高速増殖炉をもし動かすことが出来れば、核分裂性のプルトニウムが98%という、超優秀な核兵器材料を入手することができる。

高速増殖炉という原子炉では、原子炉を冷やすためにナトリウムというものを使わなければいけないのですが。  ナトリウムは空気に触れると発火するのです。 水に触れると爆発するのです。 そして放射線を受けると放射化する、というかそのもの自身が放射能になってしまう。
・ナトリウムは、銀白色の、通常、固体です。溶けてもえ…銀白色の不透明な液体にしかならない。何かあっても、中を見ることすら出来ない。こんな物質でものが作れるかというぐらいに困難なもの。 …そのために、もんじゅは度々事故を繰り返してきた。  今回の燃料交換器のトラブルも、一度壊れてしまうとそれを交換するだけで何年という時間がかかってしまう。こんな装置はもともと動きません。
もんじゅが事故になった場合は、水をかけたら爆発してしまうので、殆ど何もできない!
原子力は、未来のエネルギー源だと言われてきた。化石燃料は枯渇してしまうので、将来は原子力だと言われて、軽水炉と呼んでいる形の原子力発電所で使えるウランは235番のウランだけですが、地球上の資源としては大変貧弱ですぐに無くなってしまうことがわかっている。
原子力を未来のエネルギー源にするためには、238番のウランを使う以外にないということははじめから分かっていた。それをプルトニウムという物質に変えることによって、初めて利用できるようになるが、それを実現しようと思えば高速増殖炉を使う以外には、やりようがない。
・とてつもなく難しい技術で、世界中撤退してしまってる。 原子力が未来のエネルギー源だと、言おうとするのであれば、それをやるしか無い。でも実際には歴史的に、もう出来ないということがわかっている。
高速増殖炉という原子炉を動かしてしまうと、核分裂性のプルトニウム…まあウランの場合にも核分裂するウランと核分裂しないウランがあって、235番だけが核分裂する。238番は核分裂をしない。プルトニウム核分裂するプルトニウムと、しないプルトニウムがある。そして、高速増殖炉をもし動かすことが出来れば、核分裂性のプルトニウムが98%という、超優秀な核兵器材料を入手することができる。






〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
もんじゅ 再稼動に向かうただ1つの理由「核分裂プルトニウムが98%という超優秀な核兵器材料を入手できる」小出裕章6/21
2012年6月21日(木)、小出裕章氏が毎日放送たね蒔きジャーナル」に出演。
高速増殖炉もんじゅに関する慌ただしい動きについて言及しています。2号機の再臨界についても言及しています。
▼20120621 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
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千葉「え…今日は毎日新聞論説委員の池田昭さんと一緒にお伺いして参ります」
千葉「では早速なんですけれども、今ニュースでもお伝えしたんですが。高速増殖炉もんじゅで新しい動きが起きておりまして。え…おととし原子炉容器内のお…原子炉容器、原子炉容器の中に、え…かつ…燃料交換用の装置が落下した事故があったんですけれども。原子力安全・保安院が、交換した装置の機能試験を始めたということで。早ければ7月中にも事故前の状態に復旧するというニュースなんですが」
もんじゅ炉内装置の復旧ほぼ完了 トラブルから1年10カ月 政治・行政 福井のニュース :福井新聞
経済産業省原子力安全・保安院の検査で燃料の受け渡し機能は正常と判断され、復旧作業はほぼ完了。2010年8月の発生以来、約1年10カ月ぶりにトラブル前の状態に戻った。』
『6月中旬にも完全復旧の見込みだったが、落下トラブルが起きた際の装置引き上げの作業などが残っており、原子力機構は「完全復旧は7月中になる」としている。』
『復旧には計約21億円』
      ※報道の詳細はリンク先で。
千葉「改めてお伺いしますけども、このもんじゅってのは、事故が連続して、止まった状態が続いていた、いたんですよね。」
小出「そうです。」
千葉「あのー、かなり、深刻な事故というか、そういう事故、だったんです…か?」
小出「そうです。え…、もんじゅという原子炉は高速増殖炉というかたちの原子炉なのですが。」
千葉「ええ」
小出「その形の原子炉は、原子炉を冷やすために水を使うことが出来ないという宿命を負っています」
千葉「ええ」
小出「え…水という物質は、物を冷やすという意味では大変好都合、なもので。みなさんも家庭でなんか冷やそうと思ったら水をかけたりするでしょうし。火事になれば水をかけるわけ、ですよね。え…ほんと水というのは便利なものなのですが。その水を使えない、のです。で、そのために高速増殖炉という原子炉では、原子炉を冷やすためにナトリウムというものを使わなければいけないのですが。ナトリウムは空気に触れると発火するのです。水に触れると爆発するのです。そして放射線を受けると放射化する、というかそのもの自身が放射能になってしまい、ますし」
千葉「え、ええ? は?」
小出「はい(苦笑)」
千葉「冷却材自身が、」
小出「放射能になってしまう」
千葉「放射能になるんですか」
小出「はい。そしておまけにナトリウムというのは、え…、銀白色の、まあ、通常、固体ですし。溶けてもえ…銀白色の不透明な液体にしかならない、のです。ですから何かあっても、中を見ることすら出来ないという。ことになってしまいますので。え……こんーな物質でものが作れるかというぐらいに困難なものなの、です。んで…そのために、もんじゅは度々事故を繰り返してきましたし。今回の燃料交換器のトラブルも、一度壊れてしまうとそれを交換するだけで何年という時間がかかってしまう、のです。こんな装置はもともと動きません。」
千葉「う〜〜ん。…あの、今のお話を踏まえて、」
小出「はい」
千葉「お聞きしますけども。ラジオネームとむさんというかたからの質問で」
小出「はい」
千葉「仮にもんじゅで福島のような事故が起きた場合、冷却などは可能なんでしょうか、ということですが。」
小出「冷却はもう出来ないでしょうね。 要するに、福島の場合には、例えばその自衛隊がヘリコプターから水を撒いてみたり。 全くあれ(苦笑)、役に立たなかったのですけれども。 水を撒いてみたり、あるいは消防庁が水を消防車…から水を撒いてみたりですね。 あるいは原子炉の中には結局はまあ消防車から水を押し込むというようなことをやったわけですけれども。
 もんじゅが事故になった場合は、水をかけたら爆発してしまいますので。殆ど何もできないということになると思います」
千葉「え……。ま、そんな中で(苦笑)ですね、」
小出「はい」
千葉「文部科学省は、もんじゅ廃炉に関する可能性について指摘をしたりとかしてるんですよ」
小出「はい」
千葉「で…え…もう1つ質問が来てまして。ラジオネームなにわのしんぺいさんというかたで。このもんじゅ、理論上破綻してるのに存続の理由ってのはいったい何なんでしょうか。ということなんですが(苦笑)」
小出「(苦笑)ええ」
千葉「修理して存続させようっていうことだと、この動きからすると考えられなくもないんですが。小出さん、どう思われますか」
小出「え…、原子力というものは、未来のエネルギー源だと言われてきました。化石燃料は枯渇してしまうので、将来は原子力だと言われまして。私自身もそれを信じたのですけれども。今使っている、原子力発電所、私達が軽水炉と呼んでいる形の原子力発電所で使えるウラン、というのは。235番という番号のついたウランだけなのですが。それをあの地球上の資源としては大変貧弱ですぐに無くなってしまうことがわかっている、のです。そうなると、原子力を未来のエネルギー源にするためには、238番という番号の、ついたほうのウランを使う以外にないと、いうことはもうはじめから分かって、いたのです。それをプルトニウムという物質に変えることによって、初めて利用できるようになるのですが。それを実現しようと思えば高速増殖炉を使う以外には、やりようがない、のです。 え…しかしそれがもう、とてつもなく難しい技術だということで、世界中撤退してしまってるわけで、わけです。え…でも日本というこの国が、原子力が未来のエネルギー源だと、言おうとするのであれば、それをやるしか無い、のです。でも実際にはもう出来ないということがわかっている。歴史的にはわかっているのです。それでもなおかつやろうとする、しているわけで。 その理由はただひとつだと私は思っていまして。」
千葉「はい」
小出「高速増殖炉という原子炉を動かしてしまうと、核分裂性のプルトニウム…まあウランの場合にも核分裂するウランと核分裂しないウランがあって、235番だけが核分裂する。238番は核分裂をしないのですが。プルトニウムにも核分裂するプルトニウムと、しないプルトニウムがあります。そして、高速増殖炉をもし動かすことが出来るのであれば、核分裂性のプルトニウムが98%という、超優秀な核兵器材料を入手することができるようになります」
千葉「はあああああああ」
小出「はい、ですから、エネルギー源になるとかならないとか全く関係なくて。もんじゅのような大変ちいちゃなおもちゃのような原子炉でもいい。それを一度動かすことができさえすれば、超優秀な核兵器材料を懐に入れることができる、というのが最後の理由だと私は思っています」
千葉「はあああああ」
池田「あの、小出さんあの」
小出「はい」
千葉「先日のあの、原子力規制庁の法案ですか」
小出「はい」
千葉「あの附則の中でもどうも、安全保障という」
小出「そうです」
千葉「文言がありましたよね」
▼防衛目的で原子力基本法宇宙機構JAXA)法がひっそりと変更された
原子力規制庁の法案ではなく、原子力基本法ですね
小出「はい。はい。いよいよ来たなという感じですね」
池田「ですね。」
小出「はい」
千葉「はああ。そのためにじゃあ事故が起きたら福島以上の本当に止められないような状態の、原子炉をまだ動かして使っていこうという事なんですね」
小出「そうですね」
千葉「はああああああ」
池田「実際にその文部科学省がその5月にまあ廃炉の可能性に言及したとはいえ、その、こないだの年度末にはもんじゅに駆け込みの、ね、予算をつけましたからねえ」
小出「そうです。はい。」
池田「だから、どこまでその、そういうのが本気であるかっていうのはどうも疑わしい話ですよね」
小出「はい。まあ福島第一原子力発電所の事故以降、少し、原子力ムラが静かだったのですが。ここに来て一気に」
池田「そうですね」
小出「はい、あの…反転攻勢に出て来まして。40年まで動かしていい。 さらに美浜にしてももうOK、40年超えているわけですけれども、OKだと言い出してるわけですし」
池田「これはやっぱりあの、大井の再稼働っていう…」
小出「そうです」
池田「というものが、そういう意味でも大きな」
小出「はい」
池田「動きですよね」
小出「はい。ご指摘のとおりだと思います。」
千葉「……。はあ……(深い溜息)。 じゃあ次の質問参ります」
小出 「はい」
千葉「こちらは神奈川県にお住まいのラジオネームカルカンさんという方なんですけれども。 写真雑誌の中で、原子力エンジニアのアーニー・ガンダーセンという人が、福島第1原発2号機で、条件が揃えば再臨界が起きると警告していますが。 一体どのような条件で、え…その条件がそろう可能性っていうのはどの程度あるんでしょうか、ということなんですが」
小出「はい。え…ウランという物質が、臨界になるためには、ある、まあ、ある形状のもとに、ある量以上のウランが集まる、ということがまず必要ですし」
千葉「はい」
小出「その周辺に中性子を減速させるための物質、え…福島第一原子力発電所の場合には水なのですが、その水が適切な比率でその場所にあるという条件が満たされなければいけません」
千葉「はい」
小出「そして、その条件を1番うまく満たされるように、軽水炉という原子炉は設計するのです。」
千葉「はい」
小出「炉心というものを設計して、なるべく臨界になりやすいという形で、設計します。」
千葉「はい」
小出「で…ただし今回の場合、場合は、もうその炉心が、設計の条件を崩れて…失って、すでに溶け落ちてしまった、のですね。でそうなると臨界というじょんけ、条件からはどんどん離れていってしまいまして」
千葉「ええ」
小出「私は、今の状態で臨界になる可能性は、ほぼゼロといっていいぐらいだと思います」
千葉「そうですか。はあはあ。じゃあその点は、あのーまあこういう警告をしてる人もいるんですけれども」
小出「はい。あの、可能性がないわけではないのですが」
千葉「はい」
小出「え…大変小さいと思います」
千葉「はい。わかりました。小出さんどうもありがとうございました」
小出「はい。ありがとうございました」