・野田政権は速やかに実効性のある成長戦略を提示して需要を掘り起こせ!

・三条 健です。
・総合的な物価動向を示すGDPデフレーターが3年3カ月ぶりにかろうじて前期比プラスになり、名目GDP伸び率も実質をわずかに上回った。
・デフレ脱却を確実にするために日銀の機動的な金融政策運営が必要なのはいうまでもないが、一方で政治の責任も重さを増している。
・政府の国家戦略会議は、菅直人前政権が一昨年6月に策定した新成長戦略409項目のうち、成果があったのは1割足らずと判定した。
・景気回復への不安材料は多い。 欧州危機の再燃、電力不足、火力シフトに伴う電力料金値上げなどは、ギリシャ再選挙や国内全原発の停止で危険度を増している。  復興需要も年後半に息切れするとの見方もある。
・野田政権は速やかに実効性のある成長戦略を提示して需要を掘り起こせ!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
速報 日差しさえぎる暗雲払え
2012.5.18 03:19 [主張]
 日差しは戻りつつあるが、先行きの暗雲に警戒を強める必要がある。 日本経済の現状を一言で表すなら、そんな表現になるだろうか。
 17日発表された今年1〜3月期の国内総生産(GDP)は予想を上回り、物価変動の影響を除く実質で前期比1・0%増、年率換算で4・1%増となった。 復興需要の本格化やエコカー補助金などで堅調だった個人消費が寄与した結果だ。
 歓迎したいのは、総合的な物価動向を示すGDPデフレーターが3年3カ月ぶりにかろうじて前期比プラスになり、名目GDP伸び率も実質をわずかに上回ったことだ。  安心できる水準には程遠いものの、物価下落が続き、名目が実質を下回るデフレに苦しむ日本には朗報である。
 デフレ脱却を確実にするために日銀の機動的な金融政策運営が必要なのはいうまでもないが、一方で政治の責任も重さを増している。
 これまでの量的緩和でだぶつく資金が被災地や中小企業など必要な場所に流れやすくするよう、規制緩和・撤廃を含め、仕組みの整備を急ぐべきだ。
 加えて、成長への道筋を示さねばならない。政府の国家戦略会議は、菅直人前政権が一昨年6月に策定した新成長戦略409項目のうち、成果があったのは1割足らずと判定した。
 野田佳彦政権は、新たな「日本再生戦略」を打ち出すというが、効果がない戦略を見直すのは当然として、施策の有効性を問う厳しい事前検証は絶対条件だ。  結局、新戦略でも、ばらまきや効果が薄い項目が並び、またもや時間と金の浪費になるのは許されない。
 実際、景気回復への不安材料は多い。 欧州危機の再燃、電力不足、火力シフトに伴う電力料金値上げなどは、ギリシャ再選挙や国内全原発の停止で危険度を増している。  復興需要も年後半に息切れするとの見方もある。  日差しをさえぎる雲は、想定以上に分厚くなりながら近づいている。
 東日本大震災で始まった昨年度の実質GDPは超円高、タイの洪水などに見舞われながらも前年度比0・01%減で踏みとどまった。  日本経済の底力といってよい。
 ただ、粘り強さにも限界がある。  野田政権は速やかに実効性のある成長戦略を提示して需要を掘り起こし、原発の再稼働も実現すべきだ。