トロイカとか何とかは全くの虚構だった!

・三条 健です。
小選挙区制で政党補助金が交付されるいまの政治制度では、あくまで単位は「政党」であり、だからこそ政党への投票も行われるのだが、民主党代表選で論じている2人の主張を聞けば、ほとんど別の政党の政治綱領のように異なっているということだ。 日本の混迷を深くしてきた民主党の分裂は決定的だろう。
小選挙区制で「政党」単位の制度にしたが、同じ民主党でも全く違う政党が一緒になっていることが明確となった。 トロイカとか何とかは全くの虚構だった!


〜〜〜メディア報道の一部<参考>〜〜〜

【今日の突破口】ジャーナリスト・東谷暁 「小さな政府」からの脱却
2010.9.8 03:37
 今回の小沢一郎氏の行動は、あまりに予想通りなので、何もいう気がしなくなるほどだ。キャスチングボートを握るのに十分な数を確保したらゴネはじめて、要求が受け入れられない場合には、組織そのものを破壊するぞと脅す。まさに「壊し屋」の異名そのものだろう。

 しかし、これで日本の混迷を深くしてきた民主党の分裂は決定的となった。代表選に立候補した2人は選挙後には協力していくなどといっているが、そんなことを信じている人はいない。そもそも、小沢氏の性格がそれを許さないだろう。しかも、代表選で論じている2人の主張を聞けば、
ほとんど別の政党の政治綱領のように異なっているのである。

 分裂のあとは政界再編だとの声も高まっていて、なかには
小沢氏と自民党が多数派を形成するなどという予想を立てる論者もいる。しかし、これはまったくばかげた話だ。いまの小沢氏と自民党にはすでに共通点がなくなってしまっている。また、自民党の長期政権時代のクセなのか、多数派を形成しさえすれば、政権が成立すると思っている論者もいるようだが、そうはいかない。

 小選挙区制で政党補助金が交付されるいまの政治制度では、あくまで単位は政党であり、だからこそ政党への投票も行われるのだ。政治家本位の中選挙区制に戻すならともかく、政界再編のためには、改めて衆議院選を経る必要があるだろう。

 たしかに、小泉政権から麻生政権までの自民党も、選挙の洗礼を受けないで政権を継承した。しかし、この場合、自民党内でかろうじて外交と経済政策では一致していた。これに対して、鳩山由紀夫菅直人、小沢の各氏では、外交も違えば経済・社会政策においても大きな違いがある。たとえ「協力」が実現しても選挙による洗礼が必要かもしれない。

 そこで、自民党の動きに注目が集まるわけだが、テレビタレントもどきの政治家たちがちらちらしているだけで、民主党の混乱を奇貨とし一気に退勢を挽回(ばんかい)しようとの気概はまったく感じられない。私は、いまも自民党固執している「小さな政府」から脱却するだけで、かなり大きな展望が開けると考えている。

 最近、小泉政権で「小さな政府」を主張して、構造改革を推進した元大臣が、ある雑誌で小さな政府論はナンセンスと論じているのを読んで唖然(あぜん)とした。小さな政府では、財政累積赤字が解消できないというわけだ。しかし、彼の在任中も公務員比率や政府支出は先進国中できわめて低く、財政累積赤字はすでに対国内総生産比で170%を超えていた。

 この元大臣には背任の疑いすらあるが、それはともかくとして、いまや日本はもとより、アメリカも「二番底」を迎えようとしている状況なのだ。サッチャー改革やレーガン改革への幻想から生じた、ナンセンスな「小さな政府」に固執していること自体が、いまの自民党の閉塞(へいそく)状況をよく示しているといえる。

 いいかげんに、教条的な幻想からは脱却して、目の前の問題に取り組める柔軟な自民党を取り戻すべきだろう。それとも、政権に復帰することだけを最優先して、小沢氏と連携を試みようとするのだろうか。しかし、そんなことをすれば、まさに「壊し屋」の餌食になるだけだ。(ひがしたに さとし)