・政府・日銀は10兆円程度の効果のない及び腰介入よりも、規模を問わない思い切った金融の量的緩和への転換に踏み切り、市場でのドル資産買いを促して円高とデフレを止めるべきだ!

財務省が金融機関から円資金を借り入れて介入に充て、最終的に米国債を購入する。今回の介入規模は総額10兆円程度とみられるが、その分、金融機関から貯蓄が吸い上げられ、金融がきつくなり、デフレを助長する。
・世界の投資家は、米連邦債務の引き上げ合意後の景気先行き不安の中で、株式を売り、安全性の高い資産である国債などを買う傾向がある!
・ドル安の中で米国債はいつか突然、逆に売られ、米国はドル、国債、株式のトリプル安に陥って、これが正真正銘の世界金融危機を引き起こす。
・政府・日銀は10兆円程度の効果のない及び腰介入よりも、規模を問わない思い切った金融の量的緩和への転換に踏み切り、市場でのドル資産買いを促して円高とデフレを止めるべきだ!
 政府・日銀は王道とも言うべき国内向け政策こそが、米国や世界の金融市場安定に寄与できる唯一の道だ!







〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
円再び上昇 「半端なカネを刷っては負ける」
2011.8.5 23:03
 日銀の追加金融緩和と、財務省による円売りドル買い介入にもかかわらず、5日の円相場は逆戻りした。加えて、日本の介入は米国株から米国債へのシフトを後押しする。金融緩和のために、日本が及び腰で紙幣を発行しても失敗する。その無駄なカネの弾が、脆(ぜい)弱(じゃく)な世界の市場を撃つのだ。

 政府による「円売り・ドル買い介入」には、自虐的なからくりがある。財務省が金融機関から円資金を借り入れて介入に充て、最終的に米国債を購入する。今回の介入規模は総額10兆円程度とみられるが、その分、金融機関から貯蓄が吸い上げられ、金融がきつくなり、デフレを助長する。

 さすがにまずいと思ったのか、日銀は資産購入と貸し出しで、合計10兆円の資金を金融機関に流し込む。だが、お札を刷っても米国債に化けた分を補うだけで現状維持がやっと。しかも、日銀は最初から、10兆円の財布の中身をばらして百戦錬磨の投機筋と対(たい)峙(じ)するのだから、勝負はついているようなものだ。

 世界の投資家は、米連邦債務の引き上げ合意後の景気先行き不安の中で、株式を売り、安全性の高い資産である国債などを買う傾向がある。日本政府が率先して米国債を大量に追加購入し、追随を誘うが、長続きはしない。

 ドル安の中で米国債はいつか突然、逆に売られ、米国はドル、国債、株式のトリプル安に陥る。これが正真正銘の世界金融危機を引き起こす。

 政府・日銀は効果のない介入よりも、規模を問わない思い切った金融の量的緩和への転換に踏み切り、市場でのドル資産買いを促して円高とデフレを止めるべきだ。王道とも言うべき国内向け政策こそが、米国や世界の金融市場安定に寄与できる唯一の道だ。

 (編集委員 田村秀男)