世界で中国の印象が最悪なのは、120万人ものチベット人虐殺を「解放」といって正当化しているからだ!

四川省の西半分、雲南省の北西部、甘粛省の殆どが、昔は吐蕃だった。
チベット仏教はいまの中国のチベット国内のみならず、旧吐蕃(とばん)全域と内蒙古南モンゴル)に凄まじい影響力をもっている。
・パンダは四川省。つまり中国のものではなく、チベットの動物である。
・ 120万人ものチベット人虐殺を「解放」といって正当化しようとしても、その嘘は明らかであり、世界で中国の印象が最悪なのは、こうした傲岸な態度への反撥が主因である。









〜〜〜関連情報(参考)〜〜〜
書評『チベット焼身抗議』   
宮崎正広  2015.10.05
■今日もまた「愛する人々が燃えていく」 中国の圧政に抗議し、太陽を取りもどすために
<中原一博チベット焼身抗議』(集広舎)>
 チベット仏教はいまの中国のチベット国内のみならず、旧吐蕃(とばん)全域と内蒙古南モンゴル)に凄まじい影響力をもっている。
具体的にいえば青海省は丸ごと、チベット仏教の土地、四川省の西半分、雲南省の北西部、甘粛省の殆どが、昔は吐蕃だった。
 これらの地域がチベットの古里である。中国の侵略によってながらく奪われた土地である。(ちなみにパンダは四川省。つまり中国のものではなく、チベットの動物である)
  昨今、二百人ちかい焼身自殺がでているのは、これらの地区なのである。
  地区別の統計をみると、ラサでの焼身抗議はふたり、チベット自治区全体で八名なのに対して青海省四川省はそれぞれが数十名単位である。これは衝撃的である。
2009年3月から焼身抗議が始まったが、15年8月1日現在までに147名が焼身抗議を行い、そのうち123名が死亡した。
 かれらは「特別の苦しみの解放から個別の権利をもとめる動機ではなく、政治的抗議としてチベット民族全体の解放を求める民族運動である」と筆者は力調している。
凄まじくも荒々しい政治運動なのである。
 たとえば17歳で焼身抗議した尼僧サンゲ・ドルマさんの『太陽を取りもどすために』という辞世の句がある。
 「チベット人たちよ 見上げよ
  黄昏の蒼い空を 見上げよ
  白い雪山の天上の天幕のような
  私のラマがお戻りになられた」

しかし日本のメディアは、少数をのぞいて、チベットへの理解がまるでなく、報道もゴミ記事扱いであり、全貌がまるっきり知られていない。
本書はダライラマ法王に惹かれてチベット亡命政府のあるインド北部のダラムサラに30年を暮らす日本人の建築家が、膨大な資料と情報を集めて編んだ画期的な労作である。おそらく日本では始めての試みである。
精神的支柱として世界を行脚されるダライラマ法王に対して、北京にある独裁政権は無慈悲な政策と、国内チベット仏教徒に過酷な弾圧を行い続け、世界の顰蹙を買っているが、「これは国内問題。内政干渉をするな」と嘯き続ける。
120万人ものチベット人虐殺を「解放」といって正当化しようとしても、その嘘は明らかであり、世界で中国の印象が最悪なのは、こうした傲岸な態度への反撥が主因である。
筆者の中原氏はいう。
焼身抗議の連続は)「中国共産党チベット統治政策がことごとく失敗したという証し」なのであり、「焼身抗議を行う人々が最後に叫ぶ言葉は『チベットに自由を!』、『ダライラマ法王のチベット帰還を!』というものである」
 それらの情報は地道に蒐集され、ダラムサラに秘密のルートで運ばれてきた夥しいメッセージや遺書によっても明らかになり、著者はブログなどで世界に発信し続けた。
本書はそうした貴重な記録である。