ただ単に黙って米国に追随するのは「無能なあんぽん政党」、「無能なあんぽん閣僚」のすることだ!

・三条 健です。
・果たして、この対イラン制裁は成算があるのだろうか?
 経済制裁はすべての関係国が参加しなければ、成功しない。「制裁破り」がいると効果が半減する。
・米国が余剰石油の一部を日本に回すことを制裁参加の条件とすべきだ!
・2010年7月に米国のイラン包括制裁法の下、米国務省からの内々の強い要請で日本の企業がイランの石油採掘権を放棄した経緯があるが、その後、11年3月に発表された国務省の制裁対象企業リストには、多くの権益をもつ中国企業が外されていた。  米国の「二重基準」的な措置には日本は黙っていないで、強く抗議すべきだ!
・米国に対し、中国の対イラン制裁参加を日本の制裁参加の条件にするぐらいの主張を日本はすべきだ!
・02年以降、米国の要請に応じて、イラン最大のアザデガン油田の権益放棄および石油輸入の大幅削減ですでに多大の負担をしてきた。  大震災後の復興に必要なエネルギー源を確保するためにも、中東の安定に関して国際的場での発言権を持てるよう、より積極的に米国と協議する戦略を練るべきだ!
ただ単に黙って米国に追随するのは「無能なあんぽん政党」、「無能なあんぽん閣僚」のすることだ!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
日本はイラン制裁で発言力もて
平和安全保障研究所理事長・西原正 2012.1.31 03:08 [正論]
 イランの核開発疑惑が濃厚になるにつれて、米国とイランとの緊張関係が一段と高まっている。  米議会はイランの核兵器開発を阻止するため昨年末、国防権限法に対イラン制裁措置を付帯させて、経済制裁を強化した。  イラン中央銀行と取引のある金融機関に対しては今年7月1日から米銀との取引を禁止するというものである。
 日本はすでに1月18日に、米側との協議で段階的にイラン石油の輸入削減をすることを伝えたようだ。  EU(欧州連合)は23日に、7月からイラン産石油の全面禁輸措置をとる決定をした。  イランの石油輸出額は総輸出額の約8割になる。   全面禁輸になればイラン経済にとって大きな打撃となる。
 しかし、果たして、この制裁は成算があるのだろうか。日本は、イランの核開発に反対するのは当然だとしても、米国主導の対イラン制裁は本当に妥当なのだろうか。3つの疑問を提示したい。

原油の安定調達は可能なのか≫:
 第一に、日本の政府要人や民間企業幹部は昨年末からサウジアラビアなどの湾岸産油国を訪問して石油の増産を要請してきた。  その結果、追加調達の目途(めど)をつけることができたと報じられている。
 しかし、イランの石油禁輸を性急に進めると、原油価格が高騰するかもしれない。  そうなれば、日米をはじめ多くの国の経済に打撃となり、逆にイランの石油輸出収入が増えることも考えられる。
 さらに、イランは「石油輸出が停止されれば海峡を封鎖する」と恫喝(どうかつ)して海軍大演習をしている。   海峡を封鎖すれば、湾岸諸国の石油増産の意味がなくなってしまうが、同時に、イランも友好国中国などに輸出できなくなるので自分の首を絞めることになる。  その点では、海峡封鎖は起こりにくいといえようが、日本は最悪の事態を考えて早急に輸入先を分散させるべきである。  特に米国が余剰石油の一部を日本に回すことを制裁参加の条件とすべきではないか。

≪中国の「制裁破り」を許すな≫:
 第二に、欧米や日本で対イラン経済制裁に協力する体制ができたとしても、果たしてどれだけ効果があるだろうか。   経済制裁はすべての関係国が参加しなければ、成功しない。「制裁破り」がいると効果が半減する。  これまでのところ、中国は対イラン制裁に「断固反対」し、イラン石油を輸入し続けると明言している。    欧米や日本が購入を拒否した分を中国が輸入すれば、イランは大いに助かることになる。
 もちろん、中国は米国のイラン制裁法の適用をうけ、中国の金融機関が米銀との取引停止の対象になれば打撃は大きい。   しかし、2010年7月に米国のイラン包括制裁法の下、米国務省からの内々の強い要請で日本の企業がイランの石油採掘権を放棄した経緯があるが、その後、11年3月に発表された国務省の制裁対象企業リストには、多くの権益をもつ中国企業が外されていたことがあった。
 こうした米国の「二重基準」的な措置には日本は強く抗議すべきである。むしろ米国に対し、中国の対イラン制裁参加を日本の制裁参加の条件にするぐらいの主張を日本はすべきである。でなければ経済制裁の効果は上がらない。

≪核開発放棄につながるのか≫:
 第三に、より根本的な疑問として、経済制裁を続ければ、イランはいずれ核開発を放棄するのかという点である。  アフマディネジャド体制下で核開発を断念するとは考えられない。  また、穏健派勢力が現政権の「失政」を批判して政権を奪取し、核放棄を決める可能性も極めて小さい。
 さらに、「制裁破り」がいる限り、イラン経済は崩壊しないだろう。  反政府勢力にとっても、核保有は中東の大国としての民族的誇りであるから、耐乏生活を忍ぶことができよう。  核保有イスラエルや米国の軍事攻撃を抑止する有効な手段でもあり、外部からの締めつけに抗して、アフマディネジャド政権は逆に、核開発のテンポを速めている兆候さえある。
 ここから、イスラエルや米国では、イランが核兵器を完成する前に核施設を攻撃破壊する方が自分たちには安全だという主張が勢いをもってくる。  地下深くにあるといわれる核施設を米軍が爆破することができるのか疑問であるが、大統領選の年にはどの候補者も弱腰の姿勢がとれず、危険な状況が生まれるかもしれない。
 むしろ、イスラエルがやってきたといわれるように、イランの核開発過程に対するサイバー攻撃、核科学者の殺害、偽装不良部品の提供などによって、開発を遅らせる戦略をとる方が実際的な効果がありそうである。
 日本は、これまで何度も指摘されながら中東戦略を立てず、米国主導に追随してきた。  02年以降、米国の要請に応じて、イラン最大のアザデガン油田の権益放棄および石油輸入の大幅削減ですでに多大の負担をしてきた。  大震災後の復興に必要なエネルギー源を確保するためにも、中東の安定に関して国際的場での発言権を持てるよう、より積極的に米国と協議する戦略を練るべきである。(にしはら まさし)