・老朽インフラの保守補修に知恵を絞って、予算を振り向け、耐震化も実行することが今、求められていることをリーダーは認識せよ!
・財源に限りがある中で、公共投資をきちんとインフラの保守に配分する仕組みづくりに頭を使うことが何より必要だ!
・全国に15万7千カ所ある全長15メートル以上の道路橋などのうち、217カ所(4月現在)が損傷や劣化のため通行止めになっているのだ!
・景気対策の名のもとで、投資効果が低い公共事業をばらまく余裕はもはやないが橋や道路などのインフラは国民の生命を守り、地域の暮らしや経済活動を支える重要な基盤だ! 保守や補修に必要な投資を怠れば、国土の安全は徐々に崩壊してしまう。
・予想される首都直下地震などに備え、今後は公共施設の耐震化も急がねばならない!
・老朽インフラの保守補修に知恵を絞って、予算を振り向け、耐震化も実行することが今、求められていることをリーダーは認識せよ!
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老朽インフラ 安全確保に投資惜しむな
2012.12.7 03:18 [主張]
老朽化したインフラをどのように維持・管理し、次の世代に引き継ぐか。中央自動車道の笹子トンネルで起きた天井板の崩落事故は、重い課題を突きつけた。
トンネルだけではない。 高度成長期以降に建設された高速道路や橋、港湾施設なども経年劣化が進んでいる。 財源に限りがある中で、公共投資をきちんとインフラの保守に配分する仕組みづくりが何より必要だ。
各党は今回の衆院選の論戦で、国の基盤となるインフラの保守のあり方についても明確な考え方を示してほしい。
例えば、橋梁(きょうりょう)の老朽化の進み具合は深刻だ。 全国に15万7千カ所ある全長15メートル以上の道路橋などのうち、217カ所(4月現在)が損傷や劣化のため通行止めになっている。 重量制限などの規制を講じた橋も、4年前に比べ1・7倍に急増した。
国土交通省によると、損傷が激しくなるとされる築50年を経過するインフラは2030年度で橋の半分以上、水門など川の管理施設の6割以上に達する。 だが、予算や人員が不足しがちな市町村管理の道路や橋では補修計画もほとんどないのが実情だ。
公共事業費は減少しており、ピーク時の1990年代後半に比べ現在は半分程度にとどまる。「コンクリートから人へ」のスローガンで公共事業削減に取り組んだ民主党は、今回も「公共事業のばらまきに明るい経済の見通しはない」とする。
これに対し、自民党は政権公約で「国土強靱(きょうじん)化」を掲げ防災・減災などを中心に公共事業を増やす。
公明党も10年間で100兆円を投じる「ニューディール計画」をうたう。 東日本大震災を機に防災対策を重視したものだ。
景気対策の名のもとで、投資効果が低い公共事業をばらまく余裕はもはやない。だが橋や道路などのインフラは国民の生命を守り、地域の暮らしや経済活動を支える重要な基盤である。保守や補修に必要な投資を怠れば、国土の安全は徐々に崩壊してしまう。
適切に維持・管理すれば、老朽インフラでも安全に使える「長寿命化」を実現することが可能だ。 予想される首都直下地震などに備え、今後は公共施設の耐震化も急がねばならない。
公共事業費の「賢い使い方」に、みんなで知恵をしぼりたい。