世界の人々の記憶に残る品格のある台詞(せりふ)を言える外交がほしい!

・国境離島に関する日本の対外発信は決定的に足りない。 世界が知らないことを日本は知らねばならない。
・日本発の国際的メディアもしくは準ずる手段の構築を急げ!
・中国はCCTVをフルに活用した。国際的メディアを持たない日本は顔も声もないに等しい。 情報化時代に致命的だ!  官房長官の舌足らず会見はどうにかならないか? 昼行灯と言われるのは当然だ! 
・国際社会を魅了するスポークスパーソンの登用をせよ!
尖閣竹島北方四島の客観的で信頼でき、かつ外国人も読みたくなるような英文資料を作り世界中に発信しろ!  外務省は何をやっているのか?
外務省自体がアンポンな昼行灯なのか?
・固有名詞を回避した野田首相の国連総会一般演説は絶好のタイミングだったにもかかわらず印象が薄かった!  世界の人々の記憶に残る品格のある台詞(せりふ)を言える外交がほしい!


あいm〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
いま日本に胡適がほしい
客員論説委員・千野境子   2012.10.9 03:11
 尖閣諸島の国有化をめぐる中国の一連の蛮行は国際社会の中国への警戒心を却(かえ)って高めた。  逆に、日本は「節度ある対応をした」(米紙)などと褒められもしたけれど、これも敵失のせいで、消極的評価である。
 肝心の領有権問題は「岩の塊にすぎぬ無人の島々」(英誌)をめぐる不毛な争い、つまり日中どっちもどっちというのが世界の大勢だろう。
 国境離島に関する日本の対外発信は決定的に足りない。それが今回の手痛い教訓である。世界が知らないことを日本は知らねばならない。
 今すぐ取り組むべきことが、少なくとも3つあると思う。
 第1は日本発の国際的メディアもしくは準ずる手段の構築だ。今や海外で、BBC放送(英国)、CNN(米国)と並んで存在感を示しているのが中国のCCTVである。 最近は海外の旅先でCCTVの放映に接する機会がとみに増え、洗練ささえ感じる。 今回も中国はCCTVをフルに活用したことだろう。そのすべを持たない日本は顔も声もないに等しい。情報化時代に致命的である。
 第2は国際社会を魅了するスポークスパーソンの登用と派遣である。先頃、都内で行われたフォーラム、「太平洋戦争の遺産と現代的意義」(防衛省防衛研修所主催)を傍聴しながら、「日本にも胡適宋美齢がほしい」とつくづく思った。
 戦前、北京大教授だった胡適は「日本切腹、中国介錯論」で知られ、米ソを日中戦争に引き込むために中国が抗日戦を引き受け、2、3年は負けて耐えよと説いた。   そして、1938年、蒋介石中国国民党政権の駐米大使に起用されると、米国参戦のため奔走。その後の歴史は胡適の見立てた通りとなった。
 宋美齢は言うまでもなく蒋介石夫人だ。 ルーズベルト米大統領夫妻と親交を結び、英語と美貌を武器に活躍、議会や国民を虜(とりこ)にしたうえに対日政策にも多大な影響を与えた。
 太平洋戦争で日本が情報戦でも負けたとしばしば言われる背景には、彼らの活躍が無視できない。  しかも胡適は「自由、民主、公正のために日本と戦う中国には世界的意義がある」と、中国の道義の優位性を強調し、抗日戦を単なる国益から国際益へと高める戦略にも長(た)けていた。
 日本も、尖閣諸島の帰属の歴史的正当性を述べるだけでなく、それこそが紛争に満ちた国際社会の規範足りうると深い共感を呼ぶ主張を魅力ある人物に発信してもらうのだ。
 そして、第3は、尖閣竹島北方四島の客観的で信頼できる、かつ外国人も読みたくなるような英文資料作り。海外で競争力のあるアニメの出番を仰ぐのも一案だろう。
 日本の英語の発信量は中韓と比べて少な過ぎる。例えば、韓国は「Dokdo」を特集した英文冊子を7年前、島根県議会が「竹島の日」を制定した頃にもう作っている。
 そう、以上の実現にはスピードとタイミングが欠かせない。それなしには効果も半減する。  野田佳彦首相の国連総会一般演説が絶好のタイミングだったにもかかわらず印象が薄かったのは、固有名詞を回避し、法の支配という一般論に終始したからだと思う。  相手を「盗人」と呼ぶような低レベルでなく、言葉は言霊(ことだま)、人々の記憶に残る台詞(せりふ)がほしい。
 そして最後に継続性。西太平洋戦略にとって重要な尖閣諸島を中国は容易には諦めない。領海侵犯は続くのだろう。ことは長期戦である。