格納容器の底が抜けていれば、後の対応は壁を作って地下水の汚染を防ぐだけだ!

・元が猛烈な高濃度である場合、放射能を捕まえるほど装置がダメになり性能が出なくなる。今回はゼロライトとかバーミクライトを使うのだと思うが、すぐに性能が劣化して使えなくなるだろう!
ゼオライトは、あるレベルまでセシウムを捕まえると、そこでいっぱいとなり使用不可となる。どんどん取り替えないといけないが、使用済みゼオライトは被曝するため近づけなくなる! 「取り替え」をどう工夫しているか?
・すでに見えないところで汚染水は地下や海に流れているのは確実だ! コンクリが割れており、地下に出ていき、海にも出ている。タービン建屋、トレンチ、立坑から汲み出さないといけない!
・格納容器内に燃料があるのであれば循環式冷却回路の可能性はある。
 底が抜けていれば冷却回路は成り立たない!
格納容器の底が抜けていれば、後の対応は壁を作って地下水の汚染を防ぐだけだ!
 



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
6月7日 格納容器の底は抜けている
小出裕章 (MBS)

要約
・(汚染水の処理が大問題で、溢れてしまう危機的なラインが迫っている。いま浄化の装置を作っていて15日頃に完成するという。期待していいか?)
期待したいが、東電の対策はこれまで期待通りにはなっていない。
・(浄化の処理がうまくいけば放射能が現在の1000分の1から1万分の1まで薄まるという。でも元の濃度が高い。薄まったものはどれくらい危険か?)
元の濃度が猛烈であり1万分の1になっても放出はできない。福島原発の域内の汚染水の濃度はものすごいものから低いものまである。低いものなら万分の1になれば流していいかもしれないが、問題はものすごい濃度の方だ。
・(何分の1なら流せる?)
10万〜100万分の1なら流してもいいかも。
・(そのくらい薄くできるシステムはあるか?)
ない。元が猛烈な高濃度である場合、放射能を捕まえるほど装置がダメになり性能が出なくなる。今回はゼロライトとかバーミクライトを使うのだと思うが、すぐに性能が劣化して使えなくなるだろう。
・(一度ゼオライトを使うとずっと使えない?)
ゼオライトは、あるレベルまでセシウムを捕まえると、そこでいっぱいとなり使用不可となる。どんどん取り替えないといけない。使用済みゼオライトは被曝するため近づけなくなる。難しい。
・(コンクリのブロックを周囲に築く作業は手付かず。汚染水を留めるためにやるべきと思うが?)
コンクリの壁を作るべきと言ったのは、炉心がメルトダウンして地下に潜っていれば、もう冷却は出来ないため、汚染水を溢れさせるよりは壁を作った方がいいという意味だ。だが、汚染水が溢れている状況では工事は難しい。
・(溢れる前に浄化装置が間に合うかどうかに注目が集まっているが、すでに見えないところで汚染水は地下や海に流れている?)
それは確実。コンクリが割れており、地下に出ていき、海にも出ている。タービン建屋、トレンチ、立坑から汲み出さないといけない。浄化装置が15日に間に合うかという問題ではない。

・(IAEAへの報告文書では、メルトダウンではなくメルトスルー=原子炉貫通していたと言うようだが。どうか?)
もともと東電の公表データを信用して炉心の半分は形が残っていると皆さんに伝えてきたが、炉心は全部溶けていたと5月12日に認めた。そうであるならば原子炉圧力容器が溶けることも高い確率でおこる。圧力容器が溶けるなら燃料がその下に落ちる。それがメルトスルーだ。
・(圧力容器の底にあるとされていた燃料が格納容器の中に堆積している可能性があるとしているが、これでいいか?)
技術的には判断は難しい。格納容器の中にどれだけ水が残っているかということが、底が抜けているかどうかに関係する。2800度でないと溶けないような燃料部分が下に溶け落ちているのだとすれば、水があっても格納容器には穴があくと思う。おそらく格納容器の底に堆積という状態ではないだろう。
・(政府はそうとは認めていないが、この判断次第で対処は変わる。遅れにつながりかねない?)
格納容器内に燃料があるのであれば循環式冷却回路の可能性はある。底が抜けていれば冷却回路は成り立たない。そうなると、後は壁を作って地下水の汚染を防ぐだけ。

・(堆積している燃料の温度は推測できるか?)推測できない。計測器が死んでいて情報が正確に得られず、水がどこまであるのか不明。東電は格納容器の放射線量を根拠にして損傷率70%とか55%と言っていたが、後になり全部が溶けていたといった。信頼できるデータがない状態だ。ただ、原子炉建屋の下に大量の水がたまっているということを考えれば、格納容器の底は抜けていると思う