北朝鮮の強盛大国の時期が迫っているとき、野田首相は確固たる意志で拉致問題解決に取り組め! 

北朝鮮は1912年を「強盛大国の大門を開く年」とし、掲げる目標は、
第一に 独立と安全−核武装の強化、
第二に 経済力の増強−インフラの改善や農業の振興・近代化、
第三に 国民生活の向上
である。 昨年来の金正日総書記の度重なる訪中、訪露にもかかわらず必要資金の3割程度しか手当てできていない。
北朝鮮は国内経済が逼迫(ひっぱく)する中、外貨獲得の指示が出されている。
・年内に資金獲得のめどがつかない場合、日米韓に責任を転嫁する形で核実験やミサイル発射などの「花火暴挙」に出かねないので、日本は瞬時に対応できる準備をしておく必要がある。
拉致問題の全面解決、拉致被害者全員の帰国がない限り、日本政府は国交正常化交渉の入り口に立ってはならないのだ!
拉致被害者の存在も特務関係者以外には知られていない。  立ち入り禁止区域で隔離された生活を送り、嗜好品の買い物も特定の店で監視官付添いの下でのみ許される。   監視され監禁状態にある拉致被害者の動向については、今、何をしているのかも、北朝鮮は全て分かっている筈(はず)だ!
・国民を守るのは政府の責務であり、金総書記に被害者全員の帰国を決断させるのは首相を措(お)いて他にない。   
北朝鮮の強盛大国の時期が迫っているとき、野田首相は確固たる意志で拉致問題解決に取り組め! 




〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
参議院議員、元拉致問題担当相・中山恭子
2011.11.16 02:59 [正論]
拉致問題解決へ、今がその時:
 最近、横田めぐみさんの生存情報が頻繁に報道される。北朝鮮による日本人拉致の問題にめぐみさんらが生存しているとの前提で対応してきた者としては、何を今更との感が深い。この時期にこうした情報が出るのは、北朝鮮が日本から支援を得ようと工作活動をしているためと考えてよい。  政府は機を逃さず、北朝鮮の動きを正確に見極め、確実に被害者の帰国に繋(つな)げていかなければならない。
北朝鮮の経済いよいよ逼迫:
 北朝鮮は、2008年の6者協議で日本を除く4カ国から重油75万トンを供与されたとき、「1ウォンも使わず、1丁の銃も使わずに重油を手に入れた」と自画自賛したとされる。  拉致被害者を貴重な存在と見なす北朝鮮は、戦術を駆使して日本からの資金獲得に奔走し、他に術がなくなる最後まで被害者を手放すまい。  被害者解放が最良の策だと北朝鮮を説得し続けるとともに、被害者を帰国させるしかないと北朝鮮が決断するまで、日本としてなし得ることを全て行っていかなければならない。
 北朝鮮は12年を「強盛大国の大門を開く年」としてきた。掲げる目標は、第一に独立と安全−核武装の強化、第二に経済力の増強−インフラの改善や農業の振興・近代化、第三に国民生活の向上である。昨年来の金正日総書記の度重なる訪中、訪露にもかかわらず必要資金の3割程度しか手当てできていないと聞く。国内経済が逼迫(ひっぱく)する中、外貨獲得の指示が出されていると推察できる。
 過去の北朝鮮の動き方からして年内に資金獲得のめどがつかない場合、日米韓に責任を転嫁する形で核実験やミサイル発射の暴挙に出かねない。日本は瞬時に対応できる準備をしておく必要がある。
 政治的にも、国民は厳しい監視下に置かれ、反体制組織など生まれ得ない状況にある。  韓国側から飛ばす風船に入れられたウォン紙幣を提出しなかったとして処刑された者がいるとすら聞かれる。   硬直しきった剛構造の体制が意外にもろいことは歴史が証明ずみである。  正日−正恩の権力移行が不安を内包していることは、北朝鮮自体がよく分かっていよう。だからこそ生活が良くなった、食料も衣料も住宅も豊富になった、と言える状況を12年に創出しなければならないと考えているのだろう。
◆全員帰還が正常化交渉入り口:
 そうした過渡期に軍や党の統制が取れなくなる恐れも十分ある。被害者の救出はもちろん、あらゆる状況に対応できるように備えるのは日本政府として必須である。
 国交正常化をすれば情報も入り拉致被害者も戻ってくるではないかとの意見はなお根強い。 だが、正常化すれば、北朝鮮は資金を手にし被害者を帰還させる必要がなくなる。  拉致問題の全面解決、拉致被害者全員の帰国がない限り、日本政府は国交正常化交渉の入り口に立ってはならないのである。
 02年9月の日朝首脳会談で、金総書記は、長年否定してきた日本人拉致を認め、謝罪した。 これで国交正常化が図られ、日本から巨額の支援を得られるとされたからであり、この時点で被害者の帰国は考慮されていなかった。日本政府が拉致被害者と認定する者のうち5人生存、8人死亡、他は入境していないと伝えてきたが、北朝鮮が示した死亡証明書は、子供騙(だま)しの杜撰(ずさん)なものだった。  平壌入りした日本の調査団が、めぐみさんが裏庭で自殺したとされた病院を訪ねたとき、裏庭にはごく細い枝の木があるのみで、北朝鮮側の説明は偽りだ、と一行は確信した。
 内閣官房参与拉致問題担当の首相補佐官として08年まで仕事をしたが、様々な交渉主体との接触過程では、死亡と伝えられた被害者について、生存を当然のこととして話し合いが続けられてきた。  確信があるからこそ、被害者帰還に向け必死で活動を続けるのだ。
◆日本国首相として強い意志を:
 拉致被害者には一般人との接触はなく、そうした日本人の存在も特務関係者以外には知られていない。  立ち入り禁止区域で隔離された生活を送り、嗜好品の買い物も特定の店で監視官付添いの下でのみ許される。監視され監禁状態にある拉致被害者の動向については、今、何をしているのかも、北朝鮮は分かっている筈(はず)である。
 北朝鮮では、拉致実行犯は「英雄」の称号を贈られる。  拉致被害者は危険を冒して得た貴重なものであり、厳重に管理するよう命じられている。さらに、被害者たちは、長い間に北朝鮮とそれぞれ関わりを持っている。  被害者の帰国を北朝鮮に決断させるのは容易ではない。  日本側が一枚岩であったとしても、である。
 日本の世論は政府とともに、拉致被害者を返すよう北朝鮮に求めてきた。今、日本政府に対して、「拉致問題に関心を持ってほしい」と訴えなければならない状況にあることは、悲劇である。
 それでもなお、国民を守るのは政府の責務であり、金総書記に被害者全員の帰国を決断させるのは首相を措(お)いて他にない。   拉致問題解決に首相が確固たる意志で取り組むことだ。  12年まで1月半と時間はない。今がその時である。(なかやま きょうこ)