・「250では足りなくなってしまうから500に引き上げるという恐ろしいこと」を菅総理が3月の事故から間もない時期に打診をした!

・3月15日、事故の直後の値を見ますと、3号機のそばで1時間あたり400ミリシーベルトが測定。
・3号機2階で放射線量をロボットが調べたんですが、最大で1時間あたり75ミリシーベルト。1年間に20ミリシーベルトというのが特殊な作業者の数値。
・燃料自身がもうどこにあるのかすでにわかりません?!
・事故が起きたときには、もうあきらめて100ミリシーベルトまでは我慢しろという法律が元々はあった。でもそれすら撤廃して今250ミリシーベルトまで我慢しろというところまで引き上げている。
・「250では足りなくなってしまうから500に引き上げるという恐ろしいこと」を菅総理が3月の事故から間もない時期に打診をした!


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水野「まず小出さんに一言ご感想を伺いたいことがございます。長野県の松本市核兵器の国連軍縮会議というものが開幕しまして、この開会式で IAEA国際原子力機関の事務局長の天野さんが演説なさったんですが。こんなコメントがございました。
 『福島第一原子力発電所の事故はあるが世界的に原子力の利用はこれから何十年も広がっていくだろう』と述べたということです。これについてどんな感想をお持ちですか?」
小出「あきれます」
水野「んー……。では次の質問に移らせていただきます。今度はですね、福島第一原発の3号機について伺いたいと思います」
小出「はい」
水野「今日3号機の建屋の2階に初めて作業員の方が入ったということです。で、この3号機というのはですね、まあもちろん1号機から3号機まで毎日 大量の水を入れて冷やそうとしてるわけですけれども。その多くが汚染水となっているのは皆さんのご承知のとおり。で、とりわけ3号機が多くの水漏れをして るそうなんですね。で汚染水の発生も多いということで。それはなぜなのか。なんとかもっと効率よく水を入れたいという意図もあって2階に入ったようです」
小出「はい」
水野「で小出先生。放射線量をロボットが調べたんですが、最大で1時間あたり75ミリシーベルトです。これはどういう事を意味しますか?」
小出「すごいですね。私は1年間に20ミリシーベルトしか浴びてはいけないと言われてる人間ですけれども。」
水野「1年間に20ミリシーベルトというのが特殊なこうした作業をなさる方の」
小出「そうです」
水野「ね、線量なのに。1時間あたり75ミリシーベルトですね」
小出「そうですね。ですから15分ほどしか、そこにはいられない。で1年分の被曝量になってしまうということですね」
水野「15分ですか」
小出「はい」
水野「ただですね、これ3月15日、事故の直後の値を見ますと、3号機のそばで1時間あたり400ミリシーベルトが測定されてましたので、まあそれに比べると4分の1以下ではありますが。」
小出「そうですね。ただそれは測定する場所によりますので、全く同じ場所で計ったのであれば4分の1に減ったと言えると思いますが。違う場所で計ったなら全く比較する意味がありません。」
水野「たしかに。そうですねえ」
小出「はい」
水野「はあ。これ3号機の中では当時ももっともっと高い値だったろうと、まあ素人ながら思うわけです。じゃあ今この1時間あたり75ミリシーベルトで、作業員の方が作業しやすい環境になってきた、なんてふうには思えない値ですか」
小出「えー、多分私も含めて京都大学原子炉実験所の所員がそういうところで作業をしなければいけないということになったら、誰しもが躊躇すると思います。」
水野「うーん。またこの建屋に上がるということがね、2階に上がったら何があるんだろう、どんな意味があるんだろう、何が進むんだろうと思うんですが、いかがですか?」
小出「いやあ私もわかりません。まあ1階が入れなかったということなんですかね。それとも2階に原子炉水位計を調整する現場があるかとか。どうしても2階に入りたかったということかも知れませんが、すいません私にはわかりません」
近藤「何階まであるんですかね。」
小出「多分3階じゃないかと、建屋ですよね。その4階がいわゆる使用済燃料プールがあったところで。そこはもう吹き飛んでしまってますので。多分入れるとしたらば1階、2階、3階。また地下というのもあると思います。」
水野「地下も入れるんですか」
小出「ええと多分しばらくは入れないと思いますが」
水野「ああ、本来は入れるわけですよね」
小出「でももう汚染水で溢れてるはずで多分地下に入ることは当面出来ないと思います。」
水野「これ大量の水を入れていても、まあその多くが燃料に届いていないとみられてるわけですよね」
小出「ええと燃料自身がもうどこにあるのかすでにわかりませんので。えーどうなってるのか私も分かりません」
水野「先生はもう地下は、に、燃料が溶け出して落ちて言ってるのではないかと、いうふうにおっしゃっておりましたけど」
小出「はい。まあ東京電力メルトダウンしていると言ってるわけですから、そうであればもう地下に落ちてるだろうと思います」
水野「もっと効率の良い水の入れ方を知りたいと思ったときにどんなやり方があると思いますか?」
小出「まず炉心と言われてる部分がどこにあるのかということを知らなければいけませんので。原子炉水位計というものを、まあ、1号機では調整したわけですけども。2号機でも3号機でもまずは調整しなおしてみるということが必要だと思います。」
水野「ちゃんとした記録が採れるように原子炉水位計をまず直さなければいけないんですね」
小出「はい」
水野「でそれを、そこに行くにはロボットでは水位計は直すなんてことは出来ないんですか」
小出「(笑)。もちろん出来ません」
水野「はあー。大量の被曝を覚悟でないとこれはできないんですね」
小出「そうです」
水野「例えばそれ15分入ったら1年の被曝量になるとおっしゃいましたけど、15分入ってできるような場所にあるんですか?」

小出「それもわかりませんけれども、多分ないだろうと思います。ですから国の方は私のような人間には1年間に20ミリシーベルトという基準だったわ けですけども。このような事故が起きたときには、もうあきらめて100ミリシーベルトまでは我慢しろという法律が元々はあったのですね。でもそれすら撤廃 して今250ミリシーベルトまで我慢しろと、いうところまで引き上げてるのですから。1時間あたり75ミリシーベルトであれば3時間はそこで作業ができる ということになります。」

近藤「500ミリという話もなんか出てましたよね」 小出「え? なんですか?」  近藤「500ミリ。」  小出「はいはい」   近藤「まで」
小出「そうですね」  近藤「出来ないかってなことを」
小出「250では足りなくなってしまうから500に引き上げるということを」
水野「これは菅総理が3月の事故から間もない時期に打診をしたという話が伝わってますよね」
小出「はい」
水野「でそれを防衛省防衛大臣はそれはできないと、いうふうに言ったという報道がありました」
小出「はい」
水野「500ミリなんてこと、数字を聞かれると小出先生はどんな感じもたれます?」
小出「恐ろしいです」

水野「うーん……。それからもう一つ伺いたいことがございます。これは報道の監視に繋がる話についてなんですけれども。経済産業省資源エネルギー庁が2008年度から報道機関の原発関連の記事を監視する事業を行っていたことがわかった。こういう報道が出てまいりました」
小出「はい」
水野「で今年度は事業がどうなってるかと申しますと。今回の事故を受けましてツイッターやブログなどのインターネット情報を監視するための補正予算が計上されているということです。こうした動きは、これ、小出先生から見たらどう見えますか?」
小出「ええ、まあ、嫌な国だなあと思います」
水野「うーん……。私たちは本当に東電や国からちゃんとしたデータを欲しい欲しいとこのたね撒きジャーナルは事故直後から、小出先生の主張をこのたね撒きジャーナルで繰り返してきたわけですけれども。」
小出「はい」
水野「なかなか、正式に色んなことが情報が出てきませんでした。」
小出「そうです」
水野「で、その一方で、こうした事業は続いていたと、いうことですね。」
小出「はい」
水野「えー、報道監視する方向の事業が続いていたと言わざるをえないんですが。これ、近藤さん」   近藤「はい。」
水野「エネルギー庁の担当者はですね、いやそんな自由な発言を制約するものではないですよ、というふうには言ってます」近藤「せやったらえらいことやな。」   小出「(笑)」
水野「もちろんそうですが。」
近藤「それは当たり前のことで、ねえ」   小出「はい」
近藤「わざわざそういうことをなんですんのかという意図が気になるよね」

水野「なるほど。でまたこうした事業を受注している団体があるそうですが。その団体のうちにある1つの団体は、東電の会長が理事を務めてる、あるい はまた他の団体は理事長を東電の元副社長が務めている。でまた役員を経済産業省やまた原子力安全・保安院の出身者も役員勤めてる。こういうの天下りって呼ぶんですか?」
近藤「うーん。そうだよね。実体的にはそうでしょう」
水野「小出さんが当初からおっしゃってる原子力村というものが、わたし、なんか、どういう事なんかなあとずっと思ってたんですけど。こうしたこともその1つの風景なんでしょうか、小出さん」
小出「そうですね。まあ要するに1つの意見以外は受け入れないと。でその意見の方向に全てをもっていきたいという、そういうことでここまで来たわけですし。これからもそうしていきたいということなんですね。」
水野「はあ……。そうして私たちは、そう、どう考えて生きて行くかということです。」   小出「はい」