・国会事故調は「事故は人災」とまで断じている。事故は人災ならば、責任を負わねばならない者が確実に存在するはずだ!

東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された当時の東電経営陣や政府関係者ら計42人全員を、検察が不起訴とした。
・「菅元首相が事故直後に現地を視察したことも、原子炉内の圧力を下げるベント作業には影響を与えなかった」と判断した。
原発事故では、原子炉の電源喪失で冷却装置が機能不全となったため、炉心損傷と水素爆発が起きた。放射性物質が拡散し、多くの周辺住民が被曝した。
・米国には、悪質な企業に巨額の賠償金を支払わせて制裁を加え、再発抑止を図る懲罰的損害賠償の制度がある。
原発事故が社会・経済に与えた深刻な打撃を考慮すれば、東電や政府の責任は重大だ!
・国会事故調は「事故は人災」とまで断じている。事故は人災ならば、責任を負わねばならない者が確実に存在するはずだ!
原発施設では、想定外の事態に対処し得る安全管理態勢の構築を行っておくのが当然のことだ! これは事故後に発すべき言葉では断じて無い!



〜〜〜関連情報<参考>〜〜〜
原発事故不起訴 東電と政府の責 任は免れない
(9月15日付・読売社説)
 未曽有の大災害に伴う事故で刑事責任を問うことの難しさを示す結果になったと言えよう。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された当時の東電経営陣や政府関係者ら計42人全員を、検察が不起訴とした。
 東日本大震災による巨大津波は予測不可能で、東電首脳らが事前に対策をとらなかったことは過失とは言えない、という理由だ。
 菅元首相が事故直後に現地を視察したことも、原子炉内の圧力を下げるベント作業には影響を与えなかった、と判断した。
 過失を裏付ける明確な証拠が集まらなかった点を考えれば、不起訴の結論はやむを得まい。
 原発事故では、原子炉の電源喪失で冷却装置が機能不全となったため、炉心損傷と水素爆発が起きた。放射性物質が拡散し、多くの周辺住民が被曝した。
 検察は、この電源喪失津波によって引き起こされたと認定した上で、地震学者への聴取結果から、今回のような規模の津波の発生は、専門家の間でも想定されていなかったと結論づけた。
 業務上過失致死傷罪として立件するには、漠然とした危機感ではなく、具体的に津波が襲来する危険を認識しながら、必要な対策を怠っていた証拠が求められる。
 想定外の天災という要素が、捜査を進める上で、高いハードルになったのは間違いない。
 過失犯の捜査では、個人の処罰が焦点になる。 混乱を極めた事故後の状況下では、特定の個人に刑事責任を負わせるのは難しいという側面もあったのだろう。

 米国には、悪質な企業に巨額の賠償金を支払わせて制裁を加え、再発抑止を図る懲罰的損害賠償の制度がある。日本には、民事訴訟でもこうした仕組みはない。
 だが、法的責任は認められなくとも、原発事故が社会・経済に与えた深刻な打撃を考慮すれば、東電や政府の責任は重大である。
 政府の事故調査委員会は、東電が安全神話にとらわれ、経済産業省の旧原子力安全・保安院など規制当局も対策を電力会社に任せ、リスクの検討を後回しにしていたと指摘した。国会事故調は「事故は人災」とまで断じている。
 政府も東電も、事故の教訓を踏まえ、想定外の事態にも対処し得る安全管理態勢の構築を急ぐ必要がある。 福島第一原発は今も汚染水漏れ問題を抱えている。その対策や、廃炉に向けた作業を、着実に進めなければならない。
(2013年9月15日01時31分 読売新聞)