・米国と同盟関係を保つ韓国が主導して南北統一がなされることは、中国がなんとしても防ぎたい。
・北朝鮮は今回の実験でその核弾頭小型化には成功していない。
・小型化に成功したか否かは、実験の全体像や実際に放射性物質の内容を把握しなければ、判定は不可能に近い。
・米国と同盟関係を保つ韓国が主導して南北統一がなされることは、中国がなんとしても防ぎたい。
・中国としては北朝鮮の核武装をあまりに大上段に妨げることが金政権の崩壊につながったりする事態は絶対に避けたい。
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北朝鮮は核弾頭小型化に成功していない
古森義久 2013.02.21
北朝鮮の核爆弾実験をどう解釈するか。 アメリカ側専門家の見解の紹介を続けます。
北朝鮮の最大の狙いは核爆弾を長距離弾道ミサイルの先端に装着できるところまで小型化、軽量化することにあります。 しかし今回の実験でその小型化には成功していない、というのです。
かといってもちろん安心はできません。 北朝鮮はなお必死になって、その目標へと驀進しているのですから。
<やはり北朝鮮核実験を許容している中国 米国の研究報告が「中国の公式声明は本音ではない」>
また金正恩政権が揺らいで崩壊した結果、南北統一へつながるという恐れもある。 米国と同盟関係を保つ韓国が主導して南北統一がなされることは、中国がなんとしても防ぎたい事態である」
要するに、中国の公式声明は本音ではないという解釈なのだ。 中国としては北朝鮮の核武装をあまりに大上段に妨げることが金政権の崩壊につながったりする事態は絶対に避けたい、というのが米国側の読みである。
■小型化には成功していないが濃縮ウラン使用の可能性が
次に、今回の核実験の技術的な実態はどうなのだろうか。
今回の実験の最大焦点は核弾頭、つまり核爆弾の小型化、軽量化だった。
北朝鮮が狙うのは、核弾頭を小型にして、長距離、中距離の弾道ミサイルの弾頭として装備できるようにすることである。 そのために核弾頭を小さく、軽くすることを度重なる実験によって目指すわけだ。
北朝鮮当局は公式発表でも今回の 実験での小型化の目標を宣伝し、その目標が達成されたとも読み取れる言明を重ねている。
しかし核弾頭の小型化というのは容易な作業ではない。 核爆弾を地表や地下で爆発させることから始まり、少しずつその爆弾を小さく、軽くしていっ て、ついに弾道ミサイルの先端に着装できるようにするというプロセスは、単に想像しただけでも極めて困難であることが分かる。
今回の実験でその小型化に成功したか否かは、実験の全体像や実際に放射性物質の内容を把握しなければ、判定は不可能に近いという。
しかしそれでも状況証拠からの推察は可能だろう。 リグネットの報告は、北朝鮮が今回の実験ではまだ核弾頭の小型化に成功していないとの見解を打ち出した。
「リグネットとしては、今回の核実験の限定された爆発量やこれまでの長距離弾道ミサイル計画での技術的な困難性から推測して、まだ北朝鮮は小型化 された核装備を生産できる技術的能力を保有するには至っていないと判断する。
北朝鮮当局が今回の実験でその能力保有に成功したと宣言することは、不正確、あるいは誇張であると見る」(つづく)