・ミサイル攻撃などテロによる攻撃に耐える安全な原発建設は費用がかかりすぎて採算がとれない!

・福島第一4号機の使用済み核燃料を貯蔵したプールのコンクリートがボロボロに痛んできており、 冷却水を送るポンプが故障し、ひそかに復旧作業をしている。
・時間との戦いで、出来る限り早く使用済み燃料プールの底に、今現在は眠っている使用済みの燃料を、 少しでも安全なところに取り出すことが必要。
・4号機の使用済み燃料プールの底には、広島原爆に比べれば5000発分のセシウム137が存在しています。もしプールが崩壊するような事になって、使用済み燃料を冷却できなくなれば、最悪場合は5000発分が大気中に出てくる。
・日本は世界一の地震国で、 世界中で起きる地震の10%から20%が起きるというようなところですので、原子力発電所を建てて安心できるという場所は無い。
・ミサイル攻撃などテロによる攻撃に耐える安全な原発建設は費用がかかりすぎて採算がとれない!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
「4号機が崩落すれば数時間で東京に到達・山中伸弥先生・ソコトコ終了・他」小出裕章氏12/12吉田照美ソコト

吉田照美
原子力の専門家としてのお立場からその危険性を訴え続けていらっしゃいます、 京都大学原子炉実験所助教小出裕章先生です。
小出:
福島第一原子力発電所の事故が今現在も進行中ですし、沢山の方々が故郷を追われて苦しんでいる訳ですので、やらなければならない事は山積みです。
吉田:
そうですよね、で、さっそく何ですけれども、
連日のニュースは選挙と隣の国のロケット打ち上げの事ばかりでですね、
福島原発事故の事は報道されないで、まぁ、収まっているかのように、なんか感じちゃっている人がいたりするわけで、野田さんが、あの、ね、収束宣言を撤回しないというのは本当に許せないと思うんですけれども、
小出:
はい、吉田さんがおっしゃる通りだと私も思いますし、今現在も事故が拡大する事を防ごうとして、沢山の労働者が被ばくをしながら戦っている訳ですし、
故郷を奪われた人の生活だって、全く元に戻っていないという状態が続いています。「これで一体何が収束なのか?」と私は思います。
吉田: それをまた突っ込む人がいない日本って、ヘンすぎますよね?
小出: 不思議ですね、はい。
吉田: ね、メディアだって徹底的に叩くべき話なのに。
小出:そう思います。
吉田: ね、で、これ事故当時と全く変わってないという状況なんですか?
小出:
事故の直後に膨大な放射性物質が噴出してきたというのは、およそ半月だったのですが、その期間は過ぎています。ただしもう、それの間に出てきてしまった放射能で、敷地内も汚れているわけですし、敷地の外も広大なところが汚れてしまって、もう元に戻せない状態がいまも続いていますし、いま、これからの ということだって、大きな可能性がまだ残っていますので、これはら何年何十年と苦闘を続けなければいけません。
吉田:
あらためて東京電力福島第一原発の現状を教えて頂きたいんですけれども、
1号機2号機3号機の様子というのは、それぞれどういう状況として小出先生は捉えていらっしゃるんでしょうか?
小出:
1号機2号機3号機というのは昨年の3月11日に運転中でした。そのため電源が断たれて、3つとも炉心が溶け落ちてしまった。そこまでは分かっているのですが、 融けた炉心がいったいどこにいあるのか?
それを調べに行く事も出来ないまま、もうすでに二年近くが経とうとしています。
建屋の中がものすごく放射能で汚れてしまっていますので、建屋の中に調べに行くことすらが出来ないという、そういう状態が、今あるわけです。
◆数時間で東京に到達
吉田:
で、4号機に関しては、たまたま僕、ツイッターでですね、 今朝なんですけど、岩上安身さんのですね、情報で、これちょっと紹介したいんですけれども、 村田光平元駐スイス大使から先程メールで驚くべき情報が届けられた。
福島第一4号機の使用済み核燃料を貯蔵したプールのコンクリートがボロボロに痛んできており、 冷却水を送るポンプが故障し、ひそかに復旧作業をしているという。
村田氏ご本人に確認のうえ、如何に全文を明らかにするという事で、 ツイッターをやられる方はこれをチェックしていただきたいと思うんですけれども、
この情報が各メディアにも届けられているはずなんですかれども、どっこもこの情報を明らかにしていないというのは、僕は、とんでもないことだと思うんですけど、この話は小出先生はどういうふうに理解しますか?
小出:
今初めて私も知りましたが、言ってみれば当たり前のことというか、コンクリートがどんどん劣化するというのは、どこもそうですし、ポンプが故障するなんていうのは、原子力発電所では日常的に起きているわけです。
それが今回起きたという事だと思うし、 これからもまたそういう事は起きていく訳で、時間との戦いで、出来る限り早く使用済み燃料プールの底に、今現在は眠っている使用済みの燃料を、 少しでも安全なところに取り出すという事をやらなければいけません。
吉田:
先週のような地震がまた来るかもしれない状況でですね、最悪の場合この4号機の使用済み燃料プールに損傷が起こると、これは、どうなってしまうという事なんですか?
小出:
日本政府がこれまでの期間に大気中の放出されたセシウム137という、人間に対して大変危険を及ぼす放射性物質ですが、それは広島原爆から比べると168発分だったと、日本政府が言っています。そして4号機の使用済み燃料プールの底には、広島原爆に比べれば5000発分のセシウム137が存在しています。もしプールが崩壊するような事になって、使用済み燃料を冷却できなくなれば、最悪場合は5000発分が大気中に出てくるという事になります。
つまり、これまでに出てきた放射性物質の10倍を超えるようなものが出てくる可能性があるという事です。
吉田:
そうなんですね、で、実際にこれたとえばそういう事態になったら、もう、あっという間に日本は終わってしまう訳でしょ?これ。
小出:
え……、それは運です。要するに、風がどちらの方向に向いているか?という事で、
吉田: その時の…
小出: はい、噴出してきた時の風向きが、西から吹いていてくれれば放射能は太平洋に落ちてくれるわけですし、 北風が吹いていれば東京がやられるという事になります。
吉田: それは、たとえば東京、関東エリアの方に向かっていれば、なんか…
この間見たものでは、なんか4時間で到達してしまうみたいな話ですけれど。
小出: もちろんそうですね。 250kmぐらいしかないのですから、数時間のうちに東京まで到達すると思います。
吉田: 恐ろしい事だと思うんだけどな。 だから、そういう事を認識したうえで、原発推進とか、反対という事を述べなくちゃいけないんですけれど、認識していない日本人が相変わらず僕は多すぎるような気がするんですけど。
小出: そうですね、一時期、去年の3月11日後は、直後は、皆さん何か放射能というものについてそれなりの注意を払っていたと思うんですが、今現在皆さん忘れてしまったように私にはみえます。
吉田:僕なんかこういう小さいラジオ局でこういう発言をしているんですけれど、 本来であれば、僕はやっぱりNHKが7時のゴールデンタイムで、小出先生の話を僕はやっぱり流すべきだと思うんですけど。
小出:(笑)はい、ありがとうございます。
吉田: そういう事の動きをNHKがしないというのは、 僕は「みなさまのNHK」という感じはとてもしない訳なんですけれども、
小出:はい、私もそう思います。
活断層
吉田: ね、それから今週月曜日のニュースですけれども、原子力規制委員会敦賀原発敷地内の断層が「活断層」という結論を出しましたけれども、数週間前の拡散予想のミスの発覚なども含めて、小出先生はこの事態をどういうふうに受け止めていますか?
小出:活断層なんていう事はもう昔から分かっていた訳ですけれども、「その事実を無視する」という事で、「敦賀原子力発電所の安全性を確認した」とずーっとやってきたわけです。
吉田:無視した人たちがいた訳ですね?やっぱり。
小出: そうです。 ずっとそうやってきたし、今回も活断層だという所までは認めた。 ま、昔から分かっていた事を認めたというだけのことであって、それでもなおかつ「運転していい」と、ひょっとすれば彼らは言いだすのではないかと私は心配しています。
吉田:ほんとですね、それで、日本の国土に、果たして活断層ばかり注目していますけれども、活断層の無い原発の立地に適切ななんてあるんですか?
小出:
私は断層の専門家ではありませんけれども、日本は世界一の地震国で、 世界中で起きる地震の10%から20%が起きるというようなところですので、原子力発電所を建てて安心できるという場所は無いと私は思います。
吉田:本当にこれは、注目というか、注意しておかないととんでもないことになってしまいますよね。
小出:はい、もうすでに福島第一原子力発電所の事故で、大変なことになっているのですね。
吉田:なっているんですからね。
小出:「それに気がつかないという事がどういう事なのか」というのが私には理解が出来ないです。
たね蒔きジャーナル終了
吉田: 本当にできないですね。 我々放送人にとって今年一年を振り返りますと、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降ですね、1年半にわたり小出先生のお話をしっかりと伝えてくれたラジオ番組の “たね蒔きジャーナル”終了という、ま、事件だと思いますけど、ありましたけど、これに対しては小出さんはどういうふうに感じていますか?
小出: はい、大変残念なことだと思います。 え…この世界にある事実、真実というのは、広大なものがあるのですね。 その広大な物の中から何を伝えるか?というのが 報道、あるいはジャーナリズムの使命というか存在意義だと思うのですが、 当り前のことを言えば、強いものが自分の好みの情報を流すというのがこれまでもそうでしたし、現在も多分そうなのだと思います。
それではなくて「本当に何が必要なのか?」という事を見極めるという所に
ジャーナリズムの価値があると思いますし、 たね蒔きジャーナルが随分頑張ってきてくださったのですけれども、それでもやはりそういう番組は潰されてしまうという事で残念ですし、吉田さんの番組も気を付けてほしいと思います。
吉田:ちょとこの事に関しては後ほど話をしなければいけないと思っていますけれど、福島の方までがね「助けて」というふうに、たね蒔きジャーナルに本当の事を知りたくて、番組の方まで連絡があったなんていう話を聞くと、もう、それだけの番組って、なかなか今まで聞いた事もない番組でしたからね。
小出:そうですね。
ノーベル賞山中伸弥先生が小出先生の講演に参加
吉田:
残念です、本当に。 後、小出先生は全国各地で依頼された講演会で、大切なお話をされている訳ですけど、 伺った話によると、ノーベル生理学医学賞受賞の山中伸弥先生が小出先生の講演会に行かれていたって言うのは、これは本当なんですか?
小出: はい。去年の奈良女子大学で開かれた講演会に、 彼が全く予告も無くただの一人の聴衆者として参加して下さっていました。で、集会が終わってから彼が私のところにきて、「放射線の生物影響」のような事を、ほんのちょっとだけごく短時間お話をしたのです。その後私は主催者たちとの交流会という場所に行ったのですけれども、 なんか山中さんはその交流会に出る事を主催者から断られてしまったそうで、後から私はそれに気がついたのですが、大変残念なことになりました。
吉田:
わかりました。 お時間が来てしまいましてね、今年一年ありがとうございました。
小出: こちらこそありがとうございました。
吉田: とにかく来年は今年よりもちょっとでも良い年にしたいと思いますけれども、 また年が明けて何度もご出演お願いすることになりますけれども、またよろしくお願いいたします。