・蒋潔敏の失踪の真実は? 黒幕は? 中国共産党が絡んでいることは否定できない!

中国海洋石油中国石油天然気集団もシノペックも、別会社で業号するかにみえて、じつは根っこは同じ、中国共産党なのである。
・シノペック(中国石油天然気集団)社長の蒋潔敏が最後に目撃されたのは7月で、以後、病気療養といわれたが、8月15日に海外へ出張し、行方不明となった。
・蒋潔敏はCNPC(中国石化)社長兼同社党書記であり、昨年は雲南省長兼任の辞令が発令されそうとする観測もあった(ジェイムズタウン財団発行『チャイナブリーフ』、11年4月22日号)。
・蘇樹林と蒋潔敏のふたりは中国共産党中央委員候補である。  蘇は遼寧省党委員会中央委員を経て、「第六世代」の指導者のリストに加わっている。
 蒋は青海省副省長を歴任した。
・蒋潔敏の失踪の真実は? 黒幕は? 中国共産党が絡んでいることは否定できない!


〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国政界を揺らす椿事、シノペック社長が失踪
宮崎正弘   2012.09.06 Thursday
 資源派のナンバーツー、中央委員候補が会社から消えた。
 「資源派」とくに石油派は政治的に大変な力を持っていることは存外知られていない。 政治局常務委員(序列9位)に上り詰めた周永康は石油派出身、江沢民の引きでトップに加わった。
 このコースを狙っているのがシノペック(中国石油天然気集団)の蘇樹林である。  シノペックの会長ポストにある蘇樹林は福建省省長代理を兼ねる。 「政経分離」ではなく一致である。  しかも蘇樹林が、政治の場面では「資源派」の元締めと見られ、周永康に近い。 
 さて失踪したのはナンバー2である。
 社長の蒋潔敏が最後に目撃されたのは7月で、以後、病気療養といわれたが、8月15日に海外へ出張し、行方不明となった。
 蒋は1955年山東省生まれ、党学校に学び、政治家を志して、石油派が近道とばかりシノペック労組書記、そして社長になった。
 蒋潔敏はCNPC(中国石化)社長兼同社党書記であり、昨年は雲南省長兼任の辞令が発令されそうとする観測もあった(ジェイムズタウン財団発行『チャイナブリーフ』、11年4月22日号)。
 あたかもロシアでは、チェルノムイルジン元首相がロシア最大資源企業「ガスプロム」前会長、この会社の前社長はメドベージェフ現大統領。
 この実業家と政治家がヤヌスの首のように入れ替わるのがロシアと中国では共通するようである。
 蘇樹林と蒋潔敏のふたりは中国共産党中央委員候補である。  蘇は遼寧省党委員会中央委員を経て、「第六世代」の指導者のリストに加わっている。
 蒋は青海省副省長を歴任した。
 このように地方幹部の経験をもって石油化学の国有企業トップを兼ねる第六世代のなかには衛留成(海南省党書記、中央委員)らがいる。  衛留成はCNOOC(中国海洋石油)の会長だった。
 中国海洋石油は主として海外鉱区の開発をするために設立された。ということは中国海洋石油中国石油天然気集団もシノペックも、別会社で業号するかにみえて、じつは根っこは同じ、中国共産党なのである。
 第六世代のホープのひとり、張高麗も石油・ガス産業出身者、つまり資源派である。 
 そして彼らは誰もが原発推進派である。 中国で稼働中の原発は13基。
 建設中が26基。 そして計画中が28基。  福島原発事故のあとを受けても中国は強気で「中国の技術は水準が高く、事故は心配がない」と豪語した。
 このエネルギー戦略の立案と行使を推進するのが、既存の利権集団をこえて台頭凄まじき「資源派」。 第六世代の中核部隊である。
 そのなかの実力者が「失踪」となれば、前代未聞の大騒ぎとなっている。