・日銀がお札を発行し、米国債を日銀の帳簿に移し、国内のインフラ投資の原資に回せば済む。

・三条 健です。
・各地で社会資本(インフラ)の劣化や毀損(きそん)事故が相次いでいる。
 日本のインフラは1960年代の高度成長期に集中整備されたが、老朽化が激しい。 インフラの多くは現在の耐震基準を満たしていない。
国内総生産(GDP)比で政府債務が増え続けてきた元凶は国民の所得を細らせるデフレにある。
・過去20年もの間、日本の経済実額規模はゼロ成長、一般会計税収は20兆円も細った。
・最優先すべきは増税ではなく、脱デフレと大災害に強い日本列島の再生の同時達成である。
・カネはある。 日本は世界最大の債権国で、債権総額から債務を差し引いた純債権は250兆円に上る。 家計貯蓄が政府の純債務625兆円ばかりでなく、米国など海外の借金を引き受けている。
財務省は債券を発行して貯蓄123兆円を吸い上げて米国債などの購入に充てている。
・家計をやりくりして貯(た)めたおカネを使うのは国際的な非常識だ。
 日銀がお札を発行し、米国債を日銀の帳簿に移せば済む。
・政府はこの日銀資金を国内のインフラ投資の原資に回せばよい。そうすれば、量的緩和効果により、デフレも消滅しよう。
・日銀がお札を発行し、米国債を日銀の帳簿に移し、国内のインフラ投資の原資に回せば済む。  カネはあるのに、国民の生命と財産を奪う大災害に備えることができないと言い訳するような政府こそ大災厄なのだ!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
大災厄は政府がもたらす
編集委員・田村秀男   2012.5.3 03:18
 休日に郷里の四国からやってきた旧友を、東京ゲートブリッジに案内した。 2月に開通した巨大橋は、耐用年数100年、最新の免震構造太陽光発電システム導入と日本の建築技術の粋を集めている。  威容を眺めながら、友はつぶやいた。  「でも田舎じゃ、大橋にヒビが入っても建て直すカネもなくて大騒ぎだよ」
 各地で社会資本(インフラ)の劣化や毀損(きそん)事故が相次いでいる。 日本のインフラは1960年代の高度成長期に集中整備されたが、老朽化が激しい。インフラの多くは現在の耐震基準を満たしていない。 「首都直下地震、東海・東南海・南海の連動地震の危機が迫りつつある」(藤井聡京都大学大学院教授)という専門家の警告が重くのしかかる。
 地元でできることは緊急時の避難などに限られる。 巨大地震津波にも耐えられるインフラの整備を急ぐのは国の役割なのだが、政官の関心はもっぱら、消費増税関連法案に絞られている。
 巨大地震に備えるための財政出動よりも、大型増税を急ぐべきなのか。野田佳彦首相らが強調するように、財政破綻を意味する「ギリシャ化」が明日にでも起きるのか。
 日本は、政府債務の大半を海外に負うギリシャなどユーロ圏の問題国と違い、政府債務の9割以上は国内で消化されている。  この安心感から日本国債は世界で最も安定した金融商品として買われるので、その金利は主要国中最も低い。
 国内総生産(GDP)比で政府債務が増え続けてきた元凶は国民の所得を細らせるデフレにある。 
 日本では1930年代の「大恐慌時代」の米国をしのぐ深刻なデフレ不況が続いている。 過去20年もの間、日本の経済実額規模はゼロ成長、一般会計税収は20兆円も細った。
 増税に伴って家計消費は圧迫され、デフレが加速する。 全体の税収は意図に反して減る。 すでに家計は貯蓄を取り崩し、3世帯のうち1世帯近くが預金ゼロに陥っているという。 これではいずれ国債を支える国内貯蓄が大幅に減り、それこそ「ギリシャ化」する日が来る恐れがある。  そうなれば大震災や大災害に備えたインフラ整備どころではない。
 最優先すべきは増税ではなく、脱デフレと大災害に強い日本列島の再生の同時達成である。そう主張すると、必ずと言ってよいほど、財務省寄りの論者から反駁(はんばく)される。 「財源もないのに、どうするんだ」と。
 カネはある。 日本は世界最大の債権国で、債権総額から債務を差し引いた純債権は250兆円に上る。家計貯蓄が政府の純債務625兆円ばかりでなく、米国など海外の借金を引き受けている。
 近現代経済学の巨頭、J・M・ケインズは国内の貯蓄は全額、国内投資に振り向けるべしと、説いたが、財務省は債券を発行して貯蓄123兆円を吸い上げて米国債などの購入に充てている。
 国際金融市場安定のためにドルや米国債保有するのはよいとしても、家計をやりくりして貯(た)めたおカネを使うのは国際的な非常識だ。
 日銀がお札を発行し、米国債を日銀の帳簿に移せば済む。
 政府はこの日銀資金を国内のインフラ投資の原資に回せばよい。そうすれば、量的緩和効果により、デフレも消滅しよう。
 カネがないことを理由に、国民の生命と財産を奪う大災害に備えることができないと言い訳するような政府こそ災厄なのである。