・委細構うことのない強欲さが今の中国共産党のすべてだ!

・米政府が中国政府の身勝手さに対して、煮えくり返る怒りを抑えてきた問題は:
南シナ海、②尖閣、③人民元安、④レアアース(希土類)、⑤イランへの対応、さらには ⑥2005年 ワシントンは、北京が北朝鮮金正日政権に硬軟両様の圧力をかけ、その核爆弾製造を阻止する努力をするものと信じていた。その期待は裏切られた。北京は、金正日政権が各国から経済制裁を受ければ、救いの手を差し伸べて、事実上の属国にしてしまい、子分の無法な所業をかばうありさまである。
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にみられるとおり、委細構うことのない強欲さが今の中国のすべてだ。
ワシントンは、そこここで笑いものにされたり恥をかかされたりしながらも、怒りを抑えてきた。
・委細構うことのない強欲さが今の中国共産党のすべてだ!
トーマス・フリードマン氏は「民主主義と、地政学、地理学、経済が米国とインドを結び付け、さらに強く結合させることになる」と言った。


〜〜〜メディア報道の一部<参考>〜〜〜

【正論】中国現代史研究家・鳥居民 
対中の輪に台湾が入らんことを
2010.11.18 03:07

◆米国は軽い中国封じ込め?
 11月の6日から9日まで、オバマ米大統領はインドを訪問した。「軽い封じ込め」と題したトーマス・フリードマン氏のコラムが、米紙ニューヨーク・タイムズの国際紙、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに載ったのは、そのすぐ後である。フリードマン氏は米国を代表する言論人であり、その著作は日本でも多くの読者を持っている。
 彼は言った。民主主義と、地政学、地理学、経済が米国とインドを結び付け、さらに強く結合させることになる。そして、次のように締めくくった。
 「中国が如才なくやっていこうとしないのであれば、オバマの今回のインド行きはやがてニクソンの訪中の新版となり得る。私の敵の敵は私の新しい親友だ、というわけである」

 中国は如才なくやっていこうとしていない。南シナ海尖閣人民元安、レアアース(希土類)、さらには、イランへの対応にみられるとおり、委細構うことのない強欲さが今の中国のすべてだ。米政府が中国政府の身勝手さに対して、煮えくり返る怒りを抑えてきた問題がまた、別にある。

 話は2005年に遡(さかのぼ)る。ワシントンは、北京が北朝鮮金正日政権に硬軟両様の圧力をかけ、その核爆弾製造を阻止する努力をするものと信じていた。その期待は裏切られた。北京は、金正日政権が各国から経済制裁を受ければ、救いの手を差し伸べて、事実上の属国にしてしまい、子分の無法な所業をかばうありさまである。

◆馬政権は中国の思惑通り:
 ワシントンは、北京がよもやこんな振る舞いをするとは思っておらず、金政権を必ずや抑えてくれると信じていた。そこで、北京から言われるまま、台湾の主体性を追求する民主進歩党民進党)の陳水扁総統をいじめ、野党の中国国民党馬英九氏に肩入れした。そして、08年3月の選挙で台湾の総統は馬氏になる。中国の詭計(きけい)通りに事は運んだのである。

 それから2年。当然、北京は馬政権を支援し、馬氏は北京の機嫌を取り結ぼうとして、おどおどした言動が目立つばかりだ。
 かくしてワシントンは、そこここで笑いものにされたり恥をかかされたりしながらも、怒りを抑えてきた。北京は北朝鮮では完勝した。台湾ではさて、どうか。

 総統選で民進党が敗北した同じ年の08年5月、党の主席に蔡英文氏が選ばれた。女性である。台北市の生まれ、父親は台湾南部の出身。蔡氏は学者で、国際政治、国際経済が専門だ。経済部の顧問になり、多くの人々にその才幹を買われた。1988年に李登輝総統の指示で、(台湾と中国の)『両国論』を起草した。32歳の時である。温和な彼女をして今日あらしめる出発点となった。
 その蔡氏が野党党首になって、台湾政治の天気図は大きく変わった。立法委員(国会議員)の補欠選挙、地方首長選挙で、野党候補が勝利を収め、世論調査では、蔡英文主席の支持率が馬英九総統のそれを上回ることにもなった。
 なぜなのか。国民党の議員ですら持つ深い疑惑がある。
 馬政権の中枢にいる人々の中に「台湾を売り飛ばそう」と、その時機と手法を探っている人がいるのではないかという大きな懸念である。
 もうひとつは、台湾経済の停滞だ。「アジアの4頭の小さな竜」の先頭を切っていた台湾が、今は最後尾を走り息を切らしている。今年6月に馬政権は中国と経済協力枠組み協定を結んだ。中国側の狙いは台湾併合を目指しての第一歩であり、馬氏の狙いは、台湾経済の活性化であろう。

◆5市長選が政権奪還の前哨戦:
 そういくか。IT(情報技術)産業と中国に進出した一部の企業を除いて、台湾の経済は沈滞している。一握りの大金持ちのために馬政権は相続税贈与税を引き下げ、その穴埋めとして一般庶民の負担となる消費税を引き上げた。失業率は最近、5%にまで下がった、と政府は宣伝にこれ努めているが、8%に高止まりしているのが真実であろう。
 そこで今月27日の台湾5大都市の市長選挙のことになる。台北、新北、台中、高雄、台南の5大都市の人口の総計は1200万、台湾総人口の約6割を占める。元総統の李登輝氏は民進党を応援して、「馬英九を捨てて、台湾を守ろう」と叫ぶ。これらの選挙が2012年の総統選挙の前哨戦となるからであり、李氏は5大都市のすべてで勝てと檄(げき)を飛ばす。
 控えめにみても、民進党が3勝する可能性は十分だ。地盤の台湾南部の高雄市台南市は手堅く抑えられよう。そうなれば、残る1勝が、台北市長選に臨む前行政院長(首相に相当)の蘇貞昌氏、新北市(前の台北県)の市長選に出馬した蔡主席の、市民への最後の語りかけにかかってくる。

 太平洋を囲む国々、それこそフリードマン氏が説くところの「民主主義、地政学、地理学、経済」によって結びつく国々の輪に、台湾が加わることを望むのは、筆者だけではあるまい。(とりい たみ)