・中国銀行間金利が暴騰し、先週来の短期金利急上昇によって、中国市場は資金枯れ状態に陥っている。

・中国金融界の伏魔殿に乗り込んだ王岐山副総理は、次々と銀行、証券ならびに三会(銀行監査委員会、証券監査委員会、保険監査委員会)の審査を開始した。
・審査対象は外資系金融機関にも及んでおり、とくに「国際取引」の面妖な部分に捜査の焦点が当てられている。 書類のごまかしで不正は海外送金が行われている。
中国銀行金利が暴騰し、先週来の短期金利急上昇によって、中国市場は資金枯れ状態に陥っている。




〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
中国金融界に粛清の嵐  
宮崎正弘  2013.06.21
  鉄腕亮相・王岐山(副首相)が反腐敗キャンペーンで金融界に大なた。中国金融界、大刷新につながるか。銀行幹部ら千余名を審査、400名を処分。
 大嵐が吹いている。 ショックを受けた中国金融界、銀行株、証券株、保険株などが大幅に下落して、上海株式指数は2100を割り込む大暴落を演じている。
 習近平から絶対の信用を勝ちとって、金融界の伏魔殿に乗り込んだ王岐山(副総理、政治局常務委員、序列五位)は、ボディガードを多数引き連れて、次々と銀行、証券ならびに三会(銀行監査委員会、証券監査委員会、保険監査委員会)の審査を開始した。
 四月以来、怪しげな幹部およそ1000名あまりを審査し、6月20日現在すでに400名前後が処分された。
 捜査は四大国有銀行(中国工商銀行、建設銀行、中国銀行、農業銀行)ばかりか、中信託、光大、招商銀行などに加えて21の市銀、七つの省際発展銀行(広東、山東、福建、海南、浙江、雲南江西省)にも及んだ。
 こんどの審査対象は外資系金融機関にも及んでおり、とくに「国際取引」の面妖な部分に捜査の焦点が当てられている。  書類のごまかしで不正は海外送金が行われているからだ。
 大銀行の頭取11名、副頭取9名を「停職処分」とし、審査継続中である。くわえて、これまで聖域とされた三会(銀監、証監、保監)の幹部も審査対象としたところがユニークである。 王岐山が「強勢亮相」と渾名される所以でもある。
▼政界にも甚大な影響がおよびはじめた
 また政界にも捜査はひろがっていて、すでに四川省副書記の李春城、湖北省全人代副主任の呉永文、国家エネルギー局長の劉鉄男らが失脚した。
 さらに停職中の幹部に替えて、中央銀行の書記に子飼いの田国立(王が建設銀行頭取時代の部下)、工商銀行頭取に易会満(前副頭取、もともとは王岐山のアシスタント)、招商銀行頭取に田恵宇(王岐山の秘書)、国家開発銀行頭取に胡還邦(王の腹心)をそれぞれ送り込んだ。
 また金融担当の国務委員・馬凱、楼継傳(財務相)らは周小川(中央銀行総裁)と金融改革を錦の御旗にチームを組んで、横の連絡を取りながら金融界の大掃除を断行しているが、後者三人はいずれも朱容基(元首相)が培った法経系の人脈である。
 なるほど、こうまで背後の人脈がみえてくると、いま中国経済が悲鳴をあげているキャッシュ・クランチ(クレジット・クランチに加えての)に通貨供給を続けない周小川の金融引き締め政策への転換が読めてきた。
 銀行間金利が暴騰し、先週来の短期金利急上昇によって、市場は資金枯れ状態に陥っているようだ。金融界の闇から次は大蛇がでるか?