をほぼすべて集中できるが、中国海軍は他の防衛海域が広大で、集中はできない」、「日本側は単に尖閣防衛を貫けばよく、それ以上に中国軍を追撃して撃滅する必要はない」
・「中国首脳はこの種の対日戦争が自国の経済や外交の将来をかけた海軍力の破局をもたらしかねないと認識している」ことから、日本が勝つ見通しが強い。



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
日中、もし戦わば
古森義久   2012.08.24 Friday
 日本と中国はいうまでもなく尖閣諸島をめぐって対立しています。 この事態がもしさらに悪化して、軍事衝突が起きたらどうなるか。
 そんな事態を起こさないためにこそ、日本側は防衛を強化し、対米同盟を堅固にし、中国の軍事力行使を許さない抑止を強めるべきなわけです。
 しかしそれでもなお軍事衝突が起きたらどうなるのか。  アメリカの専門家がその先の展望を発表しました。 文字どおり、日中、戦わば、です。
 [ワシントン=古森義久]  尖閣諸島の領有権紛争で日本と中国の部隊が正面衝突した場合、どうなるか―   米海軍大学の戦略専門家が最新の論文で具体的な軍事衝突のシナリオを描き、米軍が参加しない大規模な日中海洋戦争でも日本が有利だと総括した。
 米海軍大学のジェームズ・ホルムス准教授(戦略研究専門)は21日発売の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」9月号の巻頭論文で「2012年の中日海戦」と題し、日本と中国が尖閣諸島をめぐり軍事衝突した場合の展開の予測を発表した。
 「中日両国は戦争をするか。 どちらが勝つか」という副題の同論文はこの戦争はたぶん起きないだろうが、中国側では人民解放軍の将軍が尖閣海域への大量の船舶派遣を提唱したり、東海艦隊が島への上陸作戦の演習を実施しており、尖閣攻撃の可能性も否定はできない、としている。
 そのうえで同論文は「現実の軍事衝突は米国が日本を支援して介入する見通しが強いが、日中両国だけの戦いも想定はできる」として、日中両国の海洋部隊が戦闘に入った場合についてまず戦力や艦艇の数量面では中国がはるかに優位に立つと述べた。
 しかし同論文は実際の戦闘では――
 ①日本が兵器や要員の質で上位にある
  ②日本は尖閣や周辺の諸島にミサイルを地上配備すれば、海洋戦でも優位となる―と強調した。

 同論文は中国側の多数の通常弾頭の弾道ミサイルが日本側の兵力や基地を破壊する能力を有するが、日本側は移動対艦ミサイル(ASCM)を尖閣や周辺の諸島に配備し、防御を堅固にすれば、周辺海域の中国艦艇は確実に撃退でき、尖閣の攻撃や占拠は難しくなる、との見方を表明した。

 同論文はさらに尖閣中心に日中両国軍がぶつかった際に、「日本側は主力兵力をほぼすべて集中できるが、中国海軍は他の防衛海域が広大で、集中はできない」ことや、「日本側は単に尖閣防衛を貫けばよく、それ以上に中国軍を追撃して撃滅する必要はない」こと、「中国首脳はこの種の対日戦争が自国の経済や外交の将来をかけた海軍力の破局をもたらしかねないと認識している」ことなどから、日本が勝つ見通しが強い、との展望を明らかにした。