・尖閣問題の本質は、領土問題ではなく、日本に華夷(かい)秩序への従属を迫る中国の覇権主義にある。

・2007年から08年に起きた中国製冷凍ギョーザ中毒事件のときも中国外務省は、科学的見地から中国国内で毒がもられた可能性を指摘した日本側に、「中国側に汚水をまく行為だ」と責任をなすりつけた。   後に、犯人は天洋食品を逆恨みした中国人元従業員と判明したが、日本への謝罪は一切ない。
・レーダー照射で日本政府は、国際法上の戦闘行為に出た中国の極めて危険な行動を明らかにした上で、領土保全に対する威嚇を禁じた国連憲章違反であると問題提起する方針を示した。
尖閣問題の本質は、領土問題ではなく、日本に華夷(かい)秩序への従属を迫る中国の覇権主義にある。
・人権弾圧と政権腐敗に対する人民の批判をかわすための反日
 旧日本軍と戦わなかった抗日戦のウソから共産党統治の不当性を隠蔽(いんぺい)するための反日
・これが情報過疎の無知な人民をあおり、覇権確立と国内矛盾の封殺という一石二鳥を狙う反日の実態だ!
・1992年に領海法で尖閣諸島を勝手に領土化し、2010年に国防動員法を制定、日本との間合いを詰めてきた。
言論の自由や人権を弾圧する中国共産党の存在自体が、人権尊重をうたった国連憲章第1章第1項違反だ!
・柄(つか)に手をかけつつ、「無刀取り」さながらの積極外交で、国際社会を味方につけることが肝要だ!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
国際社会と共に尖閣守れ
ワシントン支局長・佐々木類  2013.2.17 03:09
 ◆厚い面の皮
 どの口を開けば、こういう言葉が出てくるのかと思う。
 「日本が危機をあおり、中国のイメージに泥を塗った」「日本の完全な捏造(ねつぞう)だ」。 中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦への射撃管制用のレーダー照射について、中国外務省の華春瑩報道官が記者会見で発した言葉だ。  面の皮が厚いとはこのことで、高飛車でしれっとした顔の記者会見を見せられると、「鳴子のこけし」の方がよほど表情豊かに見えてくる。
 思い出すのは、2007年から08年にかけて起きた中国製冷凍ギョーザ中毒事件だ。  このときも中国外務省は、科学的見地から中国国内で毒がもられた可能性を指摘した日本側に、「中国側に汚水をまく行為だ」と責任をなすりつけた。   後に、犯人は天洋食品を逆恨みした中国人元従業員と判明したが、日本への謝罪は一切ない。
 今回のレーダー照射で日本政府は、国際法上の戦闘行為に出た中国の極めて危険な行動を明らかにした上で、領土保全に対する威嚇を禁じた国連憲章違反であると問題提起する方針を示した。 矢継ぎ早の外交攻勢だ。
 中国軍が重要作戦と位置付ける「世論戦・心理戦・法律戦」という「三戦」のお株を奪う最善手を打った。
 ◆米戦略の試金石
 中国艦艇によるレーダー照射発覚直後の2月7日、米下院で開かれた米中経済安全保障調査委員会。  傍聴席にいた約40人近い関係者のうち、半数近くが中国メディアだった。  情報収集活動は活発で、上下両院や民間シンクタンクの会合に連日雲霞のごとく出現。   中国外務省報道官の発言と同じ言い回しで沖縄・尖閣諸島の領有権を主張する質問をぶつけている。
 言論の自由がない国にジャーナリズムはあり得ない。  ワシントンでメディアを名乗る中国人はほぼ全員、共産党工作員とみて間違いない。
 有形無形の圧力がかかる中、米シンクタンクアメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイケル・オースリン日本部長は、中国艦艇によるレーダー照射を日中間の緊張に「重大な質的変化」をもたらしたと批判した。
 また、「オバマ政権が打ち出した外交・安全保障の新戦略、リバランス(軍事力の再均衡)やピボット(軸足旋回)が、具体的にどういうものかが試されている」と指摘。
 民主党支持者からも外交的に内向きだと批判されるオバマ新政権にとって、中国への対応は新戦略の本当の狙いを見極める試金石になるとの見方を示した。
 米政府のとるべき対応については、「米国は(尖閣諸島南シナ海での)中国の挑発行為を見過ごしてきたが、今回ばかりは短期的な米中関係の悪化を覚悟して厳しく対応し、長期的な地域の安定を目指すべきだ」と語った。
 ◆鯉口切った中国軍
  尖閣問題の本質は、領土問題ではなく、日本に華夷(かい)秩序への従属を迫る中国の覇権主義にある。
 人権弾圧と政権腐敗に対する人民の批判をかわすための反日
 旧日本軍と戦わなかった抗日戦のウソから共産党統治の不当性を隠蔽(いんぺい)するための反日
 これが情報過疎の無知な人民をあおり、覇権確立と国内矛盾の封殺という一石二鳥を狙う反日の実態だ。
 21世紀に蘇(よみがえ)った清朝時代のアヘンのごとく、自家中毒を起こして責任ある大国としての正常な判断を狂わせている。
 尖閣諸島への領有権主張という不条理な言動も、覇権主義の舞台回しにすぎない。  1992年に領海法で尖閣諸島を領土化し、2010年に国防動員法を制定、日本との間合いを詰めてきた。
 そして、射撃管制用のレーダー照射という鯉口(こいぐち)を切った。
 民度の高い日本への蛮行を世界の首都から目の当たりにすると、爬虫(はちゅう)類が哺乳類を補食しようとする映像を見せられた嫌な気分になる。
 中国は最初に手を出しながら日本が先にやったと喧伝(けんでん)するだろう。
 対日弱腰外交と批判され、一族郎党が打ち首獄門になりかねない一党独裁国家の恐怖を考えたら、どんな捏造も朝飯前だからだ。
 棍棒(こんぼう)を振り回すだけではなく法律戦も仕掛けてきている。
 日本の尖閣国有化は「世界の反ファシズム戦争の成果を否定し、戦後国際秩序と国連憲章への挑戦」だそうだ。
 ならば言おう。  言論の自由や人権を弾圧する中国共産党の存在自体が、人権尊重をうたった国連憲章第1章第1項違反である。
 「米国は日中衝突に巻き込まれたくないが、必要となれば同盟国としての役割を果たす」。
 オースリン氏の見立てだ。 米政府のホンネにかなり近いと思う。
 日米両首脳は会談で明確なメッセージを出す。
 だからというわけではないが、わが国は慌てて鯉口を切る必要はない。
 中国の思う壺(つぼ)だ。
 柄(つか)に手をかけつつ、「無刀取り」さながらの積極外交で、国際社会を味方につけることが肝要だ。(ささき るい)