長期政権が担える受け皿を持った能力ある政権が必要だ! 国民が認知できる能力ある受け皿が今すぐ欲しい!

・復旧は本来、政治家、政務三役に関係なく進められる。 現に今回も、国土交通省農水省も復旧に向けて素早く動いた。  しかし、復興はそうはいかない。 がれき処理はどう決断するかであり、まずは国が即座に捨て場を決めるべきだ。
放射能に汚染された建物、土壌、樹木などは触ってはならないというのが国際ルールであり、それを処理するのは経産省・エネ庁・保安院の仕事だ!
・鳩山も菅も会議や委員会を整理せずにつくり続けた結果、それにぶらさがる事務方官僚の分も含めて、官邸の通行証が小泉内閣時代の30倍ぐらい発行され、もはや誰が主人公だか責任者だか分からない!
・TPP交渉参加の対象が全品目・分野かどうかの問題は、経産省が「全品目・分野とする用意がある」という想定問答集を作っていたことが報じられていた。用意があるという国内用ペーパーを米側に渡したのが原因ではないか?
・肝心の自民、公明に受け皿的なものができていない今の状況をみると、政権再交代しても五十歩百歩だ!
 長期政権が担える受け皿を持った能力ある政権が必要だ! 国民が認知できる能力ある受け皿が今すぐ欲しい!

 


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
飯島元首相秘書官に聞く政治の現在
阿比留瑠比    2011.11.23 Wednesday
 先日、ある件について小泉純一郎首相の政務秘書官を務めた飯島勲氏(松本歯科大特任教授・駒沢女史大客員教授)にインタビューする機会がありました。  その中で、いろいろな話を聞いたのですが、紙面で紹介できるのは一部に過ぎないので、飯島氏の諒解を得てこぼれそうな部分をここで掲載することにしました。
 といっても、全文をそのまま書くのは時間と労力が多くかかるので、ものぐさな私は要旨、または箇条書きのようなもので誤魔化そうと思います。  それでも、趣旨への賛否はともかく小泉政権を支えた飯島氏の視点の一部はうかがえるかと。
東日本大震災がれき処理】 
 いろんな閣僚が現地に次々と入ったが、何をしているのか。  阪神淡路大震災のときは1450万トンのがれきを計画通り5カ月で処理した。 今回の場合は3つの県にまたがり、放射能の問題もあり条件は違うが、動きが遅すぎる。
 こういうとき、政(まつりごと)は、誰かが悪役になり、一気に進めなくてはならない。 どんな政策でも反対、賛成は出る。  どうやって決断するかであり、まずは即座に捨て場を決めるべきだ。  それを国が決められないのなら、何のために閣僚が現地に行ったのか。
 復旧・復興の復旧は本来、政治家、政務三役に関係なく進められる。 現に今回も、国土交通省農水省も復旧に向けて素早く動いた。  しかし、復興はそうはいかない。 現在のこれが政治か?話にならない。
原子力安全・保安院の分離】 
 保安院経産省資源エネルギー庁からの分離が先行するのは疑問だ。本来、放射能に汚染された建物、土壌、樹木などは触ってはならないというのが国際ルールであり、それを処理するのは経産省・エネ庁・保安院の仕事だ。予算もその管轄として取るべきだろう。ところが、保安院分離が先行すれば、その責任は他省庁に投げることができる。分離は処理が終了してからの話だ。野田政権は政策仕分けをするのなら、こういう問題のはっきりしない責任の所在を仕分けすべきだ。
【スクラップアンドビルト】 
 情けないのは、民主党政権の官邸・政府にはスクラップアンドビルトという言葉がないことだ。  ふつう、政府が一つの審議会など会議をつくるときは、それに合わせて一つ減らすものだ。  ところが、鳩山内閣菅内閣も会議や委員会を整理せずにつくり続けた。
 その結果、それにぶらさがる(事務方の)官僚の分も含めて、官邸の通行証が小泉内閣時代の30倍ぐらい発行されている(※注 これはセキュリティーも何も…)。もはや誰が主人公だか責任者だか分からない。
【TPPでの米との食い違い】 
 TPP交渉参加の対象が全品目・分野かどうかで野田首相オバマ大統領との会談での発言内容への認識が日米双方で食い違うということがあったが、あれは、外務省が国内でのブリーフ用のペーパーを米側に渡したのが原因ではないかと思う。(※注 確かに、経産省が「全品目・分野とする用意がある」という想定問答集を作っていたことが報じられていましたね)
 小泉内閣のときのBSE(牛海面状脳症)問題の際にも同じことがあった。想像だが、外務省が今回、国内の官邸とのやりとりなどを米側に伝えた結果だろう。  誰も野田首相も守ろうという人はいないのだ。
【ぶらさがり取材】 
 野田首相が記者団のぶらさがり取材に応じないのだって、(側近の)手塚首相補佐官が「報道官」になりたいからだ。  国民、マスコミ向けに首相の考えをなぜ発信できないのか。  ぶらじゃなくたっていいが、発信しないのはだめだ。
 野田首相も含め、最近の首相はぶらを難しく考えすぎだ。 だから、秘書官ら想定問答集をつくらせ、疲れる、大変だと緊張しているがおかしい。 小泉首相のときは、広報担当秘書官が記者たちから事前に何を質問するのか聞いてはいたが、私はそれを小泉首相に伝えさせなかった。  だから率直に「知らない」「それは任せてある」と答える。  それを丸投げと批判されたこともあったが、首相の素の姿を国民に見せることは大事だ。  みんなちょっと、ぶらさがり取材を誤解している。
【政治主導】 
 政治主導というがみんなバラバラだ。自民党もかつて「自分党」と揶揄されたが、それ以上だろう。  野田政権になって少し修正されているが、間違った形での官僚排除がすぎた。
 政治主導を強調したがる政治家は、どうも官僚コンプレックスがあるのだろう。  だから、古川国家戦略担当相は、局長級の官僚は怖くて避けている。 副大臣経験があるから大丈夫だと官僚のレクチャーを聞かず、不規則発言が続いた小宮山厚生労働相は最近、反省したらしく、先日、局長全部を呼んで「私を支えてください」と言った。  中川文科相も、副大臣経験があるから…という態度が見えて危ない。
【TPP対応】 
 この前、農水事務次官経験者ら6人ぐらいを集めて会合を持った。 すると彼らは「鹿野農水相には『じっとしていろ』と命じられました」という。 これではダメだ。  TPPに反対でも賛成でもいいが、ちゃんと裏の交渉を進める度量がなかったらどうなるのだ。
 官僚は道具として使いこなさなくてはならない。 そのためには、人事で報いることも必要だ。  小泉内閣時代のBSE問題の際には、直接責任があったわけではない逸材と言われた事務次官のクビを切り、食糧庁を廃止した。 だが、その後に外務省と交渉して、この次官を農水省から第1号のチェコ大使にした。
【野田政権】 
 肝心の自民、公明に受け皿的なものができていない今の状況をみると、政権再交代しても五十歩百歩なら長期政権目指して頑張ってほしい。野田政権ではダメだというのなら、国民が認知できる受けざるが必要だ。

……まあ、あくまで聞いた話の一部ですし、私と別に同じ考えでもありません。これは飯島氏の「主張」「言い分」ではありますが、久しぶりに彼の話を聞いていて実に面白かったのも本当です。取材相手から「興味深いなあ」とか「刺激を受けるなあ」という話を聞く機会があると、この仕事も悪くないかなと少しだけ感じるのでありました。