・中国の報道抑圧に毅然と立ち向かえ!
・ロイター通信のムーニー記者は最近になって、一度、米国に戻り、改めて中国駐在のためにビザを申請したところ、発給を拒否された。
・中国側はその理由として、ムーニー記者がチベットや新彊での少数民族の弾圧や民主活動家の抑圧について報じた過去の一連の記事が中国当局にとって好ましくないという点を指摘した。
・米国人記者問題は中国政府対米側メディアという次元を超えて、いまや中国政府対米国政府・議会の対決へとエスカレートしてきた。
・中国の報道抑圧に毅然と立ち向かえ!
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アメリカが中国に反撃
古森義久 2013.12.13
中国政府によるアメリカ・メディア特派員への査証拒否問題が火の手を広げ始めました。アメリカ側の政府や議会が正面から反撃に出たのです。
■もう見捨てておけない中国の報道抑圧、米国が政府レベルで対決へ
ブルームバーグに至ってはニュース端末機の中国側の利用が激減したわけで、いずれもビジネス面で大きな損失になるという。
ニュース関連のビジネス市場としての中国は巨大であり、成長を続けているため、米国の大手メディアがそこに参入できないことによる打撃は大きい。
米国メディアのこうした悩みは、中国報道の内容を中国政府の意向に沿う方向へと変えれば、ひとまずは解消できることになる。 中国政府の狙いもまさにそこにあり、中国駐在米国人記者たちへのビザの更新や新たな発給を人質にとって、脅しをかけているのである。
■いまや「中国政府対米国政府・議会」の対決へ
それに対し米国では、バイデン副大統領が「反発が起きる」と警告したように、議会を舞台にして中国政府に抗議する動きが具体化してきた。
「中国に関する議会・政府委員会」が、12月11日にまさに中国の報道抑圧をテーマに公聴会を開くことになったのだ。
中国に関する議会・政府委員会は、議会と政府が一体となって中国の人権弾圧などを非難する公的機関である。
民主党のシェロッド・ブラウン上院議員を議長に、共和党のクリス・スミス下院議員を共同議長とするこの委員会は、「中国の外国人ジャーナリストの処遇」と題する超党派の公聴会を開くことを決定した。
証人に招かれるのは、ロイター通信の米国人記者で中国報道のベテランのポール・ムーニー記者である。 ムーニー記者は最近になって、一度、米国に戻り、改めて中国駐在のためにビザを申請したところ、発給を拒否されてしまった。 中国側はその理由として、同記者がチベットや新彊での少数民族の弾圧や民主 活動家の抑圧について報じた過去の一連の記事が中国当局にとって好ましくないという点を指摘していた。
この公聴会開催は、明らかに米国の議会と政府が、中国による米国人記者の処遇に正面から抗議する姿勢の表れだと言える。
米国人記者問題は中国政府対米側メディアという次元を超えて、いまや中国政府対米国政府・議会の対決へとエスカレートしてきたわけだ。
さて、この対決がどんな結果となるのか、今月末までにはその一端は判明しそうである。
その結果は日本メディアの中国報道にも大きな影響を及ぼすことともなるだろう。(終わり)