地震の一撃で福島原発の一次配管系破損から放射能が漏れた! 

・大気中に放出された放射性物質よりも、現在、汚染水10万トンのなかにある放射性物質は72万テラベクレルと、こちらのほうが大量にある。
福島県でも東京でも、放射線量のピークは3月15日から17日である。これは3月15日の早朝に爆発した2号機から大量に飛散した放射性物質の雲(プルームという)が、北西の飯館村を経て中通り福島市から東北本線沿いの谷を経て郡山市にいたり、さらに南下して関東平野に出たと思われる。一方、南下した放射能の雲は海岸沿いに茨城県を経て南西方向に出たのではないか?
・3月21日の2度目のピークは降雨によるものだ!  東京地方はこの日、終日雨が降り、空中の放射性物資が大気の微粒子に付着して降下した。したがって、この日の放射線量が上昇したわけだ。   放射線量は15日より低いが、ヨウ素131、セシウム137が大量に降下したと思われる。   水道水の汚染もこの雨による。
・5月11日、神奈川県南足柄市でお茶の葉から1キログラム当たり500ベクレルを超えるセシウム137が検出され、東京圏の市民を驚かせた。福島原発から300キロメートル離れているからである。その後、神奈川県西部の6市町村からも茶葉から規制値以上のセシウム137が検出された。
・1号機の爆発前から放射性物質は外部に出ているので、津波ではなく、地震によって原子炉のどこかが破損し、地震の一撃で福島原発の一次配管系から放射能が漏れた! 


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 1号機の爆発前から放射性物質は外部に出ているので、津波ではなく、地震によって原子炉のどこかが破損し、放射能が漏れたことになる。その後、津波によって冷却装置が動かなくなり、燃料棒は1、2、3号機とも短時間で全面的に溶融(メルトダウン)したと推定されている。
 つまり、大量の放射性物質が環境に放出される「最悪の事故」はすでに起きていたことになる。チェルノブイリとの違いは、大爆発による大飛散か、小爆発による飛散かの違いだけだ。
 大と小の差が10分の1ということになるが、大気中に放出された放射性物質よりも、現在、汚染水10万トンのなかにある放射性物質は72万テラベクレルと、こちらのほうが大量にある。
 うまく処置しないと本当にチェルノブイリ並みの事故になってしまう。いま、なんとなくニュースが減り、なんとなく原発全体が落ち着いているように思えるが、実態はどんどん悪化している。   現場で作業している方々には感謝の言葉もないが、私たちはよく情報を収集し、生活に役立てるよりほかはない。
 東京の放射線量のグラフをご覧いただきたい。東京都健康安全研究センターが毎日公表しているデータだ。
 このグラフを見ると、3月15日がピークで毎時平均0.5マイクロシーベルト(グラフはマイクログレイだが、ほぼ同じ)、16日、17日と高く、その後減衰して21日に再び上昇し、0.15マイクロシーベルトへ。再び徐々に減衰して現在は0.05マイクロシーベルト付近に留まっている。これは平常時並みの線量だという。ちなみに、福島市郡山市は現在、1マイクロシーベルト台なので、現在は東京地方より二桁高い線量である。
 地震発生から時系列で爆発事故を見てみよう(時刻は原子炉・安全保安院の発表資料による。「推測」は筆者による)。
3月11日 地震発生
3月12日 午前6時00分ごろ 1号機 メルトダウン(推測)
午後3時36分   1号機 水素爆発
3月14日 早朝       3号機 メルトダウン(推測)
午前11時01分   3号機 水素爆発
3月15日 午前 6時10分    2号機 爆発音(圧力抑制室か)
2号機 メルトダウン(推測)
 福島県でも東京でも、放射線量のピークは3月15日から17日である。これは3月15日の早朝に爆発した2号機から大量に飛散した放射性物質の雲(プルームという)が、北西の飯館村を経て中通り福島市から東北本線沿いの谷を経て郡山市にいたり、さらに南下して関東平野に出たと思われる。一方、南下した放射能の雲は海岸沿いに茨城県を経て南西方向に出たのではないか。
 風速にもよるが、だいたい7〜8時間で東京へ到達する。もちろん1、3号機からも出ているはずだが、風向きの関係で2号機からの放射性放出物が関東平野まで達したのだろう。
 3月21日の2度目のピークは降雨によるものだ。東京地方はこの日、終日雨が降り、空中の放射性物資が大気の微粒子に付着して降下した。したがって、この日の放射線量が上昇したわけだ。放射線量は15日より低いが、ヨウ素131、セシウム137が大量に降下したと思われる。水道水の汚染もこの雨による。
 福島県茨城県の農産物から基準値を超える放射性物質が検出され、出荷停止となったのは原乳が3月16日、ホウレンソウなどの野菜が18日採取分からである。その後、北関東と千葉県北部に広がった。
 東京地方の被曝は3月下旬によるもので、現在、大気中の放射線量はほぼ正常にもどっている。しかし、3月下旬の被曝は相当量であり、注意する必要がある。チェルノブイリ原発で放出された放射性物質の総量は広島型原爆の300発分とも言われている(放射線被曝者医療国際協力推進協議会による)が、福島がその1割だとすると、原爆30発分の放射性物質が飛散したことになる。
私たちは放射能とともに暮らさなければならない。可能な限り被害を少なくし、しかし社会生活も送らなければならない。
 葉物野菜は、よく洗えば付着した放射性物質はかなり落ちるので、たとえ流通している野菜でもよく水洗いしたほうがよい。食事は毎日摂るのだから、洗って食べるしかないのである。とにかく自衛しながら注意深く食べよう。
 3月15日の2号機爆発からほぼ2カ月経過した5月11日、神奈川県南足柄市でお茶の葉から1キログラム当たり500ベクレルを超えるセシウム137が検出され、東京圏の市民を驚かせた。福島原発から300キロメートル離れているからである。その後、神奈川県西部の6市町村からも茶葉から規制値以上のセシウム137が検出された。
 5月16日になると茨城県20日には千葉県と検出が続いた。箱根山の手前で放射性降下物が特異的に固まって落ちたと想像していた人が多かったが、そうではなく、ほぼ関東全域で、かなり時間が経過してから検出されたわけである。
 6月2日、厚生労働省医薬品局食品安全部は以下の指示を各県に出した。
○4月4日、食品の出荷制限・摂取制限の品目・区域の設定・解除の考え方が原子力災害対策本部の対応方針として発表されました(4月4日付けプレスリリース「食品中の放射性物質に関する暫定規制値の取扱い等について」)。
○これに基づき、昨日までの検査結果から、本日、原子力災害対策本部は、原子力安全委員会の助言を踏まえ、
(1) 茨城県に対し、茨城県において産出される茶
(2) 神奈川県に対し、神奈川県の一部地域において産出される茶
(3) 千葉県に対し、千葉県の一部地域において産出される茶
(4) 栃木県に対し、栃木県の一部地域において産出される茶
(5) 福島県に対し、福島県の一部地域において産出されるウメ
について、出荷制限を指示しました。
 そして、生の茶葉を乾燥して出荷する荒茶も1キログラム当たり500ベクレルの規制値を準用し、検査することとした。
 ところが、植物は9割が水分なので、荒茶にすると10倍に濃縮されるため、500ベクレルでは5000ベクレル程度に濃度が上がることになる。今後、出荷停止になる荒茶が増え、関東平野を越えて検出されるだろう。通常、お茶を飲む場合はお湯で希釈されて薄くなるため、飲用段階のお茶はそれほど心配することはない。
 乾燥させれば濃縮するのは当然なので、本来は荒茶の規制値を上げるべきであろう。このままの荒茶の基準値では、お茶を飲めなくなるかもしれない。荒茶をそのまま食品に加工する場合は別である。別の規制が必要になる。
 すでに関東地方も異常事態であり、異常事態下の食品安全基準を食品個々の性格を反映させて精密に規定しないと、飲食する物が減少していくことになる。
 お茶の場合、葉に放射性物質が付着したわけではない。3月下旬から2か月近くも経っているので、土壌のセシウム137を根から吸い上げ、葉に収めたものと考えられる。関東全域なので、地理的な条件ではなく、植物としての特性として表れたのかもしれない。
 同様に、根菜類のニンジン、ダイコン、イモ類も土壌から吸い下げることになるので、注意する必要がある。当然、当局も注意を呼び掛けている。洗っても落ちないからである。
 関東の空間線量率は、茨城県以外はおおむね平常値(毎時0.02−0.05マイクロシーベルト)に戻っているようだが(計測方法の違いがあるとはいえ、単位はほぼ変わらない)、千葉県の東葛地域(野田市柏市流山市松戸市我孫子市流山市鎌ヶ谷市)の放射能濃度が他よりも高い、という情報が3週間前くらいからネット上をかけめぐった。