。「教師は労働者」や「校長・教頭の管理責任強化」では、”心”の教育の復活は望めない。

・本当の教育者でなく、校長試験に合格した教師を校長にするいまの、日本の文教政策を根本から変えない限り、いじめによる自殺もこんどの痛ましいことも、絶対になくならない。
・新聞界や教育界の枠を超えた人間学を身につけるには、死ぬまで自分で枠外の勉強に努力するしかない。
・「教師は労働者」という日教組だけが悪いわけでない。日教組退治のために校長や教頭の管理責任を強化し、タカ派の教育長を据えて教育界を刷新しようという管理強化では、いまの荒廃した青少年の心は救えないであろう。
・旧制師範学校高等師範学校で学んだ教師たちは”心”の教育を私たちに植え付けてくれた。「教師は労働者」や「校長・教頭の管理責任強化」では、”心”の教育の復活は望めない。






〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
新聞記者が何でも知っていると思うのは”思い上がり”    
古沢襄   2015.02.28
 「会社は社長、学校は校長ですべては決まる。本当の教育者でなく、校長試験に合格した教師を校長にするいまの、日本の文教政策を根本から変えない限り、いじめによる自殺もこんどの痛ましいことも、絶対になくならない。
  旧制師範学校高等師範学校の復活ができない日本の政治家がなさけない・・」。
  東京・牛込北町の愛日小学校(戦時中は国民学校といった)で六年間机を並べて勉強した大橋圭介さんの投稿である。
  大橋さんの家とは近所だったので下校後も一緒に遊んだ仲間。中学は別だったので交友が一時途絶えたのだが、その大橋さんが共同に役員室に訪ねてきてくれて名刺を交換したら大橋さんは大手教育出版社の役員・営業本部長。
  交友が復活して、それ以来、大橋さんから教えられることが多い。新聞記者は何でも知っていると思うのは”思い上がり”。
 極端なことを言えば家と会社を往復する”伝書鳩”の様なもので知っている世間は意外と狭い。
  政治ジャーナリストといって、政界にどっぷり漬かって与野党の派閥のことは詳しくなっても、それが何ほどのことがあろう。結局はアウトサイダーに過ぎない。
  教育ジャーナリストだった大橋さんも同じような思いをしてきた。狭い教育界に詳しいというのは一種の”思い上がり”と思うから、教育界の枠を超えた経験や発想に力を注いでいた。
 といっても新聞・通信社の役員や大手教育出版社の役員がもの知りなわけではない。 管理職に過ぎないからである。
 新聞界や教育界の枠を超えた人間学を身につけるには、死ぬまで自分で枠外の勉強に努力するしかない。
  私の友人には”雑学”好きが多い。毎日新聞岩見隆夫さん(故人)や元中核派の活動家で刑務所に入った経験がある平井修一さん(ペンネーム)らは、枠を超えた”雑学”好きだから何となく波長が合う。
  大橋さんが喝破した「いまの日本の教育界には本当の教育者がいなくなった」というのは正鵠を射ている。
 「教師は労働者」という日教組だけが悪いわけでない。日教組退治のために校長や教頭の管理責任を強化し、タカ派の教育長を据えて教育界を刷新しようという管理強化では、いまの荒廃した青少年の心は救えないであろう。
  戦前の教育は多くの点で”誤まれる押しつけ主義”が横行したが、それでも旧制師範学校高等師範学校で学んだ教師たちは”心”の教育を私たちに植え付けてくれた。「教師は労働者」や「校長・教頭の管理責任強化」では、”心”の教育の復活は望めない。
 きょうは十二時半に目が覚めた。どこか遠いところで犬の吠える声がする。私の病室に仏壇があるが、死んだ愛犬チロと初代バロンの遺骨も置いてある。
 チロとバロンがあの世から私を呼んだのかと少しゾッとして起きた。いつもは介護ベッドの下で寝ている二代目バロンの姿がない。廊下をへだてた風呂場のあたりから、バロンの吠える声がする。
  暖かくなるとバロンはタイル張り風呂場が涼しいので、そこで寝る癖がある。風呂場のドアが自然に閉まってしまったので、恐慌をきたして吠えて私の助けを求めていた。
 バロンはわが家に来てくれる訪問看護師さんやヘルパーさんの人気者。 雄犬バロンは色好み、若い訪問看護師さんやヘルパーさんが来ると「ワン、ワン」と吠えながら、全身で歓迎して走り回る。
  訪問看護師さんは週に二回、ヘルパーさんは週に三回来てくれる。月に一、二度は長女と次女が交代で来てくれる。一昨日はケア・マネージャーのMさん、昨日は訪問看護師のYさん、今日は次女が来てくれる。毎日、来客があるのは楽しい。
  Yさんが「バロンはバナナが好きなのですね」と笑いながら言った。杜父魚ブログはYさんが所属している「介護サービス」の事務所で読まれているそうだ。 私も調子に乗って自著「怨念を超えたシベリアの旅」をほぼ全員に差し上げた。
  本を読んで貰うというよりは、「怨念を超えたシベリアの旅」に愛犬チロとバロンの可愛いカラー写真が七枚、3ページにわたって掲載してあるので、それを見てもらおうと思った。
 それが、いつの間にか杜父魚ブログの読者増になっている。
  杜父魚ブログは48都道府県で読まれ、一日の読者は二万三〇〇〇とメガ・ブログになったが、茨城県は福岡県の一日読者2339人(⑨. Fukuoka Prefecture)に次いで1679人(⑩. Ibaraki Prefecture)。
  東京都の1万6378人(①. Tokyo)には及ばないが、母の里・長野県や父の故郷・岩手県の読者を超えた。
  硬派の論評が主体の杜父魚ブログなのに、この読者増は決して”一億総白痴化”ではないことを数字が示している。とはいうものの白井修一さんの警鐘「①「耐えられないほどカルーイ人々」が27日のアクセス・トップになっている。
  国会の野党質問をみていると「耐えられないほどカルーイ議員たち」の思いが募るが、NHKの国会中継が始まるとテレビは切ることにしている。
 やはり、いまの関心は川崎の中1生徒殺害事件・・つまりは大橋さんが指摘した日本の文教政策を根本から変える改革であろう。
 これをしない限り、いじめによる自殺もこんどの痛ましいことも、絶対になくならないという指摘は正しい。


①「耐えられないほどカルーイ人々」    古沢襄
②大きなマスク、ポケットに手を入れ    古沢襄
③中1生徒殺害事件 18歳高校生を逮捕     古沢襄
④黒覆面男「ジハーディ・ジョン」はエムワジ  古沢襄
⑤米国でレノボとアリババを標的に「集団訴訟」が六件 宮崎正広
プーチン氏が描く「支配地図」    古沢襄
⑦中1生徒殺害関与か 少年2人事情聴取    古沢襄
⑧中国、南沙諸島で大規模な埋め立て    古沢襄
⑨事件関与容疑の少年数人を特定、一斉に事情聴取へ 古沢襄
⑩教育改革や農協改革で見え始めた日本再生への道 桜井よしこ