北朝鮮崩壊で 東アジア国際政治構造の大変動は近いか?

・やくざ国家の北朝鮮の国力、軍事力、国際関係から見て、万一戦争になれば、北朝鮮は短期間で崩壊するだろう!
東アジア国際政治構造の大変動は近いか?
・非常識な国 北朝鮮だから、それでも挑発を続けてくる可能性はある。万一に備え、ミサイル防衛など有事への対処能力を高めておかねばならない。
大戦争の再勃発よりも北朝鮮の体制が変化し、やがて崩壊に向かう可能性の方が高いだろう!  北朝鮮崩壊で東アジア国際政治構造の大変動となろう!


〜〜〜関連報道<参考>〜〜〜
【世界のかたち、日本のかたち】大阪大教授・坂元一哉
2010.12.11 02:57
 
■北崩壊後の大変動に備えよ

 韓国・延坪(ヨンピョン)島に対する北朝鮮の砲撃(11月23日)で、朝鮮半島の南北関係は新局面を迎えた。李明博・韓国大統領が言うように、民間人への軍事攻撃(民間人に2人の犠牲者が出た)は戦時でも許されない蛮行である。韓国哨戒艦「天安」撃沈事件の衝撃もおさまらぬ中での出来事だけに、李大統領が我慢にも限界があるという趣旨の強い警告を発したのは当然のことだろう。
 この事態の収拾には、ともかくまず北朝鮮の謝罪が必要である。だが北朝鮮は、砲撃は韓国側の演習に対する「断固とした軍事的措置」だったとうそぶき、そんな気配をみじんも感じさせない。
 朝鮮半島情勢は、液状化しつつあるように見える。北朝鮮は核やミサイル開発でも挑発を繰り返し、その一方でかなり無理のある権力世襲を進めている。 しかし国際社会は、北朝鮮に影響力を持つ中国が北朝鮮を甘やかすこともあって、効果的な対応がとれていない。このままでは、再び挑発事件が起こり、こんどは小競り合いではすまなくなるおそれもある。
 そうなれば、わが国への影響も相当のものになるだろう。今年は朝鮮戦争が勃発してから60年の還暦にあたるが、それも何かのめぐりあわせかもしれない。

 朝鮮戦争のわが国への影響についてはしばしば、この戦争がもたらした需要(朝鮮特需)が日本の経済復興にカンフル剤の役目を果たしたことが強調される。だがそれはこの戦争の副産物にすぎない。
 それよりはるかに大事なことは、この戦争によって日本は米国の敵から友に、逆に北朝鮮側に立って参戦した中国は米国の友から敵になり、東アジア国際政治の色分けが一変したことである。その意味でこの戦争は、戦後東アジアのありよう、そしてまた戦後日本のありようを決めた戦争だった。戦後日本は米国との友好関係の中で復興と繁栄を享受したけれど、それを確実にしたのは朝鮮戦争である。
 日米安保条約朝鮮戦争が生んだといってよい。米国はこの戦争を通して極東における日本の戦略的重要性を痛感する。そして日本は、朝鮮半島の安定が日本の安全に密接に関連することを再認識し、この戦争を戦って半島ににらみをきかす米軍への基地提供を続けた。
 いま、朝鮮戦争のような大戦争の危機が目前に迫っているわけではない。北朝鮮の国力、軍事力、国際関係から見て、万一戦争になれば、北朝鮮は短期間で崩壊するだろう。だから北朝鮮大戦争に発展するようなことは避けたいはずである。

 むろん非常識な国だから、それでも挑発を続けてくる可能性はある。万一に備え、日本もミサイル防衛邦人救出など有事への対処能力を高めておかねばならない。

 ただ常識的には、大戦争の再勃発よりも北朝鮮の体制が変化し、やがて崩壊に向かう可能性の方が高いだろう。もしそうなれば、それは朝鮮戦争がそうであったように中国を巻き込み、東アジア国際政治構造の大変動につながるように思われる。日本は米韓とよく連携し、その大変動を乗り切る算段を立てておかねばならない。また朝鮮半島と東アジアの将来像を日本なりに考えておくことも必要である。(さかもと かずや)