・正しく反対する気骨のある国会議員は与野党のどちらにもいないのは情け無い! ぽんすけ国会議員は5分の1に減らせ!

原子力損害賠償支援機構法案の修正は実質的に東電に国費を無限定に投入できる仕組みを作った改悪だ!  機構経由で国から東電に無限定に資金を投入することを可能にした改悪だ!  
原子力損害賠償における国の責任の取り方とは本来、関係省庁の幹部が相応の責任を取るとか、既存の巨額の原子力推進予算を賠償の原資に回すなど、国民負担を伴わない形で行われるべきだ!
・東電を絶対に債務超過にしないという意思ばかりが優先も問題だ!
・国は延々と資金を投入し続けて国民負担も増え続けるけど、東電はまったく再生せず同じような危機を繰り返す!
・正しく反対する気骨のある国会議員は与野党のどちらにもいないのは情け無い! ぽんすけ国会議員は5分の1に減らせ!

〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
原子力損害賠償法案の修正を許すな!
東電を債務超過にしないというフィクション

 国会で審議中の原子力損害賠償支援機構法案の修正について、与野党が合意しました。しかし、合意内容を見ると、元々の法案よりも東電に対して更に甘くなりました。東電を正しく再生するのではなく、何があっても絶対に延命させるんだという経産省の意向が反映されたとしか思えません。こんな修正を許して良いのでしょうか。
◆ 国の責任=税金負担の増加?:
 今回の与野党合意でもっとも問題なのは、実質的に東電に国費を無限定に投入できる仕組みを作ったことです。
 元々の法案では、東電に賠償資金を援助する機構に対して、国は予算を直接投入するのではなく国債を交付する形にしていました(交付国債)。いずれは国に資金を返済させることを想定していたのです。
 ところが、与野党合意によって新たな条文が追加されて、交付国債による資金で不足が生じる場合に、返済義務のない純然たる予算を国が機構に直接投入できるようになりました。機構から東電に対して資金援助が行われることを考えると、機構経由で国から東電に無限定に資金を投入することが可能になったのです。
 メディアは今回の与野党合意について、原発事故に対する国の責任が明確化されたと報道しています。原子力発電所は実質的には電力会社と国の共同経営の面があったことを考えると、原発事故の責任は国も負うべきですので、国の責任を明確化すること自体は正しいと言えます。
 しかし、国の責任の取り方とは本来、関係省庁の幹部が相応の責任を取るとか、既存の巨額の原子力推進予算を賠償の原資に回すなど、国民負担を伴わない形で行われるべきです。原発事故の責任は東電と国にあり、国民にはないからです。それなのに、今回の与野党合意では、国の責任という名目の下で、国民負担に直結する予算投入のみが可能とされたのです。これほど安易な国民へのツケ回しはないのではないでしょうか。
 次に問題なのは、東電を絶対に債務超過にしないという意思ばかりが優先されていることです。
 与野党合意では、今回の事故に関する東電への損害賠償支援と、将来の事故に備える分の資金を別勘定にするかどうかという点について、「勘定区分方式を求めるものではない」「あくまでも勘定は一つ」とされています。
 この部分が何を意図しているかは、官僚が作成して与野党に根回しするのに使われたと言われている“賠償機構法修正ポイント”(最初のファイル)の2枚目をご覧いただければ明らかです。勘定を分けたら東電が債務超過になるおそれがあるので、勘定区分を分けないようにすることで債務超過になり得ないようにする、という役所の意向だったのです。
 それに政治が乗った結果が今回の与野党合意ですが、このようにフィクションで東電の債務超過を無理矢理避けようというやり方は、市場と国民の双方をバカにしているとしか思えません。そして、それが通用するほど市場は甘くないはずです。
その他の問題点:
 その他にも、今回の与野党合意には問題点が多いと言わざるを得ません。
 例えば、株主や債権者などのステークホルダーの責任をより明確にしたと言われており、実際、「関係者に対する協力の要請が適切かつ十分なものであるかどうかを確認しなければならない」という規定が追加されました。
 しかし、“協力”の内容が何なのかは不明確なまま(今年は配当をしない、というレベルでも“協力”になります)ですし、“要請”した結果がどうかは問われていません。つまり、法律的には空の文章が加わっただけで、実効性は何もありません。
 また、今回の与野党合意で“二段階方式で破綻処理をさせることになった”と評価する向きもあります。これは、法律の附則に、「この法律の施行後早期に・・・国民負担を最小化する観点から、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずる」という規定を加えたことを指していると思われます。
 しかし、この規定の書きぶりでは、検討の期限も“必要な措置”の内容も不明です。その一方で、法律の本体の規定に基づいて機構による東電支援は始まり、東電に国の資金が入ることになります。ひとたび支援が始まれば、その先は、「今さら破綻させたらこれまで投入した資金が返ってこなくなり、国民負担になる」といった理屈で延々と国の資金が東電に投下されることになる可能性が高いと考えざるを得ません。
 つまり、この附則の文言は、実際にはあまり意味がないのです。
◆ 90年代の不良債権処理の再現:
 このように考えますと、今回の与野党合意はとても評価できる内容ではありません。むしろ、官僚の根回しに基づく政治の意思として、東電を正しく再生させるよりも、とにかく絶対に債務超過にさせないで延命させるという方向を選んだと考えることができます。
 その結果として何が起きるでしょうか。ちょうど1990年代の不良債権処理の失敗のときのように、国は延々と資金を投入し続けて国民負担も増え続けるけど、東電はまったく再生せず同じような危機を繰り返す、となる可能性が高いのではないでしょうか。
 既にこの法案の修正案は衆議院を通過しました。来週にも成立してしまいそうですが、正しく反対する気骨のある国会議員は与野党のどちらにいないのでしょうか。情けなくなります。
:岸 博幸
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