・政府はレーダー3、4号機の投入で態勢の確実な完備を急げ!

情報収集衛星は、晴天の日中に高精度撮影できる光学衛星と、夜間や悪天候時に撮影するレーダー衛星をペアとして運用するのが基本だ!
・レーダー3、4号機の投入で4基態勢が完備されるまでは、光学衛星だけの変則的運用は解消されないままだ!
・安全保障に必要な監視のほか、大規模災害など内閣の重要政策に関する画像情報の収集も目的。
・政府はレーダー3、4号機の投入で態勢の確実な完備を急げ!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
情報収集衛星 世界水準の機能で国守れ
2011.9.24 03:06
 政府の情報収集衛星・光学4号機が鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられ、予定の軌道に投入された。H2Aは連続13回の打ち上げ成功で、国の基幹ロケットとしての信頼性は世界水準に一歩近づいたといえる。
 だが、衛星運用は世界水準に程遠い。情報収集衛星は平成10年の北朝鮮テポドン発射を機に導入された事実上の偵察衛星だ。政府は地球上の任意地点を毎日1回撮影できる体制を目指すが、今はレーダー衛星が故障で役に立たない。今回の成功を機に、分析能力の向上なども含めて、日本の安全の一翼を担う偵察衛星を着実に前進させたい。

 内閣衛星情報センターが管制・運用する情報収集衛星は、晴天の日中に高精度撮影できる光学衛星と、夜間や悪天候時に撮影するレーダー衛星をペアとして運用するのが基本だ。政府はこれを2基ずつの計4基態勢で運用することで、北朝鮮だけでなく全世界をカバーするという。
 しかし、既存のレーダー衛星2基の故障に加え、今回の光学4号機も設計寿命を迎えた2号機の後継機である。年内と来年度に予定されたレーダー3、4号機の投入で4基態勢が完備されるまでは、光学衛星だけの変則的運用は解消されないままだ。

 衛星は安全保障に必要な監視のほか「大規模災害など内閣の重要政策に関する画像情報の収集を目的とする」と規定されている。東日本大震災では発生2日後に津波浸水域などの被害状況を関係省庁や現地対策本部に提供した。
 内閣情報調査室情報収集衛星の利用実態を明らかにしたのはこの震災対応が初めてだが、国民一般に画像が公開されたわけではない。このため、「災害時に本当に役立つのか」という疑問や一層の情報公開を求める声も根強い。
 一方、画像を公開すれば、撮影時間や解像度、衛星軌道などの詳細な分析も可能になる。監視対象である北朝鮮などに手の内を明かす危険も無視できない。衛星の有用性を国民に説明する工夫とともに、安全保障上マイナスとなる情報は公開できないことを理解してもらう努力も必要だろう。
 光学衛星が識別可能な地上のサイズは2号機の約1メートルから4号機は60センチに向上する。性能向上に伴い、的確に情報を読み取る分析能力の養成も大切な課題だ。