・安倍首相は日本経済を殺さないため、消費税増税の凍結を宣言すべきだ!

・消費総合指数を見れば、リーマン・ショック東日本大震災、そして8%消費税率引き上げのそれぞれの後の状況を比較すると、消費に最も激しく打撃を与えたのは消費税増税であることが一目瞭然だ。
・リーマン時の場合9カ月後には消費水準がリーマン前に回復した。東日本大震災時では5カ月後に震災前の水準に回復した。
・14年4月の消費税増税の後2年たったが、消費水準は落ち込んだままだ。今年1月は若干回復したが、12年8月並みの水準である。しかも、消費税増税直後の落ち込み度合いはきわめて激しい。
・1997年4月の消費税率5%への引き上げ後と比べると、やはり今回のほうの後遺症がはるかに重い。  97年増税では翌年秋には消費総合指数が上向いている。
・来年4月に予定通り増税すべきだと主張する財務官僚や与党関係者、あるいはメディアはまるで、日本経済に自殺を迫っているようなものである。
・「先の消費税増税リーマン・ショックまたは東日本大震災級の衝撃をもたらしている。再増税でその誤りを繰り返すわけにいかない」
・安倍首相は日本経済を殺さないため、消費税増税の凍結を宣言すべきだ!






〜〜〜関連情報(参考)〜〜〜
2016.4.16 21:50更新   【お金は知っている】
消費税増税による悪影響はリーマン、震災をはるかに上回っている
消費総合指数の推移

 来年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて。安倍晋三首相は「リーマン・ショックまたは東日本大震災級の災厄でも起きない限り、予定通り引き上げる」と再三再四にわたって明言している。(夕刊フジ
 すると、財務省や与党の増税派は、今の経済動向からみて、首相が基準とするほどの衝撃を日本経済は受けていないと断じ、安倍首相周辺もその見方にほぼ同意せざるをえなくなっている。
 増税中止を求める首相周辺では「首相の発言はこのまま増税すれば、今後リーマン級の不況を招き入れるという意味だ」という新解釈で乗り切ろうと苦心する有り様だ。
 実際にはどうか。リーマン後、あるいは東日本大震災後に比べて、2014年4月以降の経済の落ち込みは軽いのだろうか。その度合いを図る経済データはいくつかあるだろうが、最もふさわしいのは国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費の動向だ。
そこで内閣府が毎月発表している消費総合指数を取り上げてみた。消費を測る政府の調査は、需要側の家計調査をもとにしたGDP統計の民間最終消費支出がある。また供給側ではデパートやスーパーの販売統計がある。需要と供給の両サイドを総合化した、最も現実に合った指数が消費総合指数だと、内閣府エコノミストは自負している。
 グラフを見よう。リーマン・ショック東日本大震災、そして8%消費税率引き上げのそれぞれの後の状況を比較すると、消費に最も激しく打撃を与えたのは消費税増税であることが一目瞭然だ。リーマン時の場合9カ月後には消費水準がリーマン前に回復した。東日本大震災時では5カ月後に震災前の水準に回復した。
 これに対し、14年4月の消費税増税の後2年たったが、消費水準は落ち込んだままだ。今年1月は若干回復したが、12年8月並みの水準である。しかも、消費税増税直後の落ち込み度合いはきわめて激しい。
 さらに、1997年4月の消費税率5%への引き上げ後と比べると、やはり今回のほうの後遺症がはるかに重い。97年増税では翌年秋には消費総合指数が上向いている。

 消費税増税ショックはリーマン・ショック東日本大震災をはるかにしのぐとみなすべきなのだ。 このまま、来年4月に予定通り増税すべきだと主張する財務官僚や与党関係者、あるいはメディアはまるで、日本経済に自殺を迫っているようなものである。
 不思議なのはリーマン・ショック級ではない、という政府の見方である。
 消費総合指数は月例経済報告に含まれ、首相以下閣僚は全員が目を通しているはずである。
 内閣府は首相らに、ことの深刻さを報告しないのだろうか。
 安倍首相はきっぱりと、「先の消費税増税リーマン・ショックまたは東日本大震災級の衝撃をもたらしている。再増税でその誤りを繰り返すわけにいかない」と早々と、消費税増税の凍結を宣言すべきだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)