現実の国際舞台で有効かどうかは別問題で、よく吟味する必要がある。

・現実の国際舞台で有効かどうかは別問題で、よく吟味する必要がある。
・孫崎氏は首相当時の鳩山氏に何度も会い、沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設を進言した。今、その鳩山氏は立候補できず徒の人になった。



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
外務省の元国際局長・孫崎享氏を国会に招こう   
古森義久  2013.01.04
 外務省の国際局長や駐イラン大使、さらには防衛大学教授を務めた孫崎享氏の言説が論議を呼んでいます。
 孫崎氏は尖閣については日本の固有の領土であることを否定します。中国の主張に理があるというのです。
 尖閣にもし中国の軍事攻撃がかけられても、アメリカは日本を支援しないとも断言しています。 アメリカ当局は日米安保条約尖閣にも適用されることを明言しているにも、かかわらず、なのです。
孫崎氏は自分が務めてきた外務省や防衛大学の基本の教えを正面から否定します。 日本の安保政策の根幹をも否定するのです。 そうしたユニークな孫崎氏の言を公式な場でじっくりと聞こうではないか、という提言が出ました。
<【フロム・エディター】さあ、孫崎氏を国会に呼ぼう>
 1988年夏だから、もう25年近く前になる。 自民党麻生太郎氏は米国ワシントンの大学で、学生たちに語った。
 「日本の政治が安定している理由を教えましょう。 相撲にたとえれば、土俵上でプレーをするのは自民党議員だけです。 野党は、その周りに座る審判で、簡単に政権運営に介入できない」
 新聞社派遣の留学生として、その場に居合わせた私は、この人の英語の野太い声に、吉田茂元首相の孫、日本の保守本流の家系という自負があふれるのを感じずにはいられなかった。
 いま、その政治構図が復活しそうだ。 圧勝した自民党公明党が組んで、野党側は小粒な「土俵下の審判」になりさがる。 麻生氏が入閣というのも、私には因縁めいてみえる。
 さてあの人、元外務省国際情報局長、孫崎享(うける)氏は、この結果をどう評するだろうか。
 「日本の戦後指導者の多くが米国に操られてきた」。そう断じた元外交官に、政権交代を機に弁明を求めたい、と考える政界人は少なくない。 私も、孫崎氏をぜひ国会に呼び、論議の場をつくってほしい、と思う。
 鳩山由紀夫氏について出馬断念する前に、この欄で、「その無定見を拒否したのは日本の国民」と書いたが、結局、その通りになった。  彼の政治家としての失敗は本人の資質に起因しており、孫崎氏のように、“対米自主”路線への米国の圧力にからめても意味がないのだ。
 孫崎氏は首相当時の鳩山氏に何度も会い、沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設を進言した。 最近では、小沢一郎氏の旧「国民の生活が第一」とほぼ同じ主張を述 べて、「修羅場から逃げない。 失うことを恐れない」を、政治家の条件と言っていた(著書『アメリカに潰された政治家たち』)。
 だったら率先垂範、自ら出馬した方が早いだろうが、そうならなかったのは残念だ。
 新政権には、麻生氏と安倍晋三氏という“対米追随”の両雄が返り咲いた。 残念というのは、外務省で局長までつとめ、防衛大学校でも教えた孫崎氏が野党議員の一人に列していたら、さぞや立派な土俵下の審判になっただろう、と思うからである。
 「追随」と並べれば「自主」が心地よく響く。 だが鳩山氏を出すまでもなく、それが現実の国際舞台で有効かどうかは別問題で、よく吟味する必要がある。(産経)