公共事業の費用は、まずは既存財源の枠内で捻出すべきだ。 その際も、本当に必要な事業かどうかを選別することが欠かせない。
・ 公共事業の費用は、まずは既存財源の枠内で捻出すべきだ。 その際も、本当に必要な事業かどうかを選別することが欠かせない。
・ 議員定数をはじめ政党助成金、公務員給与削減など「身を切る改革」は、ほとんど進んでいない。 衆院選対策の思惑も見え隠れするが、安易な歳出拡大が赤字国債の膨張を招いてきた愚を繰り返してはなるまい。
・ 財政にゆとりが出る分は有効に活用し、再増税を行わずにやりくりすることにこそ知恵を絞るべきだ。
・安住淳財務相は25日の参院特別委員会で「財政収支改善努力を堅持していく。 公共事業をばらまく考えは一切ない」と答弁した。
与野党の歳出圧力に屈せず、平成25年度予算編成は財政規律を守るよう努めてもらいたい。
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消費増税 大盤振る舞いは話が違う
2012.7.26 03:37 [主張]
消費税増税で財政にゆとりが生じるからといって、効果の薄い大型公共事業への大盤振る舞いを許してはならない。
政府はこれまで消費税増税について、社会保障の安定財源確保とともに財政再建の緊急性を訴えてきた。 ゆとりが出た分は、国債発行の抑制を優先させるべきだ。
社会保障・税一体改革関連法案をめぐる民主、自民、公明3党の修正合意で、付則に「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」と付け加えられた。
政府は「消費税増税分はすべて社会保障費に使う」と強調するが、社会保障費に回っていた税財源が一時的に浮くので公共事業などに回そうということだ。
これを受け、国会審議では、自民党や公明党から防災や減災目的の大型公共事業などを求める声が相次いでいる。 民主党も、整備新幹線や高速道路など大型公共事業を復活させている。
もちろん、公共事業がすべてバラマキというわけではない。
東日本大震災は防災や減災対策の重要性を突きつけた。 橋梁(きょうりょう)や港湾などの多くは高度成長期に建設され、造り直す時期にさしかかっている。 この対応も必要だ。
だが、浮いた分を効果が期待薄な大型事業に投入したのでは、「何のための増税か」と受け止められてしまうだろう。
公共事業の費用は、まずは既存財源の枠内で捻出すべきだ。その際も、本当に必要な事業かどうかを選別することが欠かせない。
議員定数をはじめ政党助成金、公務員給与削減など「身を切る改革」は、ほとんど進んでいない。衆院選対策の思惑も見え隠れするが、安易な歳出拡大が赤字国債の膨張を招いてきた愚を繰り返してはなるまい。
そうでなくとも、消費税5%引き上げでは社会保障費の伸びに対応しきれないとされる。 野田佳彦首相も、再増税を検討する必要性に言及している。
財政にゆとりが出る分は有効に活用し、再増税を行わずにやりくりすることにこそ知恵を絞るべきだ。
安住淳財務相は25日の参院特別委員会で「財政収支改善努力を堅持していく。 公共事業をばらまく考えは一切ない」と答弁した。
与野党の歳出圧力に屈せず、平成25年度予算編成は財政規律を守るよう努めてもらいたい。