原子力委員会は発電コスト試算のバカげた数字遊びは止めよ!

東京電力が生じさせた原発汚染を本当に賠償しようとするのであれば、何十兆円かかるのか何百兆円かかるのか、被害を、勘定もできないほどのお金がかかる。
・年間1ミリシーベルト以上は国が責任をもって除染をすると言うなら、48兆円以上に損害費用は達するという試算がある。5兆円で済むはずが無い。
立命館大学の大島さんの計算は、電力会社の有価証券報告書という実際の経営データーを元にして計算している。それに基づけば、事故が起こらなくとも…原発が一番高いということは歴然としている。事故が起きたらもう話にならない。
原子力委員会の発電コスト計算の「500年に1回しか1基が事故を起こす確率」がないんだったら、もう3基起こしてるからあともう1500年もなんにもないという馬鹿げた計算になる!  原子力委員会は発電コスト試算のバカげた数字遊びは止めよ!





〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
2011年11月09日08:24
「あまりにもバカげています」 原子力委員会が重大事故の被害額たった「5兆円」で発電コストを試算。小出裕章 11/8
2011年11月8日(火)毎日放送たね蒔きジャーナル
水野「そこで、今日のニュースに戻るわけですけれども。この……原発の発電コストについて、見直す作業が進んでおります。国の原子力委員会の専門部会が試算の案を取りまとめました。で、その、案の基本になっているのは、え……原発が重大な事故を起こしたときにどれだけお金がいるのかと、被害額をどう考えるかというのが1つの問題になってるんですが」
小出「はい」
水野「これをおよそ5兆円というふうに考えたようです」
小出「はい」
水野「……これについてどうですか? 被害額5兆円」
小出「余りにもバカげています」
平野「……はい……」
小出「要するに彼らは、これまで普通の人々は1年間に1ミリシーベルトまでしか被曝をしてはいけないしさせてはいけないという法律だった、のですね。もし法律を日本が法治国家として守ろうとするのであれば、福島県全域に匹敵するぐらいの土地を、放射線の管理区域にする……無人にしなければいけないというほどの汚染が、生じているのです。それを、それはまあ東京電力が生じさせた汚染なわけで、もしそれを本当に賠償しようとするのであれば、何十兆円かかるのか何百兆円かかるのか、被害を、勘定もできないほどのお金がかかると思います。え……それを、原子力委員会はなんと5兆円だという、のですね」
水野「はい……それも最初は3兆8878億円と……」
小出「はい」
水野「いう数字を出していたんですね、10月には」
小出「はい」
水野「で、さすがにそれは被害の想定が不十分だという批判があって、見直して今回、5兆円に引き上げたというんですが」
小出「もう、ようするに、でも、元から、1年間に1ミリシーベルトなんてものは守らないと言って、原子力委員会が言ってるわけですから。犯罪者が犯罪を犯されているようなものです。」
水野「でも政府は年間1ミリシーベルト以上については、国が責任をもって除染をすると……言いましたよね」
小出「いましたよね。でもけしてできませんので。いったいそれをどうしてくれるのかということを、これから問わなければいけないと思います。」
水野「この原子力委員会の専門部会のメンバーのお1人である、原子力資料情報室の伴さん」
小出「はい(笑)」
水野「がおっしゃいます。このかたは小出先生もご存知……」
小出「はい、よく知っています」
水野「そうですか。この共同代表を努めていらっしゃいます伴さんもこういうふうにおっしゃっております。年間1ミリシーベルト以上は国が責任をもって除染をすると言うんだったら、この方の計算では48兆円に損害費用は達するだろうと。」
小出「はい」
水野「いう計算をなさっているようです」
小出「まあ多分それでも足りないと私は思いますけれども。要するに原子力委員会が言ってるものの10倍もかかってしまうということですね。」
水野「そうですねえ……」
小出「はい」
水野「そしてこの伴さんの計算によれば、1キロワットは1時間あたり、12円から16円かかるという計算になるんだそうです。」
小出「そうですね」
水野「1時間で1キロワットつくるのに12円から16円、という数字。これを小出先生はどんなふうにご覧になります?」
小出「えー、原子力委員会自身が、え…1兆円の損害が生じるごとに0.32円だと言ってるわけですから。まあ、伴さん言ってるように48兆円、あるいは50兆円だとすれば、16円、かかると。もうそれは原子力委員会がそう言ってる、わけですね」
水野「ある意味ね」
小出「はい」
水野「しかしながら、今回原子力委員会の専門部会が取りまとめた試算はですね、こういう結果になりそうですね。原発の発電コストは同じ1キロワット毎時5円から最大で7.6円です」
小出「(笑)、はい」
水野「もう1回申し上げますけど、え……原子力委員会の専門部会がまとめるのは、5円。少なかったら5円。最大でも7.6円。」
小出「はい」
水野「ということになると、小出先生もなるほどと言われた、原子力資料情報質の数字のおよそ、半分? 以下ですか?」
小出「(苦笑)」
水野「半分以下の数字しか原子力委員会はださないということになってきますか」
小出「まあ、あの原子力をいかに進めようとしてきた組織なわけですし。今回の事故を引き起こした最大の犯罪者の1人だとも私は思いますけれども。えーその人達が相変わらず自分たちの言い分を正当化しようとしているのですね。」
平野「うーん……」
水野「これ5円から7.6円という数字で見ますと、火力発電がちょうど5円から7円というふうに従来から考えて……」
小出「はい」
水野「こられているので」
小出「はい」
水野「そうすると、原発の最大の時には火力発電を上回ると。」
小出「はい」
水野「いう結果が導き出されるんですよ」
小出「はい」
水野「しかしながら、根拠になってる数字がまずは小出先生やっぱり……」
小出「(苦笑)そ……」
水野「小さすぎると」
小出「そうです。もうあの彼らは元からいわゆるモデルを作って計算をしているわけで。そのモデルが妥当でなければ意味が無いことを彼らはやってきた、のですね。んで…私が支持しているのは立命館大学の大島さんという人の計算ですけれども。彼は、電力会社の有価証券報告書という実際の経営データーを元にして計算しているのです。もうそれに基づけば、げんぱくつが……原発が一番高いということは歴然としていることなのであって」
水野「事故が起こらなくとも」
小出「そうです。事故が起きたらもう話にならない、のです」
平野「先生、今回の試算のですね。例えば電源三法による国のその財政支出なんかも当然いれてないですよね」
小出「多分いれてないと思います」
水野「あ、そうか。地元対策のものすごいお金が入ってないわけですよね」
平野「莫大なお金ですよねえ」
小出「そうです。はい。」
平野「んー」
水野「なるほどー」
平野「だからこの時期にこういう試算を出してくる政府の意図というものは、やっぱり我々じっくり考えと駄目ですねえ」
小出「そうですね」
平野「おそらく、あの、これ原発再稼働維持キャンペーンの一環というような見方もできるとおもうんですけど」
小出「はい。おっしゃる通りと思います」
平野「んー……。」
水野「それからこの計算式をよく見てみますとね?」
平野「うん」
水野「最大…ごめんなさい重大事故が起こる、発生する確率を割り出しているんですが」
小出「はい」
水野「この発生する確率を一番小さな数字で10万年に1回としてますよ」
小出「(苦笑)、はい」
平野「(苦笑)」
水野「10万年に1回というと私らの感覚でいうとほとんどないってかんじですけど」
平野「いや、チェルノブイリはね、26年前ですか」
小出「はい…そうですね」
水野「はい」
平野「それを考えただけでも、ありえないですねえ」
小出「はい」
水野「スリーマイルが起こり、そして今回3基。同時になっているわけですけれども。10万年に1回というのが最小の数字。」
小出「はい」
水野「で、最大の数字で、発生確率を500年に1回としてるんですね。」
小出「はい」
水野「でこれ、なんで500年に1回かっていうのを教えていただきたいんですけど」
小出「(笑)」
水野「なんか根拠はあるんでしょうか」
小出「いや、あるなら聞いてみたいと思いますが」
水野「あたくし、推測ですよ」
小出「はい」
水野「素人の推測ですが。今ある情報では全国の原発がのべ……」
小出「はい」
水野「1500年近く稼働するという想定なんだそうです」
小出「はい」
水野「全国の原発、合わせたら、1500年近く稼働するという「のべ」の想定」
小出「はい」
水野「これは私の想像ですけど。寿命が40年のものが40基で、四四一六ですよね。」
小出「そうですね」
水野「えー寿命30年として50基で、1500年」
小出「はい」
水野「みたいな数字かなと、私は想像するんです」
小出「まあそうですね。えー今日まで55年原子力をやってきたわけですし。すでにまあすこしずつ増えてきて、54基まで増えてしまったのですね。ですからまあ……なん、なん、私たち何炉年という単位で呼びますけれども」
水野「1炉2炉……」
小出「はい。えーそれで言えば1000炉年、千数百炉年分は、確かに運転してきて今回の事故になっているわけで。えー実際に事故確率は、まあ実際データーとして言えば千数百炉年に1ぺんということになるんだと思います」
水野「はあー。で、今回原子炉3基が事故を起こしましたので」
小出「そうですね。それで割ったんでしょうね」
水野「多分1500割る3で500という数字ではないかと思うんですけど」
小出「はい。多分そうやって計算したんだと私も思います」
水野「これ、科学的にどうなんですか?」
平野「(笑)」
小出「(笑)」
水野「私らからしたら、なんでえな。だって40年しか経ってないでしょ?」
小出「そうです。要するに数字の遊びをしています」
水野「数字の遊びでしかないですよね!」
小出「はい」
水野「だって、500年に1回しか1基が事故を起こす確率がないんだったら、もう3基起こしてんからあともう1500年もなんにもないんですか」
小出「そういう事になってしまいますね」
水野「でも食べ物を多くの人が奪われ、土地を奪われ、仕事を奪われ、ふるさとを奪われているって……こうしたことを数字に、コストに置き換えるということ自体がもう…どうですか、小出先生」
小出「できないんですよ。もう途方も無い苦しみができちゃってるのに、お金勘定を使用として、4兆円だ5兆円だなんて数字を出してくる人たちの神経が私には全くわからない、のです」
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