・「日本のサラ金が成功したのは、日本人が借りたお金を返すという文化を持っていたからだ」

・日本人は誠実で真面目である。知らないのに知ったかぶりをして教える文化と、知らないことは知らないという文化とどちらが良いだろうか?
・「日本のサラ金が成功したのは、日本人が借りたお金を返すという文化を持っていたからだ」










〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
「日本の文化」を大切に その1 大衆の文化
武田邦彦  2014年02月22日 19:25

 普通は右寄りの人が「日本の文化」が好きで、左寄りの人はとかく理屈が先だってヨーロッパ文化を大切にしがちである。もっと簡単に言うと右寄りの人は「情・体」で、左寄りの人は「知」。
つまり、「知・情・体」と言われる人間の構成要素のどこに重きを置くかによって右になったり左になったりする。
 ところが戦争が終わった後の状態を見ると、左の人は相変わらずアメリカ・ヨーロッパだが、右寄りの人は戦争に負けて日本文化に自信を失いアメリカにすり寄った。その結果、戦後の日本はアメリカ一辺倒になってしまった。
 それでは、日本の文化とアメリカの文化を比較すると、どちらが良いのだろうか?
 簡単に比較してみて、また一つ一つは機会があったらより細かく整理をしていきたいと思う。

その1 道を聞いた場合
 アメリカで道を聞くと、「知らなくても教えてくれる」。私は最初、このことを知らなかったので、何回かひどい目にあった。道に迷って通りすがりの人に聞くと、自信たっぷりに、「少し行ったら右に曲がって・・・」と親切に教えてくれる。
それを鵜呑みにしてそのまま行くと全く違う。アメリカでは道を聞いても「知りません。すみません」と言わないことが多い。最近、インドネシアでダイバーを船に収容しないで勝手に帰ってしまった人がいたが、外国では普通のことのように思う。
 日本で道を聞いて、知らない人がでたらめを教えてくれたことを経験したことがない。日本人は誠実で真面目である。知らないのに知ったかぶりをして教える文化と、知らないことは知らないという文化とどちらが良いだろうか?

その2 お金を返す
 日本の江戸文化を示す典型的なものに「借りたお金を返す」というのがある。日本では当たり前のことで、返さないほうがおかしい。
 このことである時に私の知り合いの社長が次のようにいった。
「財産としては土地が一番いい。土地と言うのは価値もあまり変わらないし、第一、お金を借りても返さなくてもいいから」と言った。そのあとすぐ、「でも、武田先生はやめておいたほうが良いですよ。お金は返すものだから」とニヤッと笑った。
 江戸時代にはお金の借用証には「もし、返さなければお笑いになって結構です」と。つまり「恥」を重んじた日本文化では、「あいつはお金を返さない。愚かな奴だ、アッハッハッ」と笑われるのは死よりも辛いことだったから、キチンとした借用証は不要だった。
 ある大手の商社の重役は私に「相手の国は信用できないが、そこの事務所に日本人が一人でもいれば資金回収は大丈夫だ。日本人だけは世界で違う」と言った。
 ある銀行のトップは私に「日本のサラ金が成功したのは、日本人が借りたお金を返すという文化を持っていたからだ」と言った。

 素晴らしい日本文化ではないか! それを今では首相から始まって大臣も、代議士も、高級官僚も、東大教授も、NHK経営委員も、すべて日本文化を捨て去ったようだ。
 そんなにアメリカやドイツが好きなら、日本から出ていったほうが良いのではないか。(平成26年2月21日)