・帝国覇権主義中国の「国進民退」現象と共に、よりハードな政策に向くことが予想される。政・経・軍のあらゆる面から安全保障体制の整備を急ぐ必要がある!

・習副主席は10月末北京で開いた朝鮮戦争参戦60周年行事で、老兵を前に「帝国主義侵略者が中国人民に強いた反侵略戦争の勝利」と「中朝両国軍の団結」を謳歌(おうか)、称賛した。
帝国主義「中国」の軍人がわが物顔に対外政策に口出しし、習近平国家副主席の次期政権は「よりハードな内外政策」を展開しそうだ。  日本もよほどの覚悟が必要だ。
習近平は軍部を掌握しているだけに、江沢民前政権の反日民族主義政策をそのまま踏襲し、軍部の強硬策による圧力を受け易い土壌がある。
習副主席後継で、対日政策は逆戻りする可能性の懸念がある。
・帝国覇権主義中国の「国進民退」現象と共に、よりハードな政策に向くことが予想される。政・経・軍のあらゆる面から安全保障体制の整備を急ぐ必要がある!




〜〜〜メディア報道の一部<参考>〜〜〜

【東亜春秋】台北支局長・山本勲 
中国の「逆戻り」を憂う
2010.11.23 03:05
 このところ中国が冷戦時代に逆戻りしたかのような現象が目につく。
 軍人がわが物顔に対外政策に口出しし、次期指導者に内定した習近平国家副主席は朝鮮戦争を「侵略に立ち向かった正義の戦争」と断じてはばからない。 温家宝首相が政治改革の必要性を力説すれば、党機関紙がこれに真っ向から反対する論文を連載する。
 胡錦濤政権の「平和発展」は掛け声倒れに終わり、次期政権はよりハードな内外政策を展開しそうだ。  日本もよほどの覚悟が必要だ。
 習近平国家副主席は先月中旬の共産党第17期中央委員会第5回総会で党中央軍事委副主席に選ばれ、胡錦濤総書記(国家主席)の後継者となることが内定した。
 慣例なら来春の全国人民代表大会全人代)で国家軍事委副主席を兼任するところだが、わずか10日後の全人代常務委員会で選ばれている。まるで軍権継承に向け、満を持していたかのような素早い動きだ。

 習副主席は同月末北京で開いた朝鮮戦争参戦60周年行事で、老兵を前に「帝国主義侵略者が中国人民に強いた反侵略戦争の勝利」と「中朝両国軍の団結」を謳歌(おうか)、称賛した。米国は興ざめしただろうし、これでは中国を介した北朝鮮の核廃棄も望み難かろう。

 故習仲勲副首相を父とする太子党(高級幹部の子弟閥)の習副主席は大学卒業後、北京の中央軍事委本部に勤め、その後の地方党・政府勤務でも各地で軍の分区書記を兼務してきた。太子党が幅をきかす軍部にとり二重の意味で“内輪の人間”だ。
 胡錦濤主席が共産主義青年団共産党の青年組織)出身で軍との関係が浅いため、いまだに軍権掌握に苦労しているのとは対照的だ。

 胡主席江沢民前政権の反日民族主義政策を改めようとしたが、軍部は東シナ海の油田開発や尖閣諸島問題などで強硬策をとるよう圧力をかけ続けてきた。江前主席が推挙した習副主席の後継で、対日政策も逆戻りする懸念がある。

 胡主席を中心とする現政権は2002年の発足以来、内では格差縮小による「和諧(わかい)(調和のとれた)社会構築」、外では「平和発展」の平和協調路線をめざしてきた。しかしこの間の歩みは期待を大きく裏切った。貧富格差のさらなる拡大と社会紛争の激増で和諧社会はさらに遠のいた。
 太子党が牛耳る資源・エネルギー、金融などの国有企業が巨大化する一方、民営企業のシェアが縮小する「国進民退」現象が問題になっている。
 過去30年の経済成長の主力は民営企業と外国企業だったが、これでは改革・開放前への後退だ。
 太子党をはじめとした既得権益層が政府や国有企業に深く根を張り、役人の介入や腐敗の蔓延(まんえん)で市場経済の活力が損なわれている。

 政府は来年からの第12次5カ年計画で民間活力を生かした内需主導の省エネ、技術・知識集約型経済への転換をめざしている。温家宝首相はこうした経済の抜本改革を進めるためにも政治改革の断行を求めてきたが、軍や党内保守派・既得権益層の強力な反対で立ち往生している。
 反対勢力は習近平副主席の勢力基盤と重なるだけに、次期5カ年計画も看板倒れとなる可能性がある。中国が資源多消費、輸出と投資主導の旧来型発展を続けるなら、海洋覇権拡大の動きに一段と拍車がかかる。
 日本は政・経・軍のあらゆる面から安全保障体制の整備を急ぐ必要がある。