・現上海市党委書記の韓正氏から汚職捜査に不安を抱く幹部らへのアドバイスとは「査察団を歓迎せよ!」だ。

上海市は、中国国内の外資系企業の約5分の1が拠点を置き、工業、海運、金融の各分野で大きな影響力を保持している。
・2000万人余りの人口を抱える上海市は以前から、故トウ小平氏や江沢民・元国家主席らが権力基盤を構築してきた。
・中国の最高指導部は6月、退役した元軍幹部の徐才厚氏を収賄の疑いで除籍処分にした。今週は周永康・前中国共産党中央政治局常務委員の捜査を発表。
・現上海市党委書記の韓正氏から汚職捜査に不安を抱く幹部らへのアドバイスとは「査察団を歓迎せよ!」だ。









〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国の汚職摘発、次は上海に照準か     
古澤襄  2014.08.02
 中国当局はこの数カ月、汚職摘発を目指し「虎とハエ」を追い回してきたが、ここにきて向きを変え、大きな経済力を持つ「竜」――上海に照準を合わせている。
中国共産党中央規律検査委員会は7月31日付の声明で、査察団が汚職捜査のために上海に到着したことを明らかにした。査察は9月末まで続けられる。
「竜の頭」として知られる上海市は、中国国内の外資系企業の約5分の1が拠点を置き、工業、海運、金融の各分野で大きな影響力を保持している。 2000万人余りの人口を抱える同市は以前から、故トウ小平氏や江沢民・元国家主席らが権力基盤を構築してきた。
  中央規律検査委員会は具体的な標的名を挙げるのは避けながらも、査察団は党の規律を正し、政府の腐敗を一掃すると表明した。 委員会によると、上海市のほかに黒竜江省や、東北部の国内自動車メーカーも査察対象となっている。 上海市に焦点が当てられている理由は明らかにされていないが、すでに同様の査察団が複数の都市にも派遣されている。
 反腐敗運動は、この数十年で最も大きな「虎」の何人かを仕留めた。 中国の最高指導部は6月、退役した元軍幹部の徐才厚氏を収賄の疑いで除籍処分にした。今週は周永康・前中国共産党中央政治局常務委員の捜査を発表。そんpほか、「ハエ」と呼ばれる役職の低い幹部たちも同様に失脚している。上海市では乳製品メーカーの幹部や複数の裁判官などが追い落とされた。
  過去にも、上海全域で行われた汚職取り締まりは国内の政治機構に広がっていった。
 中国の前政権下で、胡錦濤・前国家主席は2006年に査察団を上海市の有名ホテルに派遣。 査察団は数カ月間にわたり広範囲の汚職捜査を行い、現地の指導部をほぼ崩壊させた。
 汚職容疑で解任された陳良宇氏に代わって上海市党委書記に就任したのは、現在の習近平国家主席だった。
  現上海市党委書記の韓正氏から汚職捜査に不安を抱く幹部らへのアドバイスがある。  韓氏は浮き沈みの激しい中国の政界で生き残る方法を多少は知っている。  同氏は江政権、胡政権、習政権で昇進を続け、党中央政治局委員にまで上り詰めた。
 そのアドバイスとは「査察団を歓迎せよ」だ。

 中央規律検査委員会のウェブサイトに掲載された長い声明によると、韓氏は「われわれは積極的かつ真摯(しんし)に監視・査察を受け入れなければならない。 査察団が指摘したいかなる問題にも対処し、是正しなければならない」と述べた。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)