・ 中距離の射程1500キロ巡航ミサイル「DH10」も総数400基ほどを備えて、同様に日本を射程におさめている。

・ 中国は射程約1800キロの準中距離弾道ミサイル(MRBM)の主力「DF21C」を90基ほど配備して、非核の通常弾頭を日本全土に撃ち込める 能力を有している。
・ 中距離の射程1500キロ巡航ミサイル「DH10」も総数400基ほどを備えて、同様に日本を射程におさめている。
・ 中国側のこれら中距離ミサイルは、台湾有事には日本の嘉手納、横田、三沢などの米空軍基地を攻撃する任務だ!
・ 日本側も、もし中国のミサイル攻撃を受けた場合、同種のミサイルで即時に中国の要衝を攻撃できる能力を保持すれば、抑止と均衡の原則で、中国への効果的な抑止力となる。
アメリカは日米同盟の従来の片務性を減らし、双務的な相互防衛へと近づくことを希望している。




〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国ミサイルの抑止は日本が
古森義久
2011.10.08 Saturday

 アメリカの元政府高官たちが日本に求める日米同盟強化策についてのレポートを続けます。日本ビジネスプレスの私の連載「国際激流と日本」からの転載です。原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/24526
                 ======
 ・中国が増強している中距離弾道ミサイルへの抑止として、日本も中距離の弾道、巡航両ミサイルの配備を検討することを求める。
 以上のうち、最後のミサイル配備の勧めが、日本にとっては最も衝撃的な提案だというわけである。
 戦争を防ぐのは力の均衡だが、その提案にも明確な根拠はある。
 中国は射程約1800キロの準中距離弾道ミサイル(MRBM)の主力「DF21C」を90基ほど配備して、非核の通常弾頭を日本全土に撃ち込める 能力を有している。
 同じ中距離の射程1500キロ巡航ミサイル「DH10」も総数400基ほどを備えて、同様に日本を射程におさめている。

 米国防総省の情報では、中国側のこれら中距離ミサイルは、台湾有事には日本の嘉手納、横田、三沢などの米空軍基地を攻撃する任務を与えられているという。
 しかし、米国側は中国のこれほどの大量の中距離ミサイルに対して、同種の中距離ミサイルを地上配備ではまったく保有していない。
 米国は東西冷戦の 末期に旧ソ連との間で中距離核戦力(INF)全廃条約を結び、パーシングII型のような中距離ミサイルを文字どおり全廃してしまったのだ。ロシアも同様で ある。
 だからこの階級のミサイル配備は、今は中国の独擅場なのである。だから同報告は、米側のその空白を日本が埋めることを求めたのだ。

 報告は次のように解説していた。
 「中国は日本を攻撃できる中距離ミサイルを配備して、脅威を高めているが、日本側も、もし中国のミサイル攻撃を受けた場合、同種のミサイルで即時に中国の要衝を攻撃できる能力を保持すれば、中国への効果的な抑止力となる」
 衝突しうる2国間の軍事対立では、力の均衡が戦争を防ぐという原則である。 抑止と均衡の原則だとも言える。

 実際に米国とソ連の対立を見ても、中距離ミサイルは双方が均衡に近い状態に達したところで相互に全廃という基本が決められた。
 一方だけがミサイル保有というのでは、全廃や削減のインセンティブは生まれない。だから中国の中距離ミサイルを無力化し、抑止するには、日本側も同種のミサイルを保有することが効果的だというのである。
 日本がこの提案の方向へと動けば、日米同盟の従来の片務性を減らし、双務的な相互防衛へと近づくことを意味する。  米国も対日同盟の有効な機能の維持には、「もはや日本の積極果敢な協力を不可欠と見なす」というところまできてしまったようなのである。(終わり)